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今日読んだ雑誌に以前見た映画に関する記事があったので書きます。

アメリカ人のイーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」
は、投降した日本兵を見張りが面倒だから虐殺する米兵を描いています。

対して、角川作品の「男たちのYAMATO」は殺す側である米国兵は一人も
出ていません。日本兵の攻撃に死に追いやられる米国兵も一人もいません。
日本兵を死に追いやっているのは、
当時の日本の体制でも米国でもなく天災のような印象を受ける、と。
その意味で器が違うのではないか、という内容です。

「男たちのYAMATO」の原作は著者(角川一族)の取材による内容で
高く評価していますし、映画を見て私は反戦映画だな、と感じたことは
以前のブログで記載したとおりです。

一方今回の記事を踏まえ、戦争映画で私が感じることは、
①過去の事実を元に構成されているか
②戦争の実態が双方(殺す側殺される側)のフェアな視点で描かれているか

ということ。その点で「男たち・・」は日本で評価されても米国では日本ほど
評価されないのではないでしょうか。
「硫黄島・・」は双方の視点で二つの映画を作ったことが
民主主義とフェアを旨とする米国の良心を見たということになりますし
その論に賛成です。

その点5月に公開される、神風特攻隊を描いた
俺は、君のためにこそ死ににいく
は「国のために死ね」と戦争の悲惨さを伝えることはあっても
米国の論理と日本の当時の体制にグサリと突き刺す映画にならないことは
断言してもいいでしょう。ま、石原慎太郎だからではありませんが単なる美談にして欲しくないなあ。
でも時間があれば見に行きますよ。