5/18
憲法記念日から少し経ちましたけど・・・
別ブログで書いたものを少し編集しました。
憲法の見方というのは様々ですし、長年護憲改憲と議論が続いてきましたが、戦後制定されたこの憲法が未だ改定されたことはありません。
日本国憲法は、占領下にあったGHQの意向に強く影響を受けたものであることは間違いありませんし、はっきりしていることは、憲法を改定しよう、自主的につくろう、と思っている人々は社会の様々な立場のリーダーである、経営者・管理職や政治家など権力者が多いように見受けられます。
何故なら彼らは社会のリーダーとして全体の利益を考える立場にあり、「個人の権利と自由を保障する国家や公益のためにもっと義務感を国民に持たせたい」
と思う人が多いから、戦争による反省という歴史的背景は理解しても自由と権利だけで義務的条項が少ないことに不満を待っているわけでしょう。
そういう憲法を考える活動、国民に選択肢を与える活動は、彼らが苦労して工夫して一般市民の皆様に訴えようとしていることもよくわかります。
しかしながら、国民の憲法論議や意識関心は高くありません。
それは、それなりに日本国憲法の精神が国民の間に浸透していることがあるでしょうし、前文にある憲法自体の制定時の精神の大枠に異議が少ないからでもあるし、様々な意見があることを承知で申し上げると、米国の傘の下かも知れませんが、戦争に巻き込まれず日本の軍隊が戦後一人も(直接的に)外国人を殺害していないことに対するそれなりの賛同があるものと思われます。
ということは、世間のリーダーや権力者にとって、国民世論に憲法論議の土俵を提供して「改善」する努力をしないと、改憲が高いハードルにある日本国憲法の改定・制定はおぼつかない状況はこのままだとまだまだ続きそうですね。
今回、憲法に対するタイムリーな話題は東日本大震災による憲法に「緊急事態条項」を明記すべきという提案です。
東日本大震災に対する政府の対応の遅さとその理由としての法整備の問題点が浮き彫りとなったことは事実です。
緊急事態が起きた際は、政府が混乱を最小限にするために、国民全体の「利益」のために一定の強制力でもって(国民の権利が多少犠牲になっても)事態の収拾を図り、その精神を憲法に明記すべき、という世論を喚起したかったのだと思われます。
日本国憲法の精神は確かにとっても理想が高い。
「武器なき平和」の理念が現実社会と矛盾することは、戦争やまぬ国際情勢から国内の自衛隊の存在・領土問題・日米安保を持ったまま抱え込んでいる状態が続いていることからも明らかです。
そう、矛盾はあるのです。
日本国憲法は絶対的な聖典ではありませんし、小生も長年の歴史にあるように、護憲だ改憲だと不毛な議論を続けるつもりもありません。
が、日本国憲法の精神である理想主義が故に、
「現憲法が現在の国際情勢に合わない」とするならば、
新しい日本国憲法に相応しいのは、
「21世紀に相応しい未来を見据えた、現憲法を超える理想と理念がある」
ものでなければならない。それが必要条件であるように思います。
国民のための憲法であり、公の利益にも合致する憲法。そして権力者に都合よいルールにしたい我々であっても、権力者に擦り寄らない憲法。
未だそういう憲法草案に出会ってはおりませんが、それがいつか出てきて国民的議論が進むことを期待しています。