【白髭神社(しらひげじんじゃ)】(福岡市西区)
博多湾に浮かぶ能古島(のこのしま)に鎮座する「白髭神社」は、能古島の産土神として崇拝されていて、社伝によると奈良時代の創建とされ、神功皇后(じんぐうこうごう)や志賀明神(しがみょうじん)サルタヒコ、三筒男命(みつつおのみこと/住吉三神)を祭神としています。
「神功皇后が三韓征伐の際に住吉の神霊を残した島」なので“残島(のこのしま)”となり、現在の能古島の地名となったといわれ、この神霊を留め祀っているのが、この白髭神社です。
創建当初は山頂の巨石をご神体として奉斎されていたものを、白鳳元年(660年ごろ?)に島の南に遷座すると、白髭(しらひげ)神社として祀られるようになりました。
創始の由来からも主祭神は住吉三神でありますが、サルタヒコが主祭神とされることの多い「白髭神社」の名が関してあるのも珍しい形式です。
本殿には見事な飛天の彫刻があるほか、境内にある二つの丸い石は「力石(ちからいし)」と呼ばれ、かつては若者の力試しに利用されていた。また、鳥居は江戸時代に廻船業者から寄進されたものだと伝わります。
本殿の構造形式は、木造で正面三間、側面三間、切妻造、桟瓦葺、正面4.862m(16.0尺)、側面7.094m(23.4尺)。
島内に五つある集落のうち大泊を除く江ノロ・東・西・北浦の四集落(字)が祭祀に携わり、10月9日と11月28日に行われる例祭は、前者が“おくんち”、後者は“おまつり”と呼ばれる。特におくんちは福岡市の無形民俗文化財に指定され、近代以前の古式をとどめた祭りとして興味深い祭祀です。
◆ご祭神
三筒男命(みつつおのみこと)(住吉三神、航海の神)
神功皇后(じんぐうこうごう)(子授け・安産、子宝の神様)
猿田彦命(さるたひこ)志賀明神(しがみょうじん)(道開きの神様、田の守り神)
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