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税金は金持ちから取れ/金曜日
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大蔵省(現財務省)ノンキャリ出身の著者の資産課税論。


資産課税については、橋下氏や大前研一氏も触れたことがあるように、

一部では議論の対象になっていますが、多数派にはなっていません。


税収不足を消費税増税でとりあえず済ませた政府ですが、

当然のことながら、資産課税にはお金持ちは消極的です。


著者の試算をみると、

2010年の税収は37.4兆円。

ですが、1988年レベルの法人税・所得税率に戻すと実は60兆円以上の税収が見込まれるそうです。

消費税の10兆円を加えると70兆円の税収。


また、日本の個人金融資産は1,400兆円。不動産を合わせると8,000兆円の資産があるそうで、

資産課税として1%の「富裕税」を課せば80兆円の税収が入ります。


ということは、資産課税をするか、1988年レベルの税制にすれば消費税の増税は必要ない計算になるわけです。


資産課税論が議論されることがほとんどないと記憶してますので、

こういう数字を知っておくのは大事なことですね!


税制や法律は、誰にも平等なようで、実はそれを知っている人に有利に出来ているものです。

お金持ちが顧問の税理士や弁護士を置くように。


こういう専門家の知り合いをつくっておいてイザというときにその知識を活用して活かす。


資本主義の世の中の動き、カラクリ、事実、こういうことを知っておかないといかんですよねえ。