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大変お世話になっている先輩がある会の卒業をされるので、その際に申し述べさせていただきます「贈る言葉」をまとめていたら、その先輩との議論の記録が残っていました。加筆修正して記録としておきますね。


ヤピガメの議論での発言をまとめておきたいと思います。といってもほとんど今年ですが。




「人が集まるところにビジネスチャンスあり。」


「 ハローワーク前の駐車待ちって何か無駄な気がします・・・」


「政治はパワーゲーム。何人かの政治家とお会いした数少ない経験からですけど、 彼らは、自分の理念や政策(利益もあるだろうけど)を実現するために、他の政治家をいかに見方につけるか、凌駕するか、をいつも考えています。その手段にマキャベリズムもあるかもしれませんね。 問題はその結果が国民全体の利益になるか、一部の利害関係者だけの利益になるかであって、そのパワーゲームを否定は出来ないかもしれませんね。肯定もできないけど。 」


「8:2の法則というのがあって、

たとえば(正確な数字ではなくて例として)
日本企業の2割の企業が8割の利益をあげている。 日本人勤労者の2割のエグゼクティブが全体の8割のGDPをあげている、 といったことではないでしょうか?

世の中はかくも不平等・不均衡なもの。

2007年度、法人税収51兆円のうちの約7割の35兆円が10億円以上の利益をあげている企業で、それは法人数260万社のうちわずか0.2%だけらしいですね。 非公表ですから現在は不明ですが、法人所得で4千万以上の会社は8万社前後と記憶してます。

一方貧困率は13.5%と米国に次ぐ世界二位。

貧困率:所得のある人を高い順番に並べて、そのど真ん中にいる人の所得の半分に相当する額以下しかない人々の割合

出来るひとは出来る。それなりに働いている。世界的なレベルから言うとGDP世界二位に相応しい能力を持った人材はそれなりに揃っている。
労働時間はそれなりにやっている人は長時間労働しているが、ホワイトカラーのエグゼクティブに報酬が集中していて、賃金の不平等不均衡が著しくなりつつある、というのが実態のような気がしますけど。」



「政治に対しては人任せになってるのは 日本が民主主義を革命で勝ち取ったものではなく、 歴史的に 明治大正の欧米列強に対抗する富国強兵を実現するための権力側(藩閥政府)による「上からの改革」によるものだからでしょう。 選挙権も女性とほとんどの庶民には与えられてなかった(高額納税者だけ)ですし。

だから戦後、米国流の民主主義を与えられたわけですね。
だから勝ち取ったわけでないから、間接民主主義の意義と意味が見出せず、長期保守政権のお陰でそれなりに庶民有権者が中流生活を享受することが出来たということ。

それだけ、政治に任せきりでも生活面の不安が少なかった。
でもこれからはどうでしょうかね? 」


(社員と従業員の違いについて)


「社内の序列は内部の問題であって、他人には関係のないこと。 キーマンは気になるけど。 経営者的発想が出来る人は給料だけの考えに固執しないから、 その意味で、「従業員」に甘んじる「従業」的立場の固定観念を感じるなあ。その「従業員」という言葉を使う場合は。」


(資本主義が成熟している国家ほど、投票率が下がる傾向について)


「投票率は傾向としてはその通りみたいです。 もっとも、最近は昨年の米国大統領選の投票率は1960年以降過去最高だったり、オーストラリアのように罰則制を適用して90%以上の投票率を確保しているところもあるみたいです。

個人主義は自分勝手主義がいけないのであって、個人の権利を守るのが国家や政治家の役割です。豊かな先進国に政治に関心がない人がいるとすれば、それはそれで平和で豊かな証拠ですよね。今回の選挙は生活にも響いてきているし、不況は本来保守が強いとされているけど様相は違いますよね。

戦後日本の個人主義は日本人が米国流の自由主義を十分理解できてなくて「自分勝手主義」と勘違いしているのでしょうね。

個人の生活のはるか延長線上に政治があるし、一般論(障がい者や介護を受けるお年寄り等の介助なしに生活が出来ない人以外)としては社会への参加や貢献をすることと個人の権利と自由を享受することとは一対のものでしょうから。

日本は「省益あって国益なし」といわれるセクショナリズムや天下りは問題ですが、官僚からしたら、上司である政治家・大臣が尊敬に値する優秀な人でないとスタッフとしてやりがいがないですよね。その政治家を選ぶのは有権者ですし。

城山三郎氏の「官僚たちの夏」(実話をもとにしたフィクション)で高度成長期のかつての通産熱血官僚の実態を知るいい機会になりました。

だいたい、四国なんてGDPも人口の3%程度でホント影響力がないというか、投資のし甲斐がないというか・・・ 」


(村山談話と原爆投下について)


「広島・長崎の原爆投下について6割以上の米国人が「戦争終結のためのやむをえない手段だった」と考えているらしい。 我々からしたら腹立ちますよね! 悲惨な事実を少なくとも知って欲しいですよね! 出来れば謝罪もして欲しいが公式謝罪はなかったし、オバマに来て欲しいものです。 お互いの歪曲なき事実認定が必要だと痛感しますね。 」



(エコとは?)



