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官僚たちの夏 (新潮文庫)/新潮社
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城山三郎の「官僚たちの夏」の主人公のモデルとなった人は元通産省事務次官佐橋滋氏でした。

佐橋滋

「軍備は経済的にいえばまったくの不生財産であり、人間の生活向上になんら益するところがないどころか、大変なマイナスである。軍事を国家有事の時、つまり戦争のための保険であるかのような説を唱える者がいるが、とんでもない詭弁である。軍備が戦争を生むことを忘れてはならない。経済が充実してきたから軍備にも力をいれる、アメリカの防衛負担を肩代わりするなどという考えは、軍備についての深刻な反省のない無責任な所説である」

「非武装は危険というけれども、それでは武装をしていれば安全かと反問すると、安全という人は誰もいない」


森田実

「愛国主義は、加熱すると愛国のためなら何でも正当化し、どんなに行き過ぎても批判を許さないというきまめて始末が悪い風潮を生みます。そのため、過度の愛国主義が戦争をもたらすのは歴史の教訓となっています」

「日本が平和国家として歩むのか、それとも対米従属の軍事国家として歩むのか、選択が問われています。後者を選ぶなら日本はアジアのみならず世界で孤立し、米国の奴隷として生きることになるでしょう」


戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)/創元社
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佐高信

「戦後史の正体」には強烈な違和感を持った。孫崎はアメリカからの圧力に屈しなかった自主派の首相として、石橋湛山、岸信介、佐藤栄作、田中角栄、福田赳夫らを挙げ、逆の対米追従派の首相に、吉田茂、池田勇人、三木武夫、中曽根康弘、小泉純一郎らを挙げる。自主派の石橋、田中、追従派の吉田、中曽根、小泉に異論はないが、前者に岸、佐藤、福田を入れ、後者に三木を入れているのはおかしい。なぜ孫崎がこんなまちがった分類をするかと言えば、孫崎の頭に憲法がないからである。護憲か改憲かという視点を入れれば、岸、佐藤、福田と三木の位置は逆転する。」


確かに、米国の圧力、とい意味での戦後史観は注目され、その視点が日本の近現代政治に欠かせません。あとは、氏の日本国憲法制定の記述が軽く触れられていることを検証してみます。