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奈良雅弘氏の幸福論に関する現状と定義、そしてそのあり方は参考になりました(-^□^-)


メモさせていただきます。


「さまざまな出来事の寄せ集まりによって生じる感情は、もはや個々の出来事に対する感情ではなく、生きることそれ自体の感情となる。その総和としての感情がおしなべて肯定的である場合に、私たちはそれを幸福と呼ぶ」


「幸福とは、さまざまな欲求が満たされた結果として、生への肯定感が持続している状態である」


「より幸福を感じやすくなるには二つの条件がある。


第一の条件は 「欲求を満たしやすい思考特性」を持っていること。

第二の条件は 「負の感情に陥りにくい思考特性」を持っていること。


○欲がないこと

1欲求の水準が低い

2欲求の数が少ない

3欲求の柔軟性が高い

○負の感情

1嫉妬

2悲観

3後悔

4不安


これらのことから

「日本国民が幸福を感じにくい理由は二つある。一つは欲求が満たされにくいことであり、もうひとつは負の感情に陥りやすいことである」


「現在の日本人にとって幸福とは「なる」ものである。つまり、あらかじめ設定した「到達水準」があり、それを達成できたときに、私たちは満たされ幸福に「なる」のである」


「近代化以前の社会の幸福とは、何か特別なことをして手に入れる類のものではなく、現に今生きていられるということ、そのこと自体の中に「ある」ものであり、結果的に満たされてきたことに気づくような、そういう性質のものだった」


「近代化によって主流化した「達成型」という幸福のかたちは、逆に人を苦しめるものにもなりうる負の性質を持っている」


「今の日本社会は、負の感情にあふれた社会である。格差や現実の理不尽に対する怒り、うまくやっている人への嫉妬、経済危機に起因する将来への不安や悲観、さまざまな負の感情があふれている」


そういった現状認識の中で、


幸福を感じられる心をつくるための課題はふたつ。


一つ目は、 欲求を満たしやすい自分をつくるために「今そこにある幸福」を見出していこうとすること


①幸福は今そこにある」という信念を持つこと

②日常の価値に気づくこと

「東日本大震災が、不幸であったが故に、当たり前と思っていた日常がどれほど貴重なものかを、強烈に再認識させてくれた・・・しかし本来それは、天災によって強いられて認識するようなものではなく、自分自身で能動的に認識しなければならないはずものもである」


二つ目は、 客観的な状況がどうあろうとも、「負の感情」から自由でいられるようなメンタリティを日頃からつくっておくこと


①「あるべき」を解除する


②「トレードオフ」(=一方を追求すると他方が犠牲になるような両立しえない関係)を解除する

(嫉妬の対象となっている相手も、相手の苦労を知ることによって相手に共感を抱き、負の感情を中和する)


③「安易な結論付け」を改める


④「今なすべきこと」に集中する




「幸福は今そこにある」思考に切り替えることは大事だと思います。


物心両方の豊かさとその客観的な水準や格差を決して無視してはいけませんし、

その問題に関わって切り込むこと(唯物論的なアプローチ)がリーダーには必要なのだけれど、

こころのあり方はやはりそうあった方がいいんじゃないかな、と思わせてくれます。