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小林よしのり

「跋扈する嫌韓嫌中の武断的な言説について、日本人であるだけですごい、と言っているだけです。何事もなしえない非力な自分を全面的に肯定してくれるから無邪気に喜んでしまう」


半藤一利

「南京虐殺は数字の問題ではないんですね、これは。非戦闘員を殺したのですから」

「慰安婦に強制があったかどうかより、大事なのは戦場の近くに慰安所があって、軍隊が認めなければ開けなかったという事実です。彼女たちの性病を検査していたのは軍医ですよ。業者がやったなんて言い方は通用しません」


「戦前を見てごらんなさい。本土を外で守ろうと朝鮮半島を併合し、その外が危ないと次に生命線だと満州に手を出す。そして北支です。それで結局破滅したのです。私たちは国を守るために外交的に国際協調主義でやるしかないんですよ。それがリアリズムということなんです」


「やはり歴史を知らないからです。戦前、日本が朝鮮半島で行った植民地支配、中国大陸で繰り広げた侵略を日本人はまったく学んでません。どうあってもあのような時代を繰り返してはならないのに、戦後70年近くたってすっかり感覚が鈍ってしまった」


野上忠興(安倍晋太郎の元番記者)

「安倍(晋三)さんにその下敷きとなる思想、発想があるとは思えません。政治家として彼の頭にあるのは優しいおじいちゃんこと岸信介さんの存在のみです。A級戦犯容疑者、昭和の妖怪などとおじいちゃんをなじる言説に出会うと安倍さんは感情的になって猛反発したといいます。研鑚を積んだ上での国家観などあるはずもなく、言ってみれば一種の私怨と解釈できます。いわゆる特攻生き残りの晋太郎さんはよく言っていました。平和がいいんだよ、平和が、と。」


中島岳志

「安倍内閣の女性閣僚の問題は、彼女たちが男性社会の原理に過剰適応することで地位を得ていることにある。安倍内閣で登用された女性の特質として目立つのは、マッチョな右派イデオロギーである。彼女たちは、男以上にマッチョなイデオロギーを振りかざすことによって、男性社会に受け入れられてきた」

「安倍内閣の女性政策の根本に関わる問題は、彼らが登用する女性は、男性社会原理に飼いならされた女性たちであり、男性の置かれた場所を補完してくれる女性たちである。結果、安倍内閣の女性活用政策は、男性社会原理を加速させるという逆説を生み出す」

「このまま安倍内閣が継続すれば、特定の時代に規定された家族観を押し付けられ、家事や育児を全面負担しながら、条件の悪い低賃金労働を担うことになる」