「今言われているエコの本質は、

「地球の存続にとって、人間とその経済活動が害そのものである」

ということなのです。だから、ホントエコなのかは、地球の存続に寄与するパフォーマンスがどの程度なのか見極めが必要だということ。 実際、エコそのものが本当にエコなのかは疑問点が多いわけです。

すなわち、 商売上の宣伝効果か、エコファッショのような科学的に解明されていないものだったりします。 今の環境問題って、人間の叡智とそれぞれの努力でやりつくしても足りないかもしれない、ということ。 特に、先進国と途上国との国際協調と政治のバックアップと経済成長に合った産業界の技術革新の上に市民の協力が必要。

とはいえ、今はこれはいいのではないか?というものは他人に押し付けずやってみることが大切ですけど、 ハイブリッド車買ったからエコではないですよね! ガソリンは燃やして走るんだし。」



(財政政策と国債発行について)


「 日銀が紙幣をじゃぶじゃぶ出してハイパーインフレを起こせば解決できますよね! 百年前の国会予算は二億程度だったらしいし。 ただハイパーインフレは恐慌から戦争を起こしたし、今は日米欧がケインズ政策で財政出動で公共事業を前倒ししていますからね。 日本国民の資産は1200兆もっとあるかな。国家は最終的に国民財産との調整と何らかの緊急措置をする可能性はあるかもね。 もうすぐ、米ドル一辺倒体制は終わるでしょうし。
今、次どうなるかを勉強中」


「日本国債について言えば、 日本国が借りて、 投資家(国内外の個人や企業)が貸して 連帯保証人は日本国民というわけ。 国民の財産は、国家にとって税金で徴収することは可能ですもんね。 だから、これからは資産を円やドルはリスクがあるから、 金や元など実物資産、新興国通貨でも持っておくべきと言っている人がいますよね。 元は将来倍の30円になる、という人もいますし。」



(戦争と平和のどちらが正しいかについて)


「銀河英雄伝説」という未来SF小説があります。
主人公のひとりヤン・ウェンリー語録ってのがあって、
彼は戦争が嫌いで、その矛盾をわかっているのに軍人になって武勲を立てて出世してしまいます。

彼の語録を参考意見として、転送します。


● 国家が社会的不公平を放置していたずらに軍備を増強しその力を内に対しては国民の弾圧、外に対しては侵略という形で濫用する時その国は滅亡への途上にある。これは、歴史上証明可能な事実である。

● 人類の社会には思想の潮流が二つあるんだ。人の命以上の価値があるという説と命に優るものはないという説とだ。人は戦いを始める時前者を口実にし、やめる時に後者を理由にする。それを何百年、何千年と続けてきた。


● 軍人というのは、敵を殺し味方を死なせ他人を騙したり出し抜いたりすることに明け暮れる。ろくでもない商売だ。


● 軍隊というのは道具にすぎない。それも無いほうがいい道具だ。そのことを覚えておいて、その上でなるべく無害な道具になれるといいね。


● 人間にとって最大の罪は、人を殺すことであり殺させることなんです。軍人というのは職業としてそれをやるんです。


● あなた方が口で言うほど祖国の防衛や犠牲心を必要だとお思いなら、他人にどうしろこうしろと命令する前に自分たちで実行なさったらどうですか。


● 人間の行為の中で何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは権力を持った人間や権力に媚を売る人間が安全な場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです。


● 人間は自分が悪であるという認識に耐えられるほどに強くはない。だから、それぞれの正義を信じてそれを他人に押しつけようとして戦うのさ。

● 戦いの勝敗は、天の味方、地の利、そして神風のせいにしたがるものさ。戦っているのが人間であるってことを忘れてね。

● いい人間、立派な人間が無意味に殺されていく。それが戦争であり、テロリズムであるんだ。戦争やテロの罪悪は結局そこに尽きるんだよ。


以上過去の発言でした。