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中島京子 「戦前という時代」
・「小さいおうち」は戦前の政治家や軍人、官僚など歴史を動かす決断をした人たちではなく、一般の人々にとってあの時代はどういう時代でなぜ戦争に向かったのか知りたいと思ったから、書いた
・戦前は明るくて文化的な時代と暗くて恐ろしい残酷な時代がどう共存していたのか
・当時の人々は無知と無関心、批判力のなさ、宣伝に騙されてしまう主体性のなさも
・日中戦争開始時は好景気に
・戦中は思想統制や言論弾圧に市井の人々が慣れていった
「日常の中に入り込んでくる戦争の予兆とは、人々の慢性的な無関心、報道の怠慢あるいは自粛、そして法整備などによる権力からの抑圧の三つが作用して、見ざる聞かざる言わざるの三猿状態が作られることに始まるのではないだろうか」
「平和な日常は必ずしも戦争の非日常性と相反するものではなく、気味悪くも同居してしまえるのだと、歴史は教えている」