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橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」の人気と期待が持続しています。
大飯原発再稼働やスキャンダルがあっても、それ以上に日本の政治に対する不満や不信が市民の中にあるのでしょう。
自民党政権は、日本の経済成長期を支え、産業界にも農漁業界にもサラリーマンに対して、(その不均衡不公平さはあっても)それなりの分配をすることが出来た政治でした。
高度成長期が終わり、日本が世界に向かって生きていく道を模索する中でバブルが起こり、人口は減少、経済成長もこれから成長維持は大変難しい。所得の再配分をするためにある政治も混迷が続いています。
民主党政権になってもその流れを根本的に変えることが出来ず、こういう状況が起きているのでしょう。
植草氏は戦後日本政治の支配者を「米・官・業・政・電」の五者であると捉えています。
これらは、日本が戦後繁栄してきた立役者でしたが、バブル以降、世紀が替わり、成熟ゆえの停滞と混迷を覆っている象徴にも捉えられていると言っていいでしょう。
今後政治に対して橋下氏の勢力が
①新自由主義や資本主義の流れが激変している中、今後日本がどういう国を目指し選択をしていくかという理念(フィロソフィー)が必要で市民の選択が試される
②「米・官・業・政・電」の構造をいかに、活かし、変革し、新しいものにしていくかが試される
このふたつに対する変革への期待感
がある、ということが世間一般の切実なムードということになるでしょう。
しかしながら、
橋下氏については、
官への切り込みに対する実行力がある(ように見える)ことが評価されたようですが、
米国に対する姿勢、また新自由主義(コイズミ・タケナカ時代)への傾注が見られること、また氏本人がイデオロギーやフィロソフィに対する観点が希薄なように感じられること、そういった点を見ると、多く期待できるわけではありません。
むしろ、橋本氏の維新勢力に期待を持たせるしか方法がない世論に危惧しています。
これからのホンモノの政治家は①と②に切り込まないといけないから。
残念ながら①②に真向から対する勢力は日本では希薄で、あえて言うなら国民に不人気の小沢一郎氏でしょうか。
これが良くてこれが良くない、とは一言で断言できないくらい、いまの状況は複雑です。
政治も経済もそろそろ、新しい時代の方向性や選択肢が求められているんでしょうね。政治家も財界人も市民も。