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銀行の新年互礼会がありまして、エコノミストリチャード=クー 氏の講演を聞きました。
氏の講演をメモさせていただきます。
昨今の経済問題を1.5時間で語りつくすには身近すぎますが、それでも
金融危機に至る歴史的経緯、現在の状況、日本の状況について
全体の状況を網羅した内容は参考になりました。
・現在の米国の住宅バブルは90年代の日本の状況にとっても似ている
・日本の鉱工業生産は2009年初頭は25年前、2009年末での8年前の水準まで落ち込んだ
・米国の耐久財の消費水準は大きく落ち込んだが、サービス部門への消費は落ちていない
・金融危機以降の不況は「バランスシート不況」であり、民間のバランスシート修復が終わるまで経済は自立的成長をすることはないだろう
・日本のバブル崩壊以降の政府による財政出動により、GDPの成長は維持された(財政赤字300兆円により2000兆円のGDPが維持されたとする試算)
・中国経済はいまや世界の牽引役。彼らは90年代の日本の財政政策もきっちり学んでいて金融危機対策を取っているので中期的に順調に経済成長を持続させるだろう
・米国は1990年代の日本(バブルの後始末)、日本は1970年代の米国(日本に追われる米国、中国に追われる日本)
・日本の未来は新しい技術や製品、ビジネスモデルを考えることのできる「すぐれた変人」を育てて、新しい経済成長モデルをつくることができるかにかかっている
ヤピガメは経済の専門家でもないし、経済指標や動向が理解できているわけではありませんが、氏の立場は
金融危機に対応するために、短期的な財政悪化を承知でするべきだとする積極財政論者。
その点を学ぶべく、これを買ってみました。
- 世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか/リチャード クー
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氏が提唱する「バランスシート不況」は、内容通り企業がバランスシート内容を良くするために投資の縮小と借金の返済を図り「そうせざるを得ない」状況にあるところに問題があって、
金融危機後の経済を読み解くためにの参考にさせていただきたいと思います。