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田原総一朗


「(海部・宮沢・橋本三政権の崩壊に関わった経験から)権力の中枢はスカスカ。批判ばかりしていてはこの国がダメになる」


「この戦争はアジアを開放するための聖戦だ、という言葉を信じ、戦争に行っても死ぬことを覚悟した。ところが戦争に負けると一転、教師たちはあの戦争は侵略戦争だった、と言い出す。なぜ変わったのか、説明はない。高校に行くと挑戦戦争が始まり、戦争反対、と訴えると、今度は君たちは共産党か?と叱られた。つくづく偉い人間の言うことは信用できないと思いました」


出口治明

・保守主義の父エドマンド・バーク 

「保守主義とはむしろ理念ではなく、理念自体を否定する考え方」

「人間の知恵や理念は信頼できない。なぜなら人間はそれほど賢くないからだ。信頼できるのは長年にわたる試行錯誤の結果、社会に定着した習慣だけだ」

・日本人や中国や韓国との関係に過敏になっているのは戦争には負けたが経済ではアジアのどの国にも負けてないという誇りが脅かされたことも影響している

・長い歴史の中で日本の経済力が中国を上まわっていたのはごく一時期であり、戦後日本の高度成長は戦後中国に共産党政権が誕生し、米国が冷戦期のアジア外交のパートナーを日本に変えざるを得なかった幸運にも支えられていた、それが元に戻りつつあるだけ


加藤典洋

「安倍首相の靖国参拝から3カ月半。これだけの短期間で日本の孤立が深まった根本的要因は、日本が先の戦争についてアジア諸国に心から謝罪するだけの強さを持っていないことです。日本が東アジア諸国と安定した関係を築くには、しっかりと謝罪し通す以外の道はない。自ら生きる東アジアで関係を築けない以上、米国との関係に依存するしかない。だから米国に失望した、と言われたとたん、世界で孤立してしまう。同じ敗戦国のドイツが謝罪を繰り返し、今やEUで中心的な役割を担っているのとあまりにも対照的です」


・戦争は通常国益のぶつかり合いから生じるが、先の戦争はグループ間の世界戦争で、民主主義対ファシズムというイデオロギー同士の争いでもあった。民主主義の価値を信じる限り、日本は間違いを認めざるを得ない


・第一のねじれは「悪い戦争を戦って亡くなった自国民をどう追悼するのか」という世界史上かつてなかった課題の解決策をいまだに見いだせていないこと

・第二のねじれは憲法。現憲法は明らかに押し付けられたが中身は素晴らしい。押し付けられた憲法をどうやって選び直し、自分たちのものとするのか、護憲派もこの難題に向き合うのを避けた。憲法が政治の根幹として機能してないこと

・第三のねじれは天皇の戦争責任をあいまいにしてきたこと。これが戦後多くの政治家が戦争責任を真剣に考える必要はないと居直り、戦争で苦しんだ人々の思いを受け止める倫理観を麻痺させてしまったこと


「根本は、苦しんだ人への想像力を持てるか、それを相手に届くように示せるか」

・本当の心をともなった謝罪だけが、苦しめられた側に届く