10/22

ベストセラーになった京セラの創業者稲盛氏の本を読みました。
先月のヨーロッパ出張中に読んだものです。
毎日ブログをやっているとネタづくりにも苦心するものですが、
本のネタがあることはとてもいいこと。

感想という名のメモ書きとして残しておきます。

「人生をよりよく生き、幸福という名の果実を得るにはひとつの方程式で表現しています。それは

人生・仕事の結果=考え方×熱意×努力 という掛け算によって得られるもの」

能力=才能・知能・先天的な資質・健康・運動神経
熱意=事をなそうとする情熱や努力する心
考え方=三要素のなかでは最も大事。こころのあり方、生きる姿勢、哲学、理念、理想 これはマイナスもある

「有意注意=目的をもって真剣に意識や神経を対象に集中させること、これを習慣化せよ」

「原理原則に基づいた哲学をしっかりと定めて、それに沿って生きることは、(苦しみを伴ったり、損をする苦難の道であっても)物事を成功へと導き、人生に大きな実りをもたらします。」

「人生では、知識より体得を重視する、ということも大切な原理原則です。これは知っている、こととできる、こととは必ずしも=ではない。知っているだけで、できるつもりになってはいけないという戒めでもあります。」

「しがらみや利害を離れた視点で冷静に問題を解きほぐしていくと、トラブルの原因は実はきわめてシンプルなことであることが多い。・・・人間として何が正しいのかという本質に立ち返って議論していく(ことによって解決してきた)」

「かつての日本が中国を侵略して、その国土を土足で踏みにじったのは歴史的な事実なのだから、詫びるべきは詫びた方がいいと、私はいまでも思っています。迷惑をかけた相手には謝る、それは人間として行うべき普遍的な正しさです。」

「私は世界連邦構想を提案したことがあります。つまり世界中の国家、民族が国境を廃し、一つの共同体を形成して平和と調和の中で発展していく。」

「おのれの才を公に向けて使うことを第一義とし、私のために使うことを第二義とする。謙虚という美徳の本質はそこにあると考えています。」

「現在の日本社会についていえば、組織のリーダーの選び方それ自体に問題があると考えられます。すなわち、人格よりも才覚や能力を基準に選ぶことをくり返してきたからです。」


「中国明代の思想家、呂新吾は人間の資質は一が人格、二が勇気、三が能力であると述べています。」

「私は六つの精進をして常に自分に言い聞かせ、実践するようこころがけています。」
①だれにも負けない努力をする
②謙虚にして驕らず
③反省ある日々を送る
④生きていることに感謝する
⑤善行、利他行を積む
⑥感性的な悩みをしない

「松下幸之助さんは生涯一生徒の気持ちを忘れず貫いたところに信の偉大さがあります」

「素直さとは、右を向けといったらただ右を向く、そういう従順さのことではありません。素直な心とは、自らの至らなさを認め、そこから惜しまず努力する謙虚な姿勢のことです。」

「個人の富は、社会の利益のために使われるべきだ、というアンドリュー・カーネギーが残した言葉に深い共感を覚えます。」

「日本がめざすべきは、富国有徳、であり、経済大国でも軍事大国でもなく、徳に基づいた国づくりであり、徳という人間の崇高な精神を国家理念の土台として世界に接していくべきです。富国有徳は最高の安全保障政策でもあるはずです。」

稲盛氏の理想に私は賛同します。最近読んだ本の中で自分自身が描く理想に近い考えであることはわかりました。わからないことは、氏が現実社会の商売人であったこと。理想と現実をどのように整合させて経営をやってきたか、これを知りたいと思いました。

京都の会社ってなかなか根幹がしっかりしている会社が多いですね。
任天堂、堀場製作所、島津製作所、日本電産、ワコール等々。