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大澤真幸
「いつか確実に沈むとわかっていながら、資本主義という船を下りることができない」
「資本主義はとてつもない格差を生み、善でも美でもないことを人間に要求する。この船は必ず沈む。だけど他に船はない。社会主義という船はもっと危なそうだし、外は嵐だから下船したら即死だと。だからみんな必死にしがみついていて、一見すると、資本主義が信奉されているようにしか見えない。笑えない喜劇のような現状です」
「日本固有の問題で、アメリカという壁が立ちはだかる。アメリカは日本人にとって絶対に取り換えられない、そして絶対に失ってはならない壁としてイメージされています。日本は冷戦期、たまたま戦略的に重要な位置にあったからアメリカに守ってもらった。しかし冷戦終結で国際情勢が大きく変わり、アメリカには日本を守らなければならない内在的な理由がないことがはっきりしてきました。愛されなかったらおしまいだという焦りや不安が、アメリカに愛されるためなら何でもやるという思考停止を生んでいる。特定秘密保護法案もその文脈で理解されるべきです」
「どうやったらアメリカに依存せずに我々はやっていけるのか。それを考えることがこの社会の閉塞感を打ち破る第一歩になるはずです」
「民主党政権は結果的に、不可能なことはやっぱり不可能だった、を証明してみせただけだった」
「政治が本来やるべきことは人に思考停止させないこと。人間はやっぱり不可能だとい言っちゃだめなんですよ。道はある、という感じを持つと、人の思考は回転し始める。どんな社会を目指したいのかまずは口にしてみましょうよ」
高橋源一郎
愛を強いる支配
「新しい政権が、強硬な政策を次々と打ち出し、対話ではなく力でその政策の実現を図ろうとしていること。さらに不思議なのは力を誇示する政治家たちが、同時に力とはおよそ正反対な愛(国心)ということばを叫ぶこと」
井上達夫
「集団的自衛権行使を容認すれば、日本は米国の軍事戦略に際限なく巻き込まれます。集団的自衛権は憲法上NOはそれに対する拒否権カードです。安倍政権が日本の外交力を強化したいなら、なぜこの貴重な対米交渉カードを自ら手放そうとするのか理解不能です」
・集団的自衛権行使容認は政治的に筋が悪いが解釈改憲(自衛隊の存在)という点では同じ
「押し付け憲法」を改正して日本の国家的主体性を回復するのだと息巻く改憲派は、占領の主役だった米国に軍事基地を提供し続けている。さらに、集団的自衛権容認に向けた9条の解釈改憲で対米従属構造を一層強化しようと。これは一種の自己欺瞞です」
・政治とは、政治的アクターがそれぞれの政策構想の実現をめざして闘うゲームで、憲法はそのゲームのルール。憲法改正の高いハードルは立憲主義の要諦。
・9条を固守するでも改正するでもなく、端的に削除すべき。護憲派は9条だけは守っているという良心を満足させ、既成事実の拡大を止められない責任を自覚せずに済ませてきた。その積み重ねが集団的自衛権の行使容認という大規模な対抗運動を組織できない現状を生んでいる。改憲派は何でも憲法のせいにして自分たちの政治的主体性の欠如を隠蔽してきた。9条がなくなったとき、米国に振り回されない主体的な安全保障体制を構築できるのか答える必要がある
↑井上氏の9条廃止論はなかなか新鮮。(yapi)
田中優子
「21世紀のグローバリズムは世界が共通に抱える問題には世界で立ち向かってゆく。このような時代では、長期的な視野から世界にとってのより良い方向を目指そうという姿勢こそが、各国リーダーの役目であり、その姿勢をもってこそ信頼される」
高良鉄美
「安倍政権は尖閣を口実に、中国を睨んで沖縄の軍事化を進めようとしています。沖縄は琉球王国時代、周辺諸国と戦っても負けるしかないため、徹底して交流を進めてきた歴史があります」
佐々木実
「現在の戦争とは、支配集団が自国民に対して仕掛けるもの」