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少し古い話になりますが、
京セラ創業者の稲盛氏がJALの会長に就任しました。
その就任会見文を見て、やはり心に来るものがありました。
「」部分を抜粋転送します。
「古来、企業の盛衰は、まさにリーダーの資質にかかっていると言われております。その意味では、私の責任は重大であると自覚をいたしております。航空事業には素人ではございますが、これまでの私の企業経営者としての経験から得た経営思想や経営管理システム、さらには私の人生から得ました人間としてあるべき姿や持つべき考え方を、JALグループの社員の一人一人に伝え、全員が同じような思いを持ち、一丸となって、日本航空の再建に取り組めるようにしていきたいと考えております。そのような体制をつくりあげることができるかどうか、再建の成否はそこにかかっていると私は思っております。」
「企業に集う社員一人一人が、心から会社を愛し、この会社の発展のために協力を惜しまない、というような社風をつくりあげることが経営を成功させる必須条件であり、そのような社風を作り上げることができれば、必ず会社は発展していくものであると思うからであります。」
「企業のもっとも大切な財産とは、そこに集う社員であり、さらに言えばその社員の心だと思うからです。社員の方々が心から再建を望み、心から協力するならば、その企業は発展し続けることができると私は固く信じております。」
「今後はできるだけ現場をまわって、一人一人の社員とも対面し、膝を接し、彼らが何を思い、何を感じ、何を考えているかを直接に聞き、また私の思いもお伝えし、彼らがさらにJALグループで働きたい、再建に協力したいと思うような、企業風土を築いていきたいと考えております。」
「経営幹部と現場の一人一人の社員がベクトルをあわせ、お客様に対し、これまで以上に心温まるやさしいサービスと明るい接客につとめ、お客様から真に信頼され、愛されるような日本航空に蘇らせていきたいと願っております。」
「日本には、私ども日本航空とともに、日本を代表する航空会社として、全日空さんが存在いたしております。私ども日本航空だけの再生、繁栄をめざすのではなく、両航空会社が、切磋琢磨しながら、日本国内、また日本と世界を結ぶ交通インフラの担い手として、日本経済、いや世界経済の発展に、共に貢献してまいりたいと考えております。」
「私自身、もうだいぶ歳ではございますが、身を粉にして、できる限りのことをさせていただくよう、決意いたしております。何卒、関係各位の皆様、また国民の皆様の絶大なるご支援を、心からお願い申し上げ、私の日本航空の会長就任の挨拶にさせていただきます。」
お客様、幹部・社員、業界、日本・世界経済にもこころを配り、分かりやすい言葉で思いを伝えようとする模範的な就任会見文ではなかろうかと思います。
旧株主の批判はあるだろうし、稲盛氏へはもちろん好き嫌いもあるでしょう。何よりこれでJALの再生が出来ると決まったわけではないでしょうけれど、JALの搭乗客のひとりとしては、JALの再生を願わずにはいられません。