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震災前に東京で講演を聞いた感想を今書くことにします。
この内容は震災にも繋がる部分があるから。
講師は、以前著作を読んだこともある、元毎日新聞生活報道部編集委員小島正美氏。
大学のゼミは「ジャーナリズム論」で先生は故人となってしまいましたが、同じく元毎日新聞編集委員池田一之教授でした。ジャーナリスト&政治家であった石橋湛山についての授業を受けたものです!
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- こうしてニュースは造られる―情報を読み解く力/小島 正美
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さて、講演内容のメモを。
・ニュースが社会問題をつくっていく
・省庁は問題がなくても社会的話題になると対応してしまう
・政治家は大衆(有権者)からのプレッシャーに弱い
・マスコミは女性、子ども、涙に弱く市民団体に肩入れする
・記者は現場を見ることなく記事をつくる場合も
といった内容です。
新聞記者だからこそ様々な問題に取り組み、マスコミと市民感情それぞれの矛盾を体験している様々な実例が説得力があります。
よくニュースになるのは、○○という現象が起きたので××は危ない、という記事です。
今まさに原発放射線汚染の報道に直結します。
ここで大事だなあと思う視点は「事実の積み重ねが物事の本質を捉えるとは限らない」ということです。
客観的な科学的論拠に基づく知識と正確な情報を収集することが大事で、やたら危険性を訴える報道や話には気をつけないといけません。
とはいえ、今何も気にせずに福島産の農産物を食べられるか、というと自信はないのです。
それが間違っている市民感情として湧き上がって当地の方々に多大な迷惑をかけているわけですから。
もちろん、原発事故の問題が深刻なのも事実なのですから。
ホント溢れる情報を整理整頓して全体の本質を捉えることは大事だと思います。雑情報に振り回されず、正しい選択をするための修練は日常でそれぞれやらないといけないのです。