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渡辺淳一


「欲望をぎらつかせることは、下品だとか嫌らしいとか言われるけれど、人間の進歩ってまず原点に欲望があったから。これを知りたい、かくありたい、という欲望がないと何もできない。現代はそれが非常に薄れてきている」

「欲望って、とっても大事。すべての進歩の第一歩であり、幸せの原点でもある。日本社会が気取って品良くなりすぎてしまったのかも。欲望を汚いものだと否定的に見ないで、自分をプラスに向けていくものだととらえて欲しい」


鈴木敏夫 (スタジオジブリ社長)


「大きな驚きがあった夏だった。戦争を二度と起こさない、は絶対的な常識だと思っていた。敗戦から68年。それが揺らいでると知り、衝撃を受けた」

「戦争に反対することがこんなに常識じゃなくなっているとは知らなかった。だからこの映画(風立ちぬ)を公開して本当によかった。僕のおやじは戦争に行った。息を引き取る直前、突然こう言った。日本は中国で本当にひどいことをした。そりゃあ、恨みは消えんわな。これが最期の言葉。強烈だった」

「日本はかつて貧しくとも心豊かな国だったと思う。それが明治時代の富国強兵。戦争に負け、バブルが崩壊した。軍事、経済で世界と戦おうという発想は、もうやめましょうよ。大事なのは、どうすれば幸せに暮らせるか。政治家は国のビジョンをそこに置き、軍隊の問題もその中で考えるべきだと思う」

「英雄のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ」