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気の持ちようの幸福論 (集英社新書)/集英社
¥735
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著名なパーソナリティが書いたさらっとしたエッセイ。

さらっと書いてる?のに名語録が多いかな。

「私は、言葉だけが最強であるとか、言葉こそが真実であるなんて言うつもりはまったくない。むしろ、言葉面というものがすごく人を不自由にしているのではないかと思うときがあります」

「言葉のやり取りというのは、ほとんどの場合、書き起こしてみたらたいしたことを言っているわけではありません。でもたいしたことをお互いに言ってなかった二人でも、人は結婚したりするわけですよ。言葉に言葉以上のものが乗っかっているわけですよね。言葉のやりとりのなかで、私たちは言葉以外のものをみている」

「世の中に不満を感じたときに発信すべきなのは、「自分が何を必要としているか」ということです」

「自分は無名だから弱者である、という弱者の驕りみたいなところからスタートして、顔を隠してどんな失礼なことを言ってもいいんだ、というのは、メディアの使い方として間違っている」

「相手が誰に対しても同じように礼儀をわきまえたうで、自分の意見を言う」

「人との距離のとり方で大切なのは、期待をしすぎないこと。自分が毎日変わってしまうのと同じように、相手も毎日変わっているから同じ関係ではいられない。その瞬間は幸せだったとか、その瞬間感じていた、生きているっていいな、というような気持ちを丸ごと否定しなくていい」

「どうやら世の中には、どっちも悪くないんだけど、どっちも傷つく、ということがあるんだなと思います。でも、そういうことが自分の財産になる」

「人はここまで下劣になれるのか、ここまで陰険になれるのか、というような体験は、とても嫌な思い出であるけれども、そういうものは普遍的な要素として人間のなかにあるのではないか」

「自分が見たもの、自分が感じだもののなかから情報を取り出せる人がどこに行っても豊かな人間関係が築ける。この人は信用できるか、この人は用心したほうがいいのかを自分で感じ取りつつ、常に人間関係を更新しながら生きていける人間は、逞しいと思います」

「いつ何が起きるか分からないのが人生である、ということを引き受けることが、生きていくこと。そうやって腹を括ることでしか不安と付きあう方法はないですから」

「本当の臆病さというのは、リスクを見ないこと」

「何が足りないのか、どこが間違っているのか、自分だったらどうするべきか、自分が考慮に入れておくべきリスクとは何か、とっておくべき対策は何か、で世の中と向き合う知恵を身につけてほしい」

「人生というのは、何が起こるか分からない。そのときには、周りの人にちゃんと助けを求めて、一緒に立ち向かっていけるような人間、信頼関係を築ける人間でないと生き残れない」

「勉強する、学ぶということの目的は、ものを考えたり、世界と出会ったりするための技術を手に入れることであるはず」

「あなたが、年老いていく日本を憂い、劣化していく社会を憂うのであれば、文句を言っている時間はないでしょう」

「人は何かに必ず執着するんですね。そして、その執着の仕方に、その人が心密かに聞いてほしい、と思っていることへの近道があらわれる」

「友達というのはね、楽しく遊べるときもあれば、意地悪されるときもあって、両方なんだよ。でも、楽しく遊べる人がいるというのは幸せなことなんだから、そのときは一緒にいればいいんだよ」

「戦争のない世界はない。しかしこの世から戦争がなくなってほしい、それこそが美しい世界だ、と思う人が身を粉にして働いてくれるからこそ、平和に向けた努力が維持され続けている」

「私は普段から、女性だからこうあるべき、とか女性だからこうなりたい、というような考え方はほとんどしません。自分を中心に考えてみれば、肉体なんて与えられたものでしかない」

「魂がつながっている、とまでは思わなくても、どうしても他人とは思えない人と出会うことがあります。自分にとってそういう実感があった、ということで十分。それで生きることを肯定できるならそこに私は価値をおく」