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テレビを見ていたら、へえ、と思ったことがありました。

「別れさせ屋」という商売があり、それが殺人事件に発展したニュースでした。


この商売についての記述をサイトから転送します---


別れさせ屋とは、彼女との別れや彼氏との別れを望む顧客の願望を「別れさせ工作」によって成就させる業者のことです。離縁・離婚の為の既成事実を工作するプロと言えましょう。反対に復縁や復活愛を工作する業者も存在します。別れさせ屋の別れさせ工作は、自分への愛をあきらめてもらう為、と言えば聞こえが良いのですが、依頼主のエゴイズムから発する行為で、相手を悪者に仕立てあげる工作を仕向けることにあります。残念ながらこういった依頼の需要が後を断たない中、「別れさせ屋」が林立し、業界は繁盛するに至っています。別れさせ工作や復縁工作には演技力が必要とされ、彼らはトリック探偵などと呼ばれています。


---転送おわり


ビジネスも交友関係も恋愛も人間関係の一環ではありますし、

人と人の縁を結ぶことに携わることは、関係者に感謝されることであればとってもありがたいことなのですが、

そういう意図とは離れて誤解を受けたりかえって問題を引き起こすことも多くあったように思います。

ましてや、他人同士をケンカ別れさせ、しかも商売として行う例があるとは・・・


この事件は、妻と離婚願望を持つ夫から工作依頼を受けた容疑者(別れさせ屋工作員)が妻に巧みに近付き、交際が元となって離婚に成功したものの、お互いが本気になってしまい、交際を続けました。


ところが容疑者がその後別れさせ屋を解雇され、その別れさせ屋からトリックの存在と容疑者が既婚者であるという真相が妻に明かされました。


彼女から問い詰められ、自分の妻子の悪口を言われた容疑者がカッとなり首を絞めて殺害した、


というものです。

容疑者は別れさせ屋としての業務とはいえ、夫婦の縁を引き裂き、殺人に及んだ。

夫は、自分の身勝手さから別れさせ屋に依頼し、トリックとしての不倫関係を妻に追及し、結果的に殺人事件の原因をつくった。

妻は、トリックに騙されたものの、結果的に夫婦の信頼関係を損ねてしまった。


この事件は、誰もが落ち度があるものの誰もが幸福になっていない、とっても悲しい事件です。


法的に問題ない範囲でニーズに応えることがビジネスであり、そのニーズに応えるのが商売人・経営者としての務めではあるのですが、


他人の良心や愛情を操作して、人を不幸にする可能性が高いビジネスは何なのだろう、ということです。

でも、別れさせ屋が悪とは言えません。お互いにとって不幸な家族やカップルが家族やカップルで居続ける方が不幸な場合もあるのですから。ビジネス上のことはあるとしても、愛情があるからこそ別れるための方法手段として彼らが役立つこともあるかも知れません。


世の中、単純に絶対善と絶対悪ってのは滅多にないものであり、それをひしひしと感じている昨今ではありますから。


でも、できることならビジネスは他人の役に立ちその幸せの一助になることを選択したいものであって、他人の犠牲や不幸の上にビジネスをすることは、極力避けるべき考え・立場に身を置きたいものです。


この事件は、そういうビジネス・家庭・愛のありかたについて考えさせる題材でした。