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内田樹氏の言葉に耳を傾ける。


・国民国家としての日本が解体過程に入った。その理由は政府が国民以外のもの(すなわちグリーバル企業=無国籍企業)の利害を国民よりも優先するようになってきたこと


・株式会社の経営能力というのは、能力が高く賃金が低い労働者を雇入れ、インフラが整備され公害規制が緩く法人税率の低い国を探し出して、そこで創業することだと資本家が考えている


・そうしたグローバル化を国民国家の政府が国民を犠牲にして支援している


・グローバル企業は利益の最大化することが日本の国益になる、とする論拠がある


・利益の増大=国益の増大という等式はその本質的な虚偽性を糊塗するために、過剰な国民一体化を必要とする


・グローバル化と排外主義的なナショナリズムの亢進は一見矛盾しているが実際は同じコインの裏表


・安倍自民党が中国韓国を外交的に挑発することに勤勉なのは、外交的には損失でも、その代償として日本国民が犠牲を払うことを厭わないというマインドになることにより、国民国家の国富をグローバル企業の収益に付け替えることに対する心理的抵抗が消失する


・私たちの国で今行われていることは、日本の国富を各国(特に米国)の超富裕層に個人資産へ移し替えるプロセスなのである。


・政権与党の人たちは米国の超富裕層に支持されることが政権の延命とドメスティックな威信の保持にたいへん有効であることをよく知っている


・今私たちの国では、国民国家の解体を推し進める人たちが政権の要路にあって国政の舵を取っているが、程度の差はあれ同じことは全世界で今起こりつつある





21世紀の政治経済の新しい仕組みが、グローバル化による国民国家の解体ってのが悲しいところですが、その元となるヤルタ体制、米国の傘の下っていう構造自体はまったく変わってないこと、これをもっと検証する必要がありそうです。