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中国の経済力が世界を席巻しています。
その中国は本当の巨竜になり得るのでしょうか?それとも厄介な隣人なのでしょうか?今年、日本を抜いてGDP世界二位になっているわけですし、
その力と伴う世界への影響力はますます大きくなることでしょう。
例えば、リーマンショック後に中国政府は50兆円超の経済対策をしたことは、結果的に世界を恐慌から救ったかも知れません。
もはや中国なくして、世界の経済、日米の経済は成り立ちません。一方中国が発展したのはこれまでのドメスティックな経済体制から、「世界の工場」として世界に躍り出て安くて品質のいいものを日本のお株を奪う形で
世界の製造業に激震を与えたことにあります。それらによって豊かになった中国は、今度は世界一の人口を有する国として世界最大の消費市場になろうとしているわけです。しかも、非民主主義国でありながら経済格差の矛盾を抱えた国として。
しかし、この前の船長と海上保安庁との一件で日中関係がギクシャクしています。日本の国家としての緊急対応のまずさ、また中国の強硬姿勢のまずさは指摘の通りですが、国民感情とそれを踏まえた国家間の面子もあるとはいえ、このままではいけないのは誰もが思っている通り。
日本人にとって中国人へのマイナス感情があるのは、アジアの中でいち早く経済成長に成功した自信と、一方追いついて抜かれた中国の経済力への焦り、「成金バブル的な隣人の成功者」への冷めた目、そういったものがあるのでしょうか?
そう言いながらでも、日本人が中国に対して比較的冷静な対応をしているように思えるのは、中国の強硬姿勢がその国内事情にあることを客観的な情報として理解しているからでしょう。
中国に対する見方があるとすれば個人的には3つくらいの観点があるように思います。
①独自性のある日本文化の源は中国にあり、日本は歴史文化において常に中国を見てきたことあることは事実であること
②歴史的見解や背景がどうであれ、20世紀中国国土を日本が占領して被害を受けた人々がいることは事実として認識すべきであること
日本が国家として成立した経緯は、中国を常に見てきたからです。その面で日本は恩義があるということ。20世紀の歴史に対する見方は、立場変われば様々ですが、日本が正しいともいえず、中国の反日教育が正しいとは言えません。問題は正しい正しくないというよりも、歴史的事実を双方が理解し合うということ。その上で脅しや一方的な謝罪でない対等な友人として中国を見ることができたらね。
③中国は世界一の人口を持ち、やがて米国に代わるGDP世界一の覇権国になるであろうこと
中国は、大航海時代まで常に最先進国でした。植民地化、産業革命やデモクラシー、そして資本主義を成し遂げた欧米にとって代わられても、これからも人口に応じた経済力をつけていく、それによって「巨竜」覇権国となることは世界史の流れからすれば必然になるでしょう。それを混乱を少なく成し遂げることが中国の利益であり、欧米日の利益になればいいのですがね。
中国への輸出の仕事もしておりますが、過去の経験から個人的に仲が良くてもビジネスの相手として、あるいは国家や歴史についての話題になると厄介な隣人になってしまいます。是々非々が常に必要な隣人であることは今までもこれからも変わらないでしょう。
中国が紳士淑女の国家と人々になったとしたら・・・その時期は、日本はより危機に陥っているかも知れませんね((+_+))そうなることを前提として、隣人との確かなネットワークと慎重なお付き合いが必要ですね。