八尾製鋲ブログ&<Amazon>情報

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タピックスで知られる木用ビスのメーカー・八尾製鋲のブログ。
<Amazon>に出品中の製品情報もあります(テーマ参照)。

こんにちは。今年は4月の内から早くも昼間に30℃を窺うほど気温の高い日が見られ、さらに大型連休後半の3日ほどは、真夏を思わせるような暑さの好天が続きました。とはいえ、気温が平年並みに落ち着く日には、寒暖の変化がすこぶる激しく感じられるため、着る服をどうするかなども悩ましく、至って困りものです。ところで、昨今は、カロリーの数値が相対的に控え目な美点が買われ、和菓子を好む人が増えていると聞きます。そもそも和菓子といえば、ダイエットに資する効用もさることながら、伝統的な四季の移ろいを映した味わいや姿かたちに特徴があり、それこそが和菓子ならではの魅力に他なりません。4月から5月にかけての時季なら、桜餅に続いて粽(ちまき)や柏餅が、お花見や端午の節句といった行事・催事と重なって、頭の中にすぐイメージが浮かんできます。昔ながらの季節感(観)と結び付いた和菓子を味わい、楽しめば、たとえ気候変動の余計な横槍が入るとしても、日本人にとっての春夏秋冬は、これから先もずっと不易であるというと大袈裟でしょうか。さて、和菓子をこしらえる際、その種類によって、欠かすことのできない要素(部材)に求肥なるものがあります。読みは<きゅうひ>ではなく<ぎゅうひ>。毎年、お正月を迎え、雑煮に入れる餅は、搗(つ)いた時には柔らかですが、日時の経過につれて硬くなり、焼くなり煮るなりしないと歯が立たず、食べられません。それに対して

求肥は、餅粉や白玉粉などに砂糖と水あめを加えて練り上げるものであり、添加される食材が水分を保持することで、日時が経過しても(賞味期限内であれば)硬くならないのが餅との違いです。そのため、喫食時に温めなくても賞味できる求肥は、様々な種類の和菓子に多く使われています。餅と名の付く大福餅にしても、餡(あん)をくるんだ外側は、厳密にいうと餅であって餅に非ずの求肥です。他にも、練り切りになって花の姿をかたどったり、白玉に丸められて善哉(ぜんざい)やあんみつに入ったりして、まさしく融通無碍に応用が可能。また、氷菓の人気ブランドである<雪見××××>も、中身のラクトアイスをくるんでいるのが実は求肥という訳で、0℃以下に冷やされても硬くならない理由がどこにあるのか、もうおわかりでしょう。このような次第にて、自在にアレンジが利く求肥があればこそ、和菓子が豊かな表現ボキャブラリーで春夏秋冬を写し取り、記号化できるといっても、決して大きく的を外した妄言とはならないのでは?、と思います。してみれば、体感気温の上振れ下振れに惑わされ気味の今こそ、風薫る季節に似つかわしい趣向の和菓子でお茶をいただき、新緑の鮮やかさを悠々と眺めたいものです。

 

世界有数の地震国ニッポン。次は何時、何処に大きいのが来るのかと、心配が絶えません。今回のブログは、地震への強さで定評のある2×4工法(構法)を取り上げました。

 

今年の元日に発生した能登半島地震以降、千葉(関東)・愛媛(四国)と続いて、揺れの大きな地震が起こり、さらに、海を隔てた隣国の台湾でも、最大震度6強クラスの地震によって深刻な被害をこうむる事態(花蓮地震)となりました。元々、いわゆる首都直下型地震や南海トラフ巨大地震への憂慮があったことに加え、地震の怖さをまざまざと見せつけられると、それへの備えとしての防災、あるいは、減災への対策に向け、本腰を入れて取り組まねばという気分にならざるを得ません。そのような中、今後、住宅市場においては、地震に強い建築方法に向けたニーズが、従来にも増して高まるのではないかと考えられます。国内で最も一般的な木造住宅の場合、幾つかの選択肢がある内から、過去の実績や費用対効果などの諸条件を勘案すると、当該のニーズに応える有力な候補のひとつに挙がるのが、2×4=ツーバイフォー工法(構法)です。

2×4は、名称の由来となる、規格化された構造用部材(ディメンションランバー)を通じ、広く周知されていますが、2×6や2×10などの規格に基づく同概念の工法と合わせて、床(剛床)や壁(耐力壁)の各<面>で躯体をかたちづくる<面構造>の建築という点に、より本質的な特徴があるといえます。すなわち、2×4の<面構造>とは、規格化された木材を組んで枠組み(フレーム)を造作し、この枠組みに構造用面材を接合した後、複数のダイアフラムと呼ばれる高剛性の<版>を構成させ、それらの<版>をジョイント(締結資材)で一体化することによって成立する、堅牢・強靭な六面体構造であり、東西南北四方向の壁に屋根と床の二面を加えた、一種の筐体(箱型)であるともいい換えられます。要するに2×4は、このような六面体構造が機能を発揮し、地震や台風がもたらす大きな外力を一部分だけに集中させず、バランスよく分散させて建築躯体の変形・崩壊を防ぐことを可能としているのです。

2×4の建築基準法に沿った名称は、<木造枠組壁工法>です。それに対して、日本で伝統的に継承された木造住宅の建築メソッド=いわゆる在来工法は、<木造軸組工法>と称されます。両者の違いは、前者が上記のように床や壁という<面>で建物を支えるのに対し、後者の方は、主に柱・梁・桁などで建物の骨格=軸組をかたちづくり、それによって建物を支えます。2×4にしても在来工法にしても、自ずと正負の両面があり、日本の気候風土に親和する点で、在来工法の

優位性も揺るぎないと評価できますが、こと地震に対してどちらが強いかを比較すると、2×4が在来工法を凌ぎ、相対的なアドバンテージを有していると見るのが大勢といえるでしょう。

 

また、この度の輪島市における大火のように、地震が発生した際には、広範囲な火災を伴う恐れがあります。耐火性・難燃性の観点から見ると、まず2×4の壁や天井は、内側の全面に厚さ12.5mm以上の石膏ボードを貼ることが必須です。この石膏ボードは、火災の炎が近づくと熱分解を起こして、約20分間に渡り水蒸気を発散し、主要な構造用部材が250℃の発火点に達する時間を遅らせます。加えて、上記のダイヤフラムが空気の流れを遮り、火の通りを阻んで、建物全体に火が燃え広がるのを防ぎます。こうした、2×4の火災を抑えることへの多重的な備えは、当然ながら地震由来の火災に向けた有効な抑止でもあり、地震に強い建築方法としての信頼を担保する、確固とした裏付けに他なりません。

さて、始めに書いたように、地震に強い住宅を求めるニーズが高まれば、そのトレンドは、2×4の住宅需要拡大に向けた動きへ繋がると予測できます。そして、こと我々ねじメーカーにとっては、2×4の工事において、手持ちの商材=木用ビスがどのように使われるか?、そこが切実なる絶対の関心事です。本来、2×4では、造作する要所に使うべき仕様の釘が、打ち込み部位・数量と合わせて細かく指定されています。しかしながら、2×4の本場である米国では、釘が専ら使われているのに対し、日本の現場では、木用ビスが少なからず割り込み、釘と一部で併用されているのが実情です。なぜ、併用されているかについては、一般的な釘と木用ビス、特にコーススレッドとの使い分けセオリーがそのまま当てはまります。つまりは、コーススレッドの方が釘より引張り強度(保持力)が高いため、しっかりと締結したい部位には、特にコーススレッドが用いられることが多いという訳です。加えて、釘は打った後のリカバリーが利きませんが、コーススレッドは、打った後でも電動ドライバーで外し取り、やり直し・修正・再利用が可能となるため、その利便を買われて、釘とコーススレッドとの併用が成り立っているように見受けられます。もっとも、コーススレッドは、剪断強度の面で釘ほどの粘りを欠き、優位性を持ち得ないのが難点です。従って、地震に耐え抜くというミッションに照らすと、激しい揺れによる剪断入力がかかり易い部位への使用は、避けるのが妥当となります。

一方、2×4の工事に従事するプロワーカーのSNSやブログを見ると、コーススレッドなどの木用ビスを使用する場合、ビスが電動ドライバー(特に近年主流のインパクトドライバー)のトルクに負けて、カムアウトや折れ・頭飛びなどの不具合が起こる頻度の高い状況が窺えます。そのような問題に関しては、独自の特殊刃を備え、通常のコーススレッドより、さらに高性能・高品位であるタピックスを導入することで、的確な解決が可能です。また、タピックスであれば予め下穴を開ける必要がなく、現場の人手不足を緩和すると共に、本来、短期間でスピーディーに竣工できる2×4のタイムパフォーマンスを高め、一段と向上させる効果が目論めます。但し、タピックスの導入で得られる効用と、現場のコスト体系が折り合えるかどうか?、乗り越えの難しいトライアルになるかも知れません。とはいえ、有力な販路と顧客を持ち、スケールメリットの見込める規模の大きい住宅サプライヤーなら、調整の余地が充分にあり得るでしょう。メーカーサイドに立つ我々も従来の常識に囚われず、思考を柔軟に切り替え、コストの壁をブレークスルーする、積極的な攻めの提案を発して行きたいと考えます。