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「少子化対策」が長期的な国家戦略の最も重要な項目のひとつに挙げられるようになって久しくなりました。
いくつか数字をあげてみます。
日本人の30代前半(30~34歳)の男性未婚率は
1975年 14.3%
2005年 47.1%
同じく、女性の未婚率は
1975年 7.7%
2005年 32.0%
ということで、少子化対策の最も大きな原因は、晩婚化・非婚化とのことです。
その晩婚化非婚化の原因は今日は触れません。
しかし、世界の常識は日本の非常識。世界各国の婚外子の割合を見ると、
米国 38.5%
フランス 50.4%
スウェーデン 54.7%
ドイツ 30.0%
に対して、東アジアでは
日本 2.1%
韓国 1.5%
シンガポール 1.4%
と欧米と比べて圧倒的に少ないのです。逆に言うと欧米は婚外子が当たり前なんですね!
これは、結婚や子ども家族に対する考え方や価値観の違いがアジアと欧米でとっても大きいことを意味しています。
人口学者によれば、家族類型に対する考え方はおおまかに言って
アジアでは「直系家族型」
親子や家系を重視する、家系への帰属意識が強い、結婚を女性を家に迎え入れる制度と認識
親から子どもへの教育を重視する 親が子育てをする意識が強い
欧米では「核家族型」
親子関係よりも夫婦関係を重視、親子関係は独立的、家系を重視しない個人主義的
教育熱心ではない 親だけでなく社会が子育てを支援する意識が強い
これをみるとアジアと欧米では正反対。両方のいい面とそうでない面があるのでしょうけれど、
少子化について言えば、子どもは結婚してからつくるもの、と法的整備や価値観がなされている日本では子どもをつくるハードルは高いと言えるでしょう。
自由な恋愛の出来る環境にありながら、結婚や子どもをつくるための条件がより厳しくなっているのでしょうね。
少子化を阻止することが国家戦略になるのは、
人口減は労働人口減・税収減になり、国力の低下に繋がるからです。
でも、それは結婚や子育て支援、その元となる教育、その元となる所得や税収、その元となる経済成長を必要としますから、とっても難しいですよね。
それにしても、日本人的価値観の良さと偏狭さを感じてきたヤピガメとしては
もっと自由かつ柔軟で、
いろんな恋愛や結婚や家族の形態を受け容れて
子育ての支援が親だけでなく社会でできる
世の中になって欲しいと思います。
そういう意味で、
「家族への帰属意識」って強く持っていることが日本人らしいのだけれど、
もっと、好き勝手にする部分とのバランスがあってもいいのにね。
子どもや親に迷惑をかけるような、あるいは男性の身勝手な思い、自分勝手なものではなくて、
もっと個人の価値観を認め合うような。
そう言いながら何でもアリっていいじゃない、って普段言っているのだけれど、実際の行動は日本人的な価値観に支配されていて結構保守的なんだよなあ。