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「効率的に頑張ること努力することが価値があり、幸せになる」と主張する勝間と

「頑張って努力するても成果が得られるとは限らない世の中で頑張りすぎてはいけない」と主張する香山。

観念的な議論ではあるけれど両方正しい、と思います。



勝間和代VS香山リカ


勝間

「幸せの価値基準を他者に求める限り、幸せにはなれないと言い続けてきました。頑張りすぎの状態は何か異常だから見直して、とずっと言っている」

「機会の均等と教育が大切で、格差解消と脱落者をなくすための最も有効な方策」

「どうやったら自分も他者も幸せになれるか。それは何のために努力をするのか、どうやって利他の心を自然に呼び起こし、他者の幸せが結果として自分の幸せに繋がるのか、考え抜くことが必要」

「健康や生活の最低限のレベルを保障するのは政治。一人でも多くの人が利他的な行動にたどり着けるようにするのが、教育や政治の役割」


香山 

「平凡で穏やかなふつうの幸せが手に入りにくくなり、満たされない人が増えている」

「機会の均等を担保するには私的所有の制限に踏み込まなければならない。それはムリなので、こぼれ落ちた人をセーフティネットで救うのが現実的」

「頑張った果てにどうなりたいのかが不明確だから、頑張って何かを手に入れても満足が得られない」

「挫折した人にインディペンデントで頑張りなさいとはとても言えない。でも弱い人たちも生きていける社会にしていかなきゃいけない」

「このご時世、誰もが自分の身を守るのに精一杯」






権力を持った人間がすることは、無意識的に他人に有利に事を運ばせようとします。物事の本質を見据えると、国家も会社もその構成員のための組織ではあるけれど、構成員全体を育て守れるとは限らない、従ってそれを無条件に支持するわけにはいきません。自ら経営者の一員でもそれを本当にわかっていなければいけないのだと思います。





佐高信コラムから武谷三男について


「権力者は昔からうそをついてきたのに「うそをつくな」という教育をすれば、人々は「うそをつかないものだ」と思い込み、どんなうそでも信じることになる。そして権力者に対してうそをつかなくなるから、「うそをつくな」という教育は支配者にとってのみ都合のよい教育だ」

「被支配者のための教育は「うそを見破れ」という教育だ。つまりは「信じる教育」ではなく「疑う教育」であり、それが科学的精神と合理的精神を育む」



絵本の効用について


絵本を子どもに読み聞かせする効用は、子どもが知識を得ようとするものというよりは、子どもと親が心を通わせる楽しい体験だから。それが結果的に子どもの情感や知識へのインプットにつながるようです。



藤井聡(京大大学院教授・公共政策心理学)


藤井教授によれば、


利己主義者にとって人間社会には三つの原理が存在しています。


①互恵不能原理 お互い様で成り立っている人間社会で利己主義者は「互恵」が「不能」のになる

②暴露原理 人間には利己主義者を見分ける能力が極めて強力に備わっている

③集団淘汰原理 利己主義者が支配する社会は社会ごと自滅し淘汰されてしまう


利己主義者は、短期的に成功を収めても長期的成功が得られにくく、幸福感が相対的に少なく、他人からのチャンスや手助けを得られにくい、ということだそうです。


「利己主義者は結果的に損をする」


因果の法則とも言えるのでしょうか。これは人間心理の問題に行き着くところでもありそうですね。