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本日、ISO14001の更新審査が終わりました。


私の勤務先は、環境マネジメントシステムISO14001認証を2003年に登録させていただいて8年になります。


ISO9001も2005年に登録させていただいているので、ふたつの規格の審査を毎年受けていることになります。


ISO14001は第三者認証機関による審査ですから、甘くはありませんので、一定のハードルを満たしていないことには認証を受けられないわけですし、リサイクル・廃棄物処理業界では、優良産業廃棄物処理業者認定制度の条件として、「過去三期分の財務諸表の公開」と「ISO14001もしくはエコアクション21の認証登録」などが必須となっています。


ですから、10年ほど前から業界はISOの認証登録は「バスに乗り遅れるな」、とばかりこぞって「認証を取るために」ISOの勉強や取得に向けた動きをしたものです。



ISOは、国際規格ですから、カイゼンや几帳面な管理を得意とする日本人に合うところと、曖昧さを排除するヨーロッパ的な考え方にとっつきにくい部分の問題もあるわけですが、


ISO14001の認証登録を受けた組織は、少なくとも環境法に関するコンプライアンスを維持する形づくりが出来ていることの信用評価が一定あると言っていいでしょう。


ただ、審査費用、登録までの必要な設備投資や人材教育を考えると大きな費用がかかることは間違いありませんので、その点が費用対効果があるの?


と質問を受けることがあります。



それについては、個別の事情になるとは思いますが、

次の点で私はISOの認証登録と維持への取り組みが中小企業にとって特に有効だと考えています。


①本来企業としてあるべき経営理念・経営方針・目的目標とその管理を整備できること

②役割分担として必要な組織づくりをすることができること

③コンプライアンス(法令順守)を経営者もスタッフもその順守とリスクを認識するきっかけとなること

④PDCAサイクルによる継続的改善や内部監査による自己チェックをするシステムが構築できること

⑤ ①~④を踏まえた社員教育、後継者教育、経営者教育ができること


そう、すなわち、ISOの認証登録と維持の過程は社員スタッフのレベルアップのツールであり、それに比べたら登録そのものは実はたいした意味がないのかもしれません。


「ISOの精神」は中小企業にこそ必要だ、と申し上げておきます。


まだまだ道半ばですし、どうしたら利益をあげるか、お客様の支持を得続けるかということが経営の前提なのですから。