4/10
森
「明治以降の日本は日本民族は特別だ、との意識をずっと保持してきました。鎖国を解いたときに周りを見渡したら、アジアはほとんどが欧米列強の植民地となっている。でも日本は違う。だからこそ脱亜入欧です。さらに日清・日露戦争で勝利を収めて、自分たちはアジアの覇者である、との意識はより強化された。そうした過程の中で、中国、朝鮮、それに東アジアに対する差別意識や蔑視感情が肥大して、日本人の重要なアイデンティティになってしまった」
堀江
「だって、この2000年の歴史を見れば、中国ってずーっと東アジアの盟主なわけじゃないですか。フツーに歴史を学べばわかることなんだけど、多くの日本人は学ばないからわかってない」
森
「日本は第二次世界大戦でアジアにも負けたんです。アメリカに負けたという意識はあるけれど、アジアにも負けたとの意識は薄い。だからこそ戦前から保持しつづけたアジアへの優越意識がそのまま残されている」
堀江
「国のためにがんばる、みたいな、何かふわっとしたカッコイイ言葉に、みんながすぐ乗っかっちゃうんですよね。安倍さんもノイジーマイノリティに好かれりゃいいと思ってるんです」
「そもそも国民国家にこだわる必要はないんじゃないかなって思ってるんです」
森
「今の日本の状況を右傾化と思ってない。多くのメディアは右傾化保守化と言うけれど、正しくは集団化だと思っています。なぜなら右傾化はイデオロギーです。民族の歴史について学ばなければならない。サリン事件以降他者に対する恐怖や不安が急激に大きくなった。だからこそ一人が怖い。多くの人と連携したい。集団の一人になりたい。そうした動きが擬似右翼的に見えるのだと思う」
堀江
「国ってものがあって当たり前になっている。国を愛さなきゃいけないということも教育されるわけです。僕なんか、フツーに考えたら、なんで愛さなきゃいけないんだろう、別に愛する必要ないんじゃないの、と考えちゃう、こう言うとネットで炎上するんですけど」
「道徳の教科化とか何言ってんの、っていう感じなんです。そんなことしたら、より国民の思考が固定化されちゃうじゃないですか」
「何が引き金かはわからないですけど。僕は、いくら安倍さんが偏狭な国家主義を掲げてがんばったところで、国境がなくなっていくボーダーレス化の流れって変わらないと思います。だって、日本の1億対世界の70億で勝てるわけないじゃんって」
堀江氏は、獄中で1000冊以上の本を読んだそうです。
いろいろな人が一生分かけた思考の整理でるとか体験を学んで出所してひときわ大きくなった気がしますね~今後も新しい経済人像を見せてくれるのではないでしょうか。
特に国家を中心に物事を思考することは、物事をより広く捉えることに繋がりますが、
ある部分はかえって固定観念となってかえって視野が狭くなることもあるのです。
- ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノ.../角川書店
- ¥1,404
- Amazon.co.jp