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雑誌も新聞も興味を引くものだけ読んであとは捨てるタチですが、
中小企業アナリスト 南洋太郎氏の興味深いレポートがありました。
氏の記事によれば、
「長寿企業ほど自己資本比率、流動比率とも低くなり、固定比率は高」まる傾向にある(監査法人トーマツ)
とのデータが示された、ということです。
これは、
通説とは逆で
「長寿企業ほど自己資本は薄く、手元流動性も潤沢に持っていない」
「長寿企業ほど借り入れも積極的に行い、設備など固定資産投資に積極的」という傾向だということなのです。
データに基づく分析結果として事実だと思われます。
創業200年を超える長寿企業は
日本3886社
ドイツ1850社
英国467社
米国157社
ということで、世界の長寿企業数の半分を日本が占め、日本の長寿企業すべてが非公開の中小企業だ、ということです。
日本の長寿企業の特長は
・経営をプロに委ねる番頭制、養子制
・のれんにあぐらをかかない
・時代の流れを読み、革新を常に求め、他社よりも一歩で御もリードし続ける
・利益は長期的視点で再投資し、信用をバックに借入して設備投資を行い競争優位を保つ
・経営者は支配者ではなく顧客や従業員への奉仕者
・利益を再投資して世間に返す
・自前主義によるノウハウの蓄積の重要性
といったところだそうです。
長期的視点から、革新を求め、積極的に投資する姿勢が以外にも長寿企業の特長だということはデータに基づく新鮮に感じた観点です。
今の動きを感じ取り、行動することも大事ですし、
一方長期的観点、古典的な普遍的価値を有するもの、そういうものを大事にするバランスが企業を永続させるにあたってとっても大事なことなのですね。