この製品にロックオン!<ナベタピックスの巻> | 八尾製鋲ブログ&<Amazon>情報

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タピックスで知られる木用ビスのメーカー・八尾製鋲のブログ。
<Amazon>に出品中の製品情報もあります(テーマ参照)。

こんにちは。9月も半ばを過ぎ、先日の<過去に例がない危険な台風>が通り過ぎて以来、秋らしい涼やかさが感じられます。今年は、9月20日(入り)から26日(明け)までが秋のお彼岸。曼殊沙華(マンジュシャゲ)の別名を持つ赤い彼岸花が、まるでタイマーがセットしてあったかのごとく、あちらこちらで咲き出すのもこの時季ならではの風情です。さて、秋に似つかわしい花といえば、彼岸花と同様に赤い彩りを持った鶏頭(ケイトウ)が頭に浮かびます。色の鮮やかさもさることながら、ベルベット(ビロード)のように起毛した花穂が個性的な鶏頭。そもそも秋限定という訳ではなく、5月から10月まで、意外に長く花を咲かせる由で、晩春から初夏、そして盛夏の花でもあるようです。とはいえ、誕生日を飾る花としては、10月9日が当てられており(花言葉:華燭)、鶏頭=秋のイメージがしっくりと来るのではないでしょうか。さらにもうひとつ理由があります。<鶏頭の十四五本もありぬべし>という、有名な正岡子規の俳句。日本の短詩形文芸を革新し、明治時代に大きな業績を残した子規は、長い闘病生活の末、明治35年の9月19日に亡くなりました。くだんの鶏頭を季語とする俳句は、亡くなる2年前の作ですが、9月に催された句会で詠まれたとのこと。そのような事情が摺り込みとなって、9月に没した子規が、9月の句会で詠んだ句に登場する鶏頭は、どうしても秋の花と思われてなりません。

ところで、正岡子規には、米国から輸入されて間もないベースボールを好んだ趣味があり、病膏盲の域に達するような野球のオタクでした。病気が重くなる以前、キャッチャーのポジションを担って試合に明け暮れるだけでなく、自身の幼名をもじった<野球/のぼーる>なるペンネームを案出するほどで、子規の野球に対する入れ込み方は、「坂の上の雲」などを読んでも、極めて熱狂的であった様子が窺えます。それから100年以上を経た今、投打の二刀流で野球の本場を沸かせる大谷翔平選手を、冥界に住む子規は、どのように見つめていることでしょう。明治と令和、日本と米国、時空の隔たりを超え、正岡子規と大谷翔平を結ぶ野球小僧の紐帯があると想うと、徒然をまぎらわすファンタジーとして、秋の夜長にぴったりはまりそうです。

 

今回(9月配信)のブログは、頭部形状がナベタイプのタピックス=ナベタピックスについての製品情報でまとめました。

 

アウトドアホビーに詳しい方には、今更ながらの月並みなお話になりますけれども、キャンプでの食事に伴い野外で調理をする際、すこぶる威力を発揮するアイテムにダッチオーブンがあります。オーブンといっても形状を見る限りでは、やや深めな感じで3本の短い脚が付いた鉄ナベ以外の何物でもありません。ところが、通常、典型的なダッチオーブンを標榜する品は、厚みを持った鋳鉄でつくられており、その効果によって、煮炊きをすれば食材をじっくりと加熱することができ、食材が含む水分だけを使った無水調理も可能。慣れた人が腕を揮うと、ローストビーフなどもこしらえることができるので、見た目がナベでも、呼び名がオーブンという訳は、そのような特徴に由来しています。まさしく、ヘビーデューティーな趣味性を濃厚に具現し、<最強のナベ>とも称されるアウトドアアイテムの代表格です。さて、八尾製鋲ブランドの中核を構成するタピックスファミリーの中にも、<最強のナベ>がラインナップされているといえば、いささか突飛でしょうか。もちろん、ダッチオーブンのような重厚さは持ち合わせていませんが、同じ用途に使われる他のビスに対して、一枚も二枚も上手を行く強みを備えており、プロの仕事を高い付加価値でサポートしてくれます。そうです、ナベとは頭部形状のこと。<最強のナベ>=タピックスのナベ頭タイプ、すなわち、ナベタピックスという次第です。

 

木造住宅の建築現場では、金物と木材を締結する用途で、ナベ頭やトラス頭のビスが使われるのが一般的といえます。AナベかAトラスのサイズ4×20 or 4×25mmの需要が多く、これらが業界標準の位置付けです。その属性についてさらにいうと、ねじ山の間隔が短いタッピングビスであり、当該の用途では、他のビス(コーススレッドなど)を押しのけて、タッピングビスが仕事を総取りしています。ところが、いかに需要が多くても万能という訳では決してありません。タッピングビスを使うが故の不都合が起こっているのです。

 

まず、相手材が木材であるため、ともすると木割れが頻繁に発生。加えて、折れやすい、頭飛びがしやすいという、強度面での不安が否めず、どちらのトラブルも、方々の現場で頭の痛い問題となっています。そのようなタッピングビスの弱みに対し、有力な解決手段として選択されたのが、究極のコーススレッド=タピックスです。

 

八尾製鋲では、タピックスが持つ優れた汎用性と拡張性を元に、ファミリーの充実をはかる観点から、ナベ頭のモデルを設定していました。先端に独自技術の特殊刃(羽根)を装備するナベ頭のタピックス=ナベタピックスであれば、金物と木材を締結する用途に当たっても、木割れの発生が抑えられると同時に、余計な負荷が木にもビス自身にもかからず、折れや頭飛びの破断リスクが低減できます。要するに、ナベタピックスが<最強のナベ>である理由です。

まず、林業分野の工業化住宅で、Aナベ・Aトラスのタッピングビスからナベタピックスへのシフトが起こり、その後、幾つかの同業メーカーが追従。ここ数年、ナベタピックスの引き合いは、緩やかな勾配ながら着実に右肩上がりです。もちろん、ナベタピックスを採用するメリットは、工業化住宅の分野に留まらず、より多くの現場に向けて浸透の余地があります。八尾製鋲では、今般、ナベタピックスの販売強化を意図し、下の広告をネットで拡散するなどのアクションを始動。引き続いて、営業レベルでの本格的なアプローチも実行し、<最強のナベ>をどんどん売り込んで、新しい市場の開拓を果敢に推し進める予定です。