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- sex (講談社文庫)/講談社
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- 政治や経済、ノンフィクションといった偏った読書をしているわけですが、
- 小説を読みたいし、これからもっと読もうと思って読んだ本です。
- 人のそれぞれの生き方や生き様は、作者や作品の中の人物を通してこころに伝わってくる・・・そういう本にこれからも出会いたいなあ、って思いますね~
官能的な表現で気分を害される方もいらっしゃるかも知れませんが、人間の生と性を文学を通じて人のこころに何か感じ取ることもこれは大切なことかも。
「男たちは働き、手を組んでは争い、負けたりする。金を集め、ビルを建て、橋や道路を作る。懸命になってなにごとかを成し遂げようとするけれど、女たちのまえではすべてが空しかった」
「でも女たちの羽は裏切らなかった。女の多くは嘘つきで、意地悪で、愚かなほどプライドが高い。だが、そのすべては、このちいさな羽で空を飛ぶためなのだ」
「男が世界に直接つながる方法など、女の身体をとおしてしかほんとうはないのかもしれない。なにせ男たちの頭にはつまらない観念や無用な知識ばかりつめこまれているのだ」
「女の体はひとつの国だった。山があり、谷があり、森と泉があり、なだらかな丘と広い平野がある。いくら探っても飽きることはないし、すべてが丸いのに同じ曲線率の丸みはひとつとしてない。探り切ることがななわない王国なのだ」
「なにかをしっかりと感じとるには、荒々しさは禁物なのだ」
「人間というのはそういう生き物ではないだろうか。熱にうかされ馬鹿げた台詞を口にし、滑稽で醜い格好でつながり、ほんのわずかな液体を交換してかけがえのない命を生み出していく。せ ック す がくだらないというのは、人の未来がくだらないというのと同じだった」
「年をとると、髪が薄くなって、腹がでて、目がかすむ。なんでもすぐに忘れてしまうし、誕生日がくるたびにできないことが増えていく。いってみれば負け続けの下り坂の人生だ」
「男というのは最後の最後までうぬぼれているものだ」
「これから せ ック す することが決まっていて、その行為にむかって引っ張られていく距離。それは何度繰り返しても素晴らしいものだった」
「人間の男はみんな動物なんだぞ。どうして、発情している女が近くにいるのにわからないんだ。ちゃんといいにおいがするだろうが、そっちのほうが、よほど自然の摂理に反している」
石田先生の考え方は、私にはしっくりきます(笑)