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村上太一


大手家電メーカーのリストラは、間違った安定志向へのしっぺ返しだと思います。2013年以降は、安定の意味を問い直す時代になるはずです。僕が考える安定とは、組織に依存しないで自分の足で立つことです。企業は社会に価値を与えていくものでなければいけない。


金子勝


米国は財政の壁を乗り越えたばかり、ユーロは不安を抱え、アジアの成長率は鈍化している。世界経済は不安定な状況。日本の新政権は、古典的な公共事業による景気対策だ。日本は20世紀型の大量生産大量消費型の経済から、21世紀の地域分散ネットワーク型の産業構造に転換しなければならない。ITを駆使した新しい社会ビジョンを提示できるかが今後の日本経済を左右する。


寺島実郎


2013年は米中関係に注目。それが日本をも動かす。米中は日米よりも意思疎通を強く行なっている。日米で連携して中国の驚異を封じ込める、という発想が限界であること知るべきだ。



ヤピガメ


今年の政治決戦は夏の参議院選挙です。安倍自公政権は、財政問題よりも経済対策景気対策に力を入れるはずだから一時的に経済は回る気がしますね。しかしこれが長続きするか、また金子氏のおっしゃるように産業構造の転換の長期ヴィジョンが描けるかどうか。


昨年末の衆議院総選挙では、景気対策や外交がテーマとなりましたが、憲法やエネルギー問題も焦点となりました。しかし国民の多数の関心は経済景気であり、焦点となったことそのものの理解や重要性を認識していないように見えます。


国家のヴィジョンというのはすごく重要で、憲法やエネルギー問題をはっきりと国民が選択する選択肢を政治家の言動や行動によって有権者が見定めないといけないので、その点しっかり見ておこうと思います。