9/4


民主党・鳩山代表寄稿論文「日本の新しい道(A New Path for Japan)」が、議論になっているようですね。


その要旨は次のとおりです。以下転送---


1、日本は冷戦後、グローバリゼーションと呼ばれるアメリカ主導の市場原理主義に翻弄(ほんろう)され続け、資本主義が原理的に追求されていく中で人間は目的ではなく手段におとしめられて、人間の尊厳は失われた。

2、道義と節度を喪失した金融資本主義、市場原理主義にいかに終止符を打ち国民経済と国民生活を守っていくかがわれわれに突き付けられている課題だ。

3、今回の経済危機は、アメリカ型の自由市場経済が普遍的、理想的な経済秩序を代表しており、すべての国が経済の伝統と規制をグローバル(むしろアメリカの)スタンダードに合わせて修正すべきだとの考え方によってもたらされた。

4、グローバル経済は日本の伝統的経済活動を損傷し地域社会を破壊しており、グローバリズム、が進む中で切り捨てられてきた価値に目を向け直すことが政治の責任だ。

5、もう一つの国家目標は、「東アジア共同体」の創設だ。むろん、日米安保条約は日本外交の礎石であり続ける。われわれは同時に、アジアに位置する国家として、地域の経済協力と安全保障の枠組みを築き続けなければならない。

---転送終わり。

これが反米的ではないか、日米関係の実情を踏まえて言っているのか?という批判が旧与党だけでなく財界、マスコミからも出ています。

もっともなことです。

米国を敵に回さないために、いかに日本を守るかが自民党政権がいつも抱える課題だったからです。

自身は、保守もリベラルも第三極も、それぞれの考え方や立場があることを踏まえ、

このブログにおいてはっきりとした政治的立場について触れることは差し控えますが、

この鳩山論文に関しては、米国との関係を重視しながらも、現状の事実認識と今後の方向性については政治的立場にかかわらず納得できるものだと思います。

国民が知りたいのは、

日本がかつて米国から何を要求され、どう対処してきたのか。

現状認識としてどうなのか。

今後はどうすべきなのか、

ということだと思います。

国民は、米国との間は「対等な関係」などと、誰もが思っているとはとても言えませんから、

ある程度妥協せざるを得ないことはよく知っているはずです。

この部分はハッキリと主張して国益を確保するけれども、

この部分はどうしても米国の要求要望に応えないと、日本にとって結果的に国益を損なうので交渉しつつも応じます、

という正直なところを知りたいのです。

これが自民党がどうしても過去のしがらみの中で立場上明らかできなかったところなのではないでしょうか?

政権交代を機に対米関係をどうしていくかを国民の前で「ある程度」の正直さでもって

与野党が協力し議論して、過去の膿を出し切って欲しいものです。

与野党ともその大変さを認識しているのですから。