山本昭彦のブログ -5ページ目

金持ちケンカせず

 

 

きみたちが幼かったころから、

私はむやみに虫を殺すことを禁じてきた。

なんてのは嫌われ者の筆頭で、

それが部屋の中でパタパタ飛んでいたりすると、

きみの妹は泣きそうな顔で「お父さんアレ殺して」とか言う。

だめ!

アレはなんも悪いことしとらんやろ?

 

 

蜘蛛も嫌われ者だったな。

「アレ殺して!」

だめ!

アレはハエとかを捕まえてくれる、人間の役に立つ虫なんだぞ。

 

 

そんな私が、

しかしハエとゴキブリにだけは容赦がなかった。

「ハエとゴキブリは殺していいの?」

よか!つーか殺せ!

アレはおまえたちを病気にする悪い虫だから殺せ!

 

 

私は決して「オケラだってアメンボだって生きているんだ」的な、

どんな生き物でも、そのいのちは等しく尊いものだ、などという、

博愛精神を持っていたわけではない。

むしろ、蛾も蜘蛛も、

ハエやゴキブリ同様の虫けらとしか思っていない。

そこでだ。

ハエやゴキブリは病気を媒介する害虫だから駆除するのは当然として、

ではなぜ、蛾や蜘蛛の場合は、ことさらに保護する立場を見せたのか?

 

 

幼いきみたちに敵という概念を身につけてもらうためだ。

何が敵で、何が敵でないか、それを意識する習慣を持たせるためだ。

その上で、

私たちの幸福を脅かす敵とは戦え。

そうでないものは、怖がる必要も、排除する必要もないことを知れ。

ということを学ばせるためであり、

生理的に嫌いだからやっつけたいなどいう、

ともすれば外国人差別や極右極左などにつながる分別根性

なーんの役にも立たんってことを教えるためだ。

 

 

トランプが国防費をもっと使えと言ってきている。

これってさ。

どの番組でも言わないのが不思議なんだが、

要はメイドインUSAの武器をもっと買えってことやんか。

もちろんわが国には純国産の兵器もたくさんあるが、

ミサイルによる防空システムとか、イージスシステムとかは米国製だ。

イージス艦なんて、ふね自体の建造費は500億円ぐらいで済むが、

搭載する米国製のイージスシステムが一千億円するとか、

そんな事情で、イージスなしの護衛艦の3倍近い建造費がかかる。

いつものように数字はえーかげんだから鵜呑みにするな。

だが大筋は間違っていない。

 

 

でもって、それでも防衛力の強化が必要だという考え方が、

イマドキの日本では幅を利かせ始めている。

理由は言うまでもない。ウクライナだ。

正確には、日本もウクライナのようになるかもしれないという危機感、

これが国防についての意識を高めている。

 

 

その時、我が国の敵となると考えられているのが中国だ。

ただし、中国がいきなり日本に攻めてくるなんて言ってる奴はいない。

日中が戦争状態になるとしたら、

それは台湾有事を巡ってのことになるだろう、

というのが常識的な見方だ。

そのような危機感の風を吹かせばアメリカの桶屋は儲かる。

だからトランプは、

台湾がヤバくなったら日本はどうするのかハッキリせえ!

みたいなことまで言いだしてる。

 

 

でもね。それはないのよ。

中国は台湾への武力侵攻をしない。

なぜなら、表向きは平和裡に統合するほうがお得だからだ。

 

 

確かに中国は台湾に対して武力による威嚇を続けてきた。

その一方で、

台湾は同胞が住む土地だからと唱えて、

経済的な、あるいは文化的な交流を推進してきている。

日本では前者ばかりがクローズアップされ、

後者についてはまず100%報道されないがな。

 

 

中国という国は百年単位で国家戦略を考える。

台湾との間に経済的な互恵関係を=たとえそれが見せかけでも成立させ、

台湾の人びとの中に

「戦争のリスクを負ってまでイデオロギーで張り合う意味ある?」

という意識を醸成し、

やがて台湾に親大陸的な政権、もしくは融和的な政権を誕生させて

表向きは平和裡に統合を果たす。

中国はそういう大戦略をとれる国なのだ。

 

 

もし台湾がそのような形で中華人民共和国の一部になった場合、

日本はそれを非難できますか?

全世界の民主主義国家は、

それをイカサマだーとか言って否定できますか?

できないよ。

あくまでも台湾の民主主義が選択したことなのだから。

 

 

中国は、プーチン的な力づくが、

少なくとも世界の半分を敵に回すことを理解している。

それよりは誰にも文句を言われない形での統合をめざすだろう。

中国は春秋以来3000年をかけて、

無数の国家戦略のノウハウを学習してきた国なのだ。

それをモンゴルによる支配=タタールのくびきから学んだだけの、

武力による勝利しか経験したことのないロシアに比べれば、

はるかにズルくて老獪で、そしてしたたかなのだ。

だから台湾有事は起こらない。

 

 

NHKBSのワールドニュースを見てると気づくことがある。

日本時間0600のそれでは、

北京と上海と香港でオンエアされたニュースを見ることができるんだが、

それぞれに明らかな傾向がある。

 

 

北京のそれは、

私が過去に何本も作った官公庁のPRビデオのようだ。

はやい話がいいことしか言わん。

これこれの施策によって景気がとても良くなった。

なんたらを導入した結果、収穫量が飛躍的に伸びた。

輸出量がどーたらでGDPがこーたらでとても喜ばしい。

私が過去に何本もの官公庁PVで言わされたのと同じ。

自画自賛だらけである。

 

 

上海のニュースはやや趣が異なり、

経済の話題においては個別の案件=半導体とかについての報道が増える。

それが香港では、さらに庶民レベルの話題が増え、

株や相場についての詳細な情報提供が目立つ。

 

 

北京のニュースは全国民に向けたものだから、

いきおい全国家的な物言いになる。

だから中央政府の施策は間違いがなく国は安定していると、

15億の国民に伝える必要があるんだろうな。

最近のトランプ関税がらみだと、

北京のニュースは、たとえば共産党のこんな発表を大々的に扱う。

 

 

関税戦争に勝者はいない。それは歴史上の事実である。

米国は自国の利益のみを求めて、弱者いじめの関税を押し付けているが、

中国は世界の国々との互恵関係、WInWInの商取引を堅持し、

世界経済のより円滑な、かつ持続可能な発展に協力を惜しまない。

 

 

トランプ非難のトーンはあんまり高くないのよ。

だがそのぶん、

中国の大人たいじん=大人物=人格者ぶりが際立つ報道だ。

知らん奴が聞いたら、

どう考えても中国が正義で米国が悪党ってことになるだろう。

庶民は「我々は正しい国の国民だ」という自信を持ち、

遠いアフリカの貧しい国々では、

米中どっちを頼りとするかの議論に決着をつけるだろう。

 

 

大日本帝国が大東亜共栄圏構想を唱えたのに似てるな。

米国からの圧力に対抗するためにアジアの盟主を気取ったアレだ。

だがあの時の日本の場合は、政府がボタンを掛け違えた。

マスコミを使って米国を敵視する機運を盛り上げすぎた結果、

お調子者の国民は政府の対米外交を弱腰と非難するようになり、

マッチポンプのポンプの水はついにその火を消せず、

日本全土を焼き尽くす結果を招いた。

 

 

だが、当時の日本と現在の中国とでは体力がまったく違う。

今のところ中国には戦争という大きなリスクをとる理由がない。

戦争は腹が減るから起きるのだ。

 

 

ハエとゴキブリについては、私はこれを徹底的に排除したが、

蚊についてはあんがい寛容だった。

私が子供のころは、

蚊は日本脳炎を媒介する害虫としてゴキブリより敵視されていた。

だから由美かおるや水原弘の広告看板が日本中にあった。

 これなw

 

しかしきみたちが生まれたころには、日本脳炎は絶滅が宣言され、

蚊は「刺されるとかゆい」だけのC級害虫にランクを落としていた。

 

 

私はむしろ、きみたちが蚊に刺されることを推奨した。

私に生物学の教養は皆無に等しいが、

蚊に刺される=虫の毒が体内に入ることで、

その種の毒に対する免疫力・抵抗力は増すはずであると考えた。

私が子供のころは、

毎年夏が来るたびに当社比500回は蚊に刺されたものだ。

だけど21世紀の日本の、特に都会では蚊がめちゃ減って、

きみたちが蚊に刺してもらえる機会も激減した。

 

 

さらに日本の若い母親たちは

病的なまでに「キレイ」にこだわるようになり、

子供の手は殺菌効果の高いハンドソープで洗わせるようになった。

私はお母さんに言ったものさ。

「それってバイ菌への抵抗力が弱くなるからやめよう」

私がスズメバチに刺されても入院レベルですむだろう。

でもイマドキの、無菌室で育てられたも同然の子供は、

ミツバチに刺されただけでショック死するんじゃないかと、

他人事ながら私は心配しているのである。

 

 

ミツバチどころか蚊に刺される経験も少ないまま育った者は、

大人になっても虫が苦手なままだ。

それをただ生理的に嫌悪し、怖がり、排除したがる。

そのための防衛予算をキンチョーやアース製薬につぎ込み、

キャンプに来てさえ蚊に刺されないようにと、

化学物質てんこもりのスプレーを体中に吹き付ける。

たまには蚊に刺されてみるものだ。

腕にとりついて血をたっぷり吸った蚊を手のひらで叩き潰し、

自分の血の中で潰れた蚊の死骸を見る時、

私たちは、いのちというものと、戦争というものについて、

無菌室では知ることのできないリアリズムを感じることができる。

な、たまには蚊に刺されてみるものだ。

 

 

イスラエルはイランやハマスをゴキブリと思い、

ヒズボラやフーシ派を銀バエのように思っている。

だからああいうことができる。

ユダヤ人は、かつて自らがゴキブリ以下の扱いを受けてきた。

現在のパレスチナ人にもそういう意識があるだろう。

その理性を越えた憎悪を水に流すのは容易ではない。

だが私たちが中国に対して同様の憎悪を抱く理由は何もない。

むしろ日本の国益のためにどう利用するかを考えるべきだ。

 

 

極論すればトランプに対して、

なんなら日米安保解消して中国と組んでもいいんですけど?

みたいなハッタリの道具にだって使えるわけでしょw

何をアホなと思うかもしれんがね、

そんな驚天動地のアクロバット的な外交例は人類史にいくらでもある。

日本史にはほとんど見当たらんがな。

 

 

縄文カルト

 

 

かなり前=まだ平成だったっけか?に記事にしたことがある。

おおむかし、まだ私が小学生のころ

ノストラダムスの大予言がはやった。

イマドキの「私が見た未来」どころではない大ブーム。

丹波哲郎主演で映画になったぐらいだ。

その発端となったのが一冊の新書本。

すなわち五島 勉著「ノストラダムスの大予言」だった。

 

 

そのブームもとっくに忘れ去られたころ、

私は同じ五島氏の著書「幻の古代帝国アスカ」というのを読んだ。

これはノストラ予言の百倍面白かった。

 

 

インドに、地図ではASUKAと表記される町がある。

ただし、たいていの世界地図には載っていない。

その程度の無名な、五島氏によればなーんもない土地らしい。

だが、そう呼ばれる場所は確かにインドに存在し、

そして我が国にも存在している。

 

 

飛ぶ鳥と書いてアスカと読む。

これ、確かに変だよな。

どう読んだら飛鳥がアスカと読めるわけ?

大和をヤマトと読むのもたいてい無理があるが、

こちらは、そもそも存在していたヤマトという呼び名=音に、

ケンカすな!という国家理念を象徴する文字を当てたのだろう、

という、成立の事情が簡単に思いつく。

飛鳥の場合もそうだとしたら、

もともと存在したアスカという音に飛ぶ鳥という字を当てたことになる。

じゃあ、奈良のその辺はどうしてアスカって呼ばれてたの?

その鳥ってどんな鳥なの?ってことになる。

 

 

五島氏によれば、

インドのアスカと飛鳥には多くの共通点があるという。

その中でも氏が強調していたのが宇宙戦艦の存在だ。

マハーバーラタとかのインド神話にそれは登場する。

天空を翔ける巨大な船。

それはどうやら波動砲を装備しているらしく、

あらゆるものを焼き尽くす炎を吐き出すという。

日本書紀で語られている天磐舟あまのいわふね はこれのことだ、

つまり飛ぶ鳥という文字は、この宇宙戦艦のことを意味しており、

それはアスカと飛鳥には同じ民族が住んでいた証拠である、

とまあ、五島氏は断定しているわけだ。

 

 

この段は私の注釈だが、

宇宙戦艦や空飛ぶ軍艦の存在の虚実はどうでもいい。

それを宇宙人のアレだとか、超古代文明のソレだとか、

そんなこともどうでもいい。

ここで肝心なのは、たとえそれがファンタジーであっても、

インドと奈良に同じファンタジーが存在していることだ。

 

 

五島氏の「幻のアスカ」ではそのほかにも、

アスカ=飛鳥の証拠となるアレコレを述べ立ててはいたが、

私はそれをいちいち憶えちゃいない。

てか、この宇宙戦艦ばなしがいっちゃん面白いので、

この記事もそれを核に進める。

 

 

古代インドで栄えたアスカ民族だが、

何らかの事情で=たとえばユダヤ民族がそうであったように、

彼らは故郷を捨てて放浪の民となった。

そして極東の島国にたどり着き、そこに定住する。

だが彼らの一部は、大陸をさらに東に進み、

アリューシャンからアラスカへ、

さらにパナマを越えて南米に至った。

 

 

果ての地にたどり着いたアスカの民は、

その過酷な環境に絶望してこう叫んだ。

ここはアスカではない!

 

 

ない。ノー。ナイン。ノン。ニエット。

否定を表す言葉はすべてNから始まる、と五島氏は言う。

いや私はね、世界中がそうではないやろ?とは思うんですけどね、

五島氏はそう断定するんですよw

そこでだ。

ここはアスカではない!=ASUKAの前に否定のNをつければ、

それがNASUKA ナスカになるのだと、五島氏は語った。

ここで、まだ高校生だった私は鳥肌立てたわけよwww

 

 

ナスカの地上画は今もって人類最大のミステリーのひとつである。

その中でもいっちゃん有名で謎めいているのが「鳥の画」だ。

アスカ=飛鳥≒ナスカの巨大な鳥の画。
それが一気につながった時、
私でさえその瞬間には、五島 勉氏が
教祖様に思えたわけだ。

 

 

東北にキリストの墓がある。

という話は縄文カルトがよく鼻の穴を膨らませて語る話だ。

縄文人とは古代フェニキア民族のどーたらこーたらで、

要するに、

縄文人は、かつて全世界を支配した民だった、みたいな話だな。

日本にキリストの墓があるのはその証拠だと。

 

 

私の友人に葛西くんというひとがいる。

青森の人だ。

お父上はすでに故人だが、かつては高校の教師をなさっていた。

この方は、見方によってはとんでもない道楽者で、

青森の古代遺跡の発掘に情熱を傾け、

葛西くんをして

「日曜日に親父とキャッチボールみたいな記憶は皆無ですよ」

「親父ときたら、休みには自転車こいで山に入って穴掘りしてました」

と言わしめるほどの熱の入れようだったらしい。

 

 

青森には確かに、多くの、縄文時代の遺跡群がある。

単一の遺跡ではなく青森のあちこちに複数の遺跡が存在するため、

それらを総称して遺跡群と呼ばれており、

今では北海道の遺跡群と合わせて

ユネスコの世界遺産に認定されている。

その中のひとつを発見したのが葛西君のお父上だ。

 

 

わが敬愛すべき友のお父上は、かくして世界遺産の一隅にその名を残し、

その息子は長じて「ムー大好き」男に育った。

分かる気がする。

親父の本棚にあった「太平洋海戦と経営戦略」というビジネス本を、

めちゃおもろい!とむさぼり読んだ私は、そのときまだ小学生だった。

これは今でも時々読む、私の聖書のような本だ。

親というものは知らず知らずのうちに、

かくも我が子に、とんでもない影響を与えるものなのだな。許せよw

 

 

さて話を縄文カルトに戻そう。

東北にキリストの墓とか、いかにもムー的な話やん。

だから私は葛西君に尋ねてみたのさ。

アレってマジなの?と。

 

 

葛西くんは、ちょっとだけヤレヤレな成分を含んだ口調で答えた。

「アレは江戸時代に作られたものなんです」

 

 

江戸時代のごく初期。

徳川幕府はキリスト教を禁教と定め、外国人宣教師を追放し、

日本全土のキリスト教徒=キリシタンに改宗を強いた。

これに従わない者を待っていたのは過酷な刑罰だ。

はりつけにされて火あぶり、みたいなのが良く知られているが、

ところによって、あるいはその時の事情によって、

遠島=島流しの刑に処されるというケースもあったらしい。

そのような事情で多くのキリシタンが送り込まれた流刑地が、

ほかでもない佐渡だった。

 

 

佐渡には当時から金山があった。

受刑者はこの金山で過酷な採掘労働に従事させられる。

普通の罪人なら刑期が終われば釈放されるんだが、

キリシタンに限っては、これは死ぬまで続く苦役である。

なぜって、

改宗してキリスト教を捨てない限り罪は消えないんだからな。

 

 

そんな彼らが佐渡からの「大脱走」を企てても不思議はない。

見つかって捕らえられれば間違いなく死。

だが金山の過酷な労働の先にあるものも死。

それなら神のご加護を信じて一か八かのグレートエスケイプ。

かくして徳川二百数十年のうちには、その幾人もが脱走に成功し、

対岸の北陸や東北の西海岸に漂着した。

 

 

彼らは人目を避けて山中に隠れ住むことになる。

たとえば秋田の白神山地もまた世界自然遺産。

今なおブナの原生林が人の侵入を拒む大自然。

彼らはそのような場所で外界との接触を断ち、

自給自足の暮らしを営み、その余生を信仰に捧げた。

東北に残る、いくつもの「十字架が刻まれた墓」は、

そのような「佐渡金山からの脱獄キリシタン」たちのものなのだと、

葛西くんは語ってくれた。

最後に彼は言った。

これは東北の歴史を学ぶ者にとっては常識なんですけどね。

 

 

 

縄文カルトについてマジに論評する気はない。

例のじーさん。

おとといなんかグループラインに一日で30件以上のアップだぜ。

いっさい読んでないけどな。

ここまでくると、もう薄気味悪いわ。だから完無視。

五島 勉はえらかった。

アスカ=飛鳥≒ナスカばなしは「ロマンチック」の範疇を越えなかった。

だが縄文カルトの言うことは薄気味悪い妄想としか思えない。

それは=聴く者に生理的な嫌悪感を抱かせることは、

それを唱える者のコミュニケーション能力の欠如を証明している。

広告に例えるなら、こないだの記事のここひえの通販レベル。

そんなのをいちいち相手にしてられるか。

 

 

 

参政党が縄文カルト集団であろうがなかろうが私は一向にかまわん。

また、世界の裏側の陰謀とか知ったことではない。

そういうことは、私が、世界連邦か、

少なくとも日本の大統領になったら考えることにしているwww

てか、世界が陰謀で動いてるなんてあったりまえじゃん。

 

 

 

 

きみ自身がニッポンであれ

 

 

確かに島津斉彬がいっちゃん有名である。

だが日本史に名が残るほにゃららアキラさんは彼ばかりではない。

 

 

次に有名なのが室町二代将軍・足利義詮よしあきら

この人は大河「太平記」にも登場し、

母役の沢口靖子に何度も名前を呼ばれていたから、

ある年代以上の人びとにはそれなりに知られた名だろう。

これなw

 

 

忠臣蔵の準敵役である徳川幕府の重役・柳沢吉保よしやす

この人は若いころ保明やすあきらと名乗っていた。

大河「元禄繚乱」では準主役。

徳川綱吉役のショーケンに何度も名前を呼ばれていたから、

ある年代以上の人びとにはそれなりに知られた名だろう。コピペ楽だなw

ちなみにこのドラマがオンエアされたのが1999年。

佐伯のわが親戚の人びと=おもに年寄りは、これを見て、

「あらまあ尭明くんとおんなじじゃなあ」と納得したことだろうw

 

 

そのほか室町の守護大名大内家に、大内盛見もりあきらというのがおるし、

江戸後期の長崎奉行かなんかに、なんたらあきらというのがいたはずだが、

彼については良く思い出せない。

 

 

てなぐあいに、ほにゃららアキラという名はさほど奇抜ではない。

だが私がきみにその名を与えた、その由来となった人物は、

島津斉彬でも足利義詮でも柳沢保明でも長崎のなんたらアキラでもない。

それは私が敬愛してやまない最高の映画人R.Rだ。

 

 

ロバート・レッドフォードの本名は

ロバート・レッドフォード・ジュニア。

つまりサンダンス・キッドやウオルド・ペッパーのお父上こそが

元祖ロバート・レッドフォードということになる。

私はこのひそみにならって、きみの名を考えた。

 

 

きみが生まれる直前。

私は企業勉強会の親睦旅行で香港に行った。

このとき西日本シティ銀行の香港支店長を講師に招いて、

その講話を聴く機会があった。

ゆーても堅苦しい講演会ではなく、仲間内の座談会みたいな感じで、

支店長もざっくばらんな話をしてくれた。

 

 

彼は言った。

日本では子供たちにこう教えます。

自分が悪いことをしたと思ったら正直に名乗り出なさい。

ところが香港では違うんです。

絶対に自分の非を認めるなと教える。

自分の非を認めることは、

損害を与えた相手に対しての賠償責任を負うことになるからです。

言っときますが大人の処世術じゃないですよ。

子供のうちから、それこそ幼稚園や小学校でそう教えてるんです。

 

 

出席していた人びとは一様に驚き眉をひそめたがね。

私は考えた。

私の子供世代は世界を相手にすることになる。

少なくとも私の子は、世界に目を向ける人間であってほしい。

人種差別とか宗教差別とか、

そんなクソくらえなバカ丸出し根性から無縁な人間に育ってほしい。

そして、世界がそのような時代に向かう時、

私たち日本人が好むと好まざるとにかかわらず、

なんらかの形でつきあいを増さざるを得ないのが中国だろう。

 

 

その時、

自分の非を潔く認めることを美徳とする者と、

絶対に自分の非を認めないことを叩きこまれた者。

この両者の付き合いはどういうことになるだろう?

少なくともそのフィールドでは、

日本人が中国人にかなうわけないわ!

そういうことを思ったわけだ。

 

 

言っとくがどっちが正しいとかって話じゃない。

日本は民主主義の国だから多数決してみりゃいい。

日本と中国でそれをやれば15億対1億でむこうに軍配があがる。

世界でそれをやったって、

おそらく80億対5億ぐらいで日本の負けだ。

 

 

そのように、日本人としてきみに備わった価値観が、

異なる価値観と衝突し、きみが何らかの傷を負うようなとき、

きみは自身のアイデンティティに疑問を持たざるを得なくなる。

日本人であることが、なぜ世界ではかくもマイナスに働くのかと。

だからきみにその名を与えたのだ。

 

 

祖国を悪く言うつもりはないが、日本だってたいした国じゃない。

むろん世界に対して胸を張れる点は少なくないが、

国民の中にはアホもバカも、

わんわん鳴けば犬も同然のやつだっていっぱいいる。

最近の記事なら大谷ヨイショも真夏のネクタイスーツも、

そういうことを書いている。

日本という国は、少なくとも戦後日本は、

青二才な学級委員が耕したプランターのようなものだ。

きみがそれを踏んで立つ大地としてはひ弱すぎるのよ。

 

 

きみが、自分が何者であるか迷った時は思い出してほしい。

きみは私の子であり、私の父の孫である。

少なくとも私自身は、決してお手本にされるような人間ではないが、

きみの父と祖父に共通する、というか珍しく一致するのは、

世界のどこに行っても自分の仕事をやり遂げてきたという点だ。

 

 

それが仕事である以上、そこには必ずカネが絡む。

だが私の場合は間違いなく、私の父の場合はおそらくだが、

その国での仕事がうまくいった理由は、

決して金儲けを第一の目的にしなかったからだ。

私たちは現地の人びとの信頼を得ることをまず優先し、

彼らに敬意を持ち、彼らの習慣や倫理を尊重し、

その上でヤマモトとならつきあえると思ってもらえたからこそ

その仕事はうまくいったのだ。

それらのことは、このブログでもしばしば語ってきた。

きみはそういう父と祖父の名をもらった。もしくは押し付けられた。

自分が何者であるか迷った時はそれを思い出してほしい。

 

 

 

さてもうひとつの件だがな。

今でもそうなんだろうか?

アジアで買い物をする時、

売り手はしばしば「あなたトモダチ」と寄ってくる。

確かドラクエ3にもそんなキャラがいたなwww

こっちが、たとえば1000円を300円に値切ると、

「ノーあなたひどい人。でもあなたトモダチ」

だから900円にしますと言ってくるwww

私が外国系の人間からいきなり「トモダチ」と呼ばれたら、

まずそれを思い出すだろうよ。

その方の素性を私は知らない。

だから怪しいとか、単なる金目当てと決めつけることはできないが、

「友」という言葉を軽々しく使う者を頭から信用することは、

私に限っては断じてあり得ない。

私や父は、相手に友と認めてもらうために誠意と情熱を傾けた。

そのプロセスなしに「あなたトモダチ」が通用するのでは、

俺らの苦労はなんやったわけ?

ってことになるじゃんw

 

 

ついでに書いておくがな。

そういうとき、私はこう応じた。

「そうだ。ぼくとあんたはトモダチ。だから300円にしろ」

これは値切りのテクニックではない。

俺はこの品物に300円の価値を認めた。だから300円払う。

よそで100円で売っていても文句は言わん。

トモダチなら正直に話そうぜという気合みたいなもんだ。

私は、旅行ガイドなんかに書いてあるこういう場合のテクニック、

お互いに値を近づけて真ん中あたりで手を打つという、

あのみっともない駆け引き遊びを断じてしなかった。

俺はニッポン人なんでな。

ニッポン人は正直な取引をするものだ。

そういう意識はあったな。

 

 

異なる文化や価値観を尊重することは、

相手にへりくだり、なんでもかんでも相手に合わせるということじゃない。

俺はニッポン人だ、サムライの子孫だ、

なんならカミカゼのスピリッツを持つ者だwというプライドを、

相手にも感じてもらったうえでの謙譲こそが

相手からの信頼と尊敬を呼び込むということだよ。

 

 

 

 

 

 

 

暑中お見舞い

 

 

フランスをはじめとしてヨーロッパは熱波地獄とか。

私の住む福岡も暑い。

そんな時に、たまたま冷房アイテムの通販広告をテレビで見た。

「ここひえ」という名の小型冷風扇だ。

室内の気温よりマイナス10度の冷風を吹き出すと謳っている。

 

 

暑さというやつは脳も融かすもんなあ。

コレ見て、マジですかガチですか100個買います!みたいに思うやつ

絶対いるんだろうなあ。

私の脳も半分とけかかってはいたが、さすがにそうはならなかった。

 

 

冷風扇は気化熱を利用した冷房装置だ。

取り込んだ熱い空気を、本体内に蓄えられた水にあてる。

水は熱せられて気化するが、

そのとき空気の熱が奪われるという原理を利用している。

吹き出し口から出る風の温度が低いのはあたりまえだ。

 

 

だがその場合、気化した水はとーぜん水蒸気になる。

したがって、その周辺の湿度は必ず上昇する。

吹き出し口から出る風の温度が低ければ低いほど、

密閉状態の部屋の湿度は上昇する、これが当たり前だ。

念のために書いておくが、これは中学理科レベルの知識だ。

湿度が上がれば体感温度も高くなる。

こっちはより現実的な、いわば社会人理科かな。

 

 

このクソじめじめした日本の夏、しかも部屋の中で、

湿度上げてどーすんねん!

というわけで、冷風扇という機械については、

それは詐欺やろペテンやろという認識を私は堅持している。

したがってこの通販広告にひっかかることはないのだが、

それでもだ、

いや、もしかして最近では

湿度が上がらないようにする工夫とかされているのではないか?

これは熱中症による民族滅亡を防ぐ究極のアイテムなのではないか?と、

自分のそれまでの思い込みに対する疑念が一瞬頭をよぎる。

なぜか?

クソ熱いからだよ!やっぱり脳が融けかかってるからだ。

そしてもうひとつ。

 

 

この手の通販広告のセオリーとして、

商品のアピールポイントを何度も繰り返し大声で叫ぶ、

というテクニックがある。

これにはヒトラーの演説やデモ隊のシュプレヒコールや、

拓郎の「人間なんて」とおんなじで、

聴く者をして、それしかないんだ!と思わせる、

一種のトランス状態に陥らせる効果がある。

それでなくとも酷暑で融けかかっている脳ミソだからな。

トロトロになった脳細胞のどこかで、

ほれほれ、今おまえに必要なのはコレやで~と誰かがささやくのさ。

かくして今年も冷風扇は売れるのだろうな。

 

 

 

むかし米空母エイブラハム・リンカーンに乗艦した時のことだ。

佐世保だった。

 

 

ベトナム戦争のころ、

米海軍は原子力空母エンタープライズを極東に派遣したが、

その寄港地=補給拠点として佐世保が選ばれた。

これに対する抗議運動が日本中で起こった。

これ以来、米海軍は、

佐世保に主力艦を寄港させるたびに地元民を艦内に招待し、

米日友好をアピールする「艦内見学会」を催すのが恒例となった。

私が乗艦できたのもそういう事情だ。

きみの祖父ちゃんが何らかのコネで招待されて、

私はそのおこぼれにあずかっただけだがな。

 

 

世界最大最強の米空母に、実際に乗ったのだ。

そりゃーもう大興奮で感動しまくり!

とはならなかった。

 

 

だって知ってたもん。

米空母はこんなにでかくて、

中はこんなになっていて、

クルーはこんな感じでとか、

そのぜーんぶが、映画おもにトップガンやドキュメンタリーや、

書物から得た情報を脳内ビジュアル化したものとおんなじ。

つまり先刻承知の情報ばかりだったからだ。

ただ一点を除いては。

 

 

ブリッジにあがった。

正確にはブリッジの一角の、航空戦指揮所みたいなところだ。

中央に大きなカウンターテーブルみたいなのがある。

天板はアクリル製の透過光パネルで、

そこにフライトデッキ=飛行甲板=つまり空母を真上から見た図

が描かれている。

その上に並んでいたのが、

艦載機を模したプラスチック製のプレートだ。

 

 

それは厚さ1センチほどのプラスチックの板を単純に切り抜いたもので、

機種の区別ができるようにそれなりのシルエットに成形されており、

どういう区分けか知らないが赤とか青とか色分けされていた。

しかし要は単なるプラスチックの板である。

それが天版に描かれた飛行甲板に行儀よく並ばされている。

はあ?と思った。

それはまるで昭和の時代のボードゲームの盤上を見るようだった。

 

 

空母が実際に行動するときには、

甲板上の艦載機はしょっちゅうその位置を移動することになる。

駐機スペースから発艦準備位置に移動させたり、

着艦した機体をチェックや補給を行うための位置に移動させたり、

それらのオペレーションを行うのが、この航空戦指揮所だ。

その時、どの機がどの位置にあるかを一目で確認できるようにするために、

このボードゲーム風なカウンタートップがある。

 

 

でもさ。

合衆国海軍最新の原子力空母だぜ。

イメージとしては、そういう情報はすべてデジタル化されて処理され、

たとえばトム・クルーズのF18が今どこにいて、どこに移動させるかなんて、

ぜーんぶCGとか、

少なくとも液晶表示とかで視認できるようにされているはずだ、

って思