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森達也氏の内なる天皇制から。ひとつの私見には違いありません。


天皇制が生き続けている本質を解明したいなあってのがあってそれぞれの意見に耳を傾けてみたいと思います。






「(若者も)天皇はタブーに囲まれた特権的な存在だという意識をいつの間にか内面化している。これが「内なる天皇制」です。今の若い世代は権威に従順で空気に感染しやすいので、自然とそうなってしまったのでしょう」




「天皇制の歴史は、時の政治権力に利用され続けた歴史ともいえる。その究極が太平洋戦争です。政治利用のリスクを本当に退けたいなら、戦後天皇制を手放すべきでした。しかしアメリカは日本の占領統治を円滑に進めるために、天皇制を残した方がいいと考えた。そのために昭和天皇は戦争に積極的ではなく、軍部に利用されただけという「物語」を強調しました。その副産物がA級戦犯で、天皇制を守るためにA級戦犯に責任を負わせた。だから昭和天皇も今上天皇も、A級戦犯が合祀されて以来、靖国神社を訪れたことはありません」




「ところが自民党の歴代首相は靖国神社参拝に意欲を見せ、その一方で改憲して天皇を国家元首にしようと。これほど倒錯した政治利用はありません」




「戦後の民主主義とは、結局は与えられたままになっているということです。その理由の一つはやはり天皇制にあると思います。統治者と被統治者という緊張関係があるからこそ、被統治者の権利への意識が覚醒し、民主主義は実体化する。しかし、日本では、天皇制がその緊張関係に対する緩衝材のような役割を果たしてきました為政者にとってはとても都合の良いシステムです」




「追いつめられるばかりの左にとって(天皇は)最後の希望のような存在になってしまっている。倒錯してます」




「政治家も官僚も経営者も私利私欲でしか動いてないが、天皇だけは違う。真に国民のことを考えてくれている。そんな国民からの高い好感と信頼が今の天皇の権威になっていると思います」




「象徴天皇制はどんなキャラクターの人が天皇になるかによってその相貌が変わる、実はとても不安定な制度」




「老若男女と問わず日本人は好きなんですね、「万世一系」という大きな物語が。日本は世界に例をみない特別な国なんだという、インスタントな自己肯定感を与えてくれますから」




「日本は今後間違いなくダウンサイジングの時代に入ります。でも、認めたくないんですよ。アジアの中のワンオブゼムになってしまうことを。ひそかに醸成してきたアジアへの優越感情をどうにも中和できない。その現実と感情の軋みが今、ヘイトスピーチや万世一系神話の主役である天皇への好感と期待として表れている」






大前研一の「ドイツ連邦制」の仕組み




・ドイツは基本法(憲法)によって州に主な主権が与えられているのは、全体主義的独裁権力と中央集権体制を解体しようとナチスの再来を恐れたドイツ占領軍の戦略だった




・日本の場合は占領軍は天皇制と官僚制度と中央集権システムをあえて残した




・日本の復興と高度成長では中央集権体制は効率よく機能したが、経済が成熟し、グローバル化の時代を迎えた今は、それが足枷になって改革を阻んでいる