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経済学者 ダニエルコーエン氏のインタビューから。
「人を幸せな気分にするのは成長であって、豊かさそのものではない
到達点がどこかは重要ではない
重要な(人を幸せな気分にする)のは「もっともっと」という感覚」
「我々の快感が「もっともっと」から来ることを理解し、それを制御しなければ、何の利益にもならない競争が結局
エコロジー上の大災害につながるだろう」
「人間が成長のない世界に向かうとは考えにくい。しかし、今までとは本質の異なる、理にかなった成長を目指さざるをえない。
たとえば知識の成長だったり、医療の成長だったり・・・いずれにしても物質的ではない成長だ。」
「21世紀は必ずしも生きていくうえで楽しい時代にはならない。人間の本質についても新たな見方や価値観ができつつあるのだと思う」
「もっともっと」という欲望を果てしなく求めてきたのが人類の歴史であり、人間の本質なのでしょうけれど、それが許されなくなっていますね。これが今世紀に問われているんでしょうねえ。
「もっともっと」という自分勝手な欲望は抑えつつ、全体の利益になること、自分自身の精神的な満足に重点を置く進歩を求めていかなければならないのね。
この図は現在の経済についての考え方をわかりやすく示していますね。
成長にこだわらず、幸福を実感できる新しい暮らしを求める「エダノミクス」
グローバル市場に進出し、あくまで成長を追求する「マエハラノミクス」
これは一見対立する考え方に見えるのですが、これは両方とも必要なことでどちらを重点的に考えるか、ということなのでは、とも思うのです。
経済発展の数字を追うことは「もっともっと」を志向する人間の本性で簡単に止められませんし、
先進国並の生活水準を「もっともっと」を求める人々のニーズに応えるのが、金融工学であり、経済成長であり、良くも悪くもグローバル化である現状を否定しきれません。
その中で新しい価値観を創造することと量的なものではなくて質的な成長発展する要素を持った経済成長を成し遂げること双方が必要だという難しい舵取りを迫られているんでしょうねえ。
坂根正弘(コマツ会長)
「日本企業が成長を続けるには、直接、間接を問わず、特にアジアの伸びに何としてもかかわりをもたないといけません。」
「気になるのは日本は少子高齢会と人口減少の中で、どう生きていくか、という内向きの議論が多いことです。世界は人口爆発が起きているんですよ。ここに食らいついていかないと」
浜矩子(同志社大院教授)
「経常収支の黒字は圧倒的に所得収支で稼いでいます。(日本は)輸出主導型の貿易立国ではないのです。根本的にビジネスのやり方が変わる時が来たと思います」
「本当のグローバル時代では、常識と思われていたことが次々に崩れるのです。ただ英国の歴史をなぞって米国が基軸通貨の座を明け渡しつつあるように、歴史館を持てば見えるものがあります」
「チャーチル「人間は遠く過去を振り返るほど、はるか未来が見えてくる」現代の常識を捨てて過去の歴史から学ぶと、未来への道筋が見えてくるかも」
今年は、ドルの基軸通貨の凋落と人民元高、日米欧先進国の債務悪化の問題、などの予測は経済学者に共通しているところ。
さあ、どうなって、今どう備えてどう動くか、ってわかっているようでわかってないんだよなあ。
