八尾製鋲ブログ&<Amazon>情報

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タピックスで知られる木用ビスのメーカー・八尾製鋲のブログ。
<Amazon>に出品中の製品情報もあります(テーマ参照)。

こんにちは。近頃、高い頻度で耳へ届くようになった言葉といえば、多くの人が<目詰まり>を挙げることと思います。要するに、2月末以来の中東情勢が作用して、従来なら容易に入手できたマテリアルが、一転、不足を来すこととなった今般の事情を捉え、かかる現象の助長要因(原因ではない)を指す言葉に他なりません。その背景には、不足するマテリアルの元となる原料が、総量で足りていると目されるにも関わらず、肝心かなめのエッセンシャルな精製物が需要者に届いていないという、流通の川上と川下におけるギャップが深刻に生じている実態があります。すなわち、皆が不足で困っているのは間違いないのだから、何が問題であるのかズバリといい表したいけれども、色々な差し障り(流通プロセスが無闇と複雑すぎる/誰かが必要以上に買い溜めているのでは?etc.)を考慮してズバリといいにくい、そのため、的を微妙に外した遠回しの言葉として、各方面で同調的に<目詰まり>が用いられ出したのでしょう。一方、くだんの<目詰まり>は、ここ数年、よく使われるようになった<詰む>なる言葉にも幾らか通じますが、後者が<もうお終い>なカタストロフ寸前であるのに対し、上の用法で使われる<目詰まり>は、やや牧歌調の余裕を残す感じを与えます。いずれにしても、<目詰まり>が帰結してポテトチップスのパッケージがモノクロ印刷に変わり、それが大きなニュースとなる日本は、まだまだ<詰む>段階までは追い込まれていないようです。

 

今回のブログは、社会横断的に関心のレベルが高まる環境・資源のサステナビリティ(持続可能性)にフォーカスし、タピックスを含むコーススレッド系の木用ビスが、建築現場において、どう役立つことができるのかを問い、考え方を発信する内容でまとめました。

 

<枯れた技術>という言葉があります。聞き方によると悪いニュアンスを帯びる風にも思えますが、必ずしもそうではなく、逆に色々な領域のエンジニアリング界隈では、実用化や導入から比較的に長い年数が経過しており、多くの現場で使用・検証されることで、不具合が出尽くし、安定性・信頼性が高い水準に至った技術を指し示す言葉に他なりません。してみれば、やや手前味噌ながら、タピックスを含むコーススレッド系の木用ビスこそ、建築分野における代表的な<枯れた技術>のひとつであると述べて、決して間違いには当たらないと考えます。すなわち、コーススレッド系の木用ビスは、木造建築の締結資材として、釘の独壇場に割って入る浸透を開始してから、概ね半世紀ほどとなる来歴を見ても、目新しさに全く欠ける古参的存在です。その一方、電動工具の普及と合わせて広く受容され、施工性の高さや保持力の安定性といった実務上の利点から、木造建築の現場で標準的な接合手段であり続けているという立ち位置は、まさに<枯れた技術>と呼ぶに相応しいのではないでしょうか。しかしながら、最近の木造建築を巡る動きに注目すると、このすこぶる月並みな古参的存在に向け、環境・資源のサステナビリティ(持続可能性)という観点から、価値と効用の再発見が進んでいることに気付かされます。

 

従来、建築の接合方法は、専ら強度や施工効率に即して評価され、選ばれていました。但し、解体や再利用といった、「建物の終わり方」まで充分に意識されることは余り多くなかったといえます。ところが、循環型社会の実現が求められる現在、建築は<つくる>だけでなく、<解く>ことも前提に設計されるべき対象へと変化しつつあるのです。このトレンドに掉さして、今一度、コーススレッド系の木用ビスが持つ特徴を抽出するならば、ねじ構造による可逆性をその第一に挙げることができます。ビスは留め付けだけでなく、回転させて外すことが可能となるため、部材の分解が極めて容易です。釘のように引き抜き時に木材を傷めるリスクが低く、接着剤のように不可逆的に固着することもないという特徴は、建物を解体する際、部材の損傷を抑え、木材のリユースを目論む上で大きなメリットをもたらします。

 

上に書いた通り、木材のリユースをはかるならば、部材の健全性を保つことが肝要です。ねじによる接合は、局所的な損傷に留まりやすく、適切に施工・解体すれば、再び構造材や内装材として転用することが可能となります。これは、資源の有効活用のみならず、木材に固定された炭素を長期間保持することにも寄与し、結果としてカーボンニュートラルを推し進める施策から見ても、非常に好ましいパフォーマンスです。

 

加えて、施工現場における柔軟性も見逃せない効用といえるでしょう。コーススレッド系の木用ビスは、ねじ込み位置の変更や仮固定、本締めといった調整が行いやすく、結果として過剰な材料ロスやリテイク(やり直し)を減らすことにも繫がります。また、こうした日常的な効率の積み重ねは、資源消費の抑制と環境負荷の低減に寄与すると同時に、喫緊の切迫した課題である、人手不足の緩和や労務の時短化にも一定の効果が見込めるものです。

ここまでをまとめると、コーススレッド系の木用ビスは、「単なる留め付け具」ではなく、「建築物のライフサイクル全体を最適化するツール」とするアイデンティティが成り立ちます。建てる時の「効率」、使っている(住んでいる)間の「耐久性とメンテナンス性」、そして、寿命が来た時の「解体・再利用・分別」、これらのサイクルにおいて、木造建築をより環境負荷の低いものへと変える、重要なミッションを担っていると評価できるのです。

 

さて、このような視点の延長線上に、住宅建築市場のリアルタイムなニーズを重ねると、既存の住宅を全面的にスクラップしてしまうのではなく、一部を新たに手直しして付加価値を高める、リフォーム需要の伸長という現象が浮かび上がります。タピックスを初めとするコーススレッド系の木用ビスが、枯れていて実は枯れていない、拡張性の余地をはらんだ技術であるなら、リフォーム需要に指向するトライアルは、そのポテンシャルを試す格好の試金石です。挑むテーマは、スペックのブラシュアップであるでしょうし、あるいは、製品開発もトッププライオリティに据えるべき事案でしょう。どの道筋を選択するにしても、そのゴールポストにおいて、コーススレッド系の木用ビスがサステナブルなミッションを担うツールであることを、より確固として証明できるに違いないと考える次第です。

 

【Information】

タピックスのブランドコンセプトを視覚化する、新しい動画が仕上がりました。従来にないアプローチからタピックスのイメージを表現しています。ぜひとも、ご高覧ください。

https://www.youtube.com/@YAO-TAPIX-screw/shorts