11/9


かつて、このブログに掲載した、


菊川剛(オリンパス元会長)

「まずリベラルアーツ(一般教養)を勉強してほしいと思っています。クラシックを聴くのもいいし、歌舞伎を観るのもいい。海外旅行に行っても、いろいろな博物館や美術館を観るのもいい。」

うん、国際経験豊かな世界的経営者が粉飾決算に手を染めて会社を危機に陥れているとは・・・

正しい認識が正しい行動に必ずしも結びつくものではない他山の石に(・・;)



日本を代表する経済学者、

猪木武徳 氏がわかりやすく市場資本主義の評価と課題を述べています。(11/8朝日朝刊)


「世界の過剰債務の原因は、民主主義のもとで財政赤字に傾かざるを得ない。
選挙を考えると増税できず、社会保障も削れないからです。」


「民主主義は現在の欲求を満足させるシステムではあるが、次世代の社会がどうなるか長期的に考えない。そこに欠陥がある。」

「市場競争は優れた能力を発見するための重要な社会的装置です。でも、たまたま生まれた家庭環境や受けた教育の違いの偶然性でスタートラインが違いのはいけないので、正義と公正さが大事です。」

「市場資本主義に問題はあるが、現時点でこれに代わる経済システムはない。この装置と制度をもっと修繕し精巧にしないといけない。 」

「経済学を過信せず、ほどほどと中庸も大事なのです。」



経済理論というものが存在して発展してきたけれども、金融工学という実体経済とはかけ離れた額が動くことによって資金調達をすることができ、利益を上げ続けることができた一方、損失処理をするときは底なし沼。


これが人間とその心理が世界経済を動かしている所以でしょうか。経済学者が経済理論を過信してはいけない、ほどほどでいい、と仰っていることは意外でもあり、達観でもあり、それだけ今の世界経済に関わる課題の解決が困難なんだということなのでしょうね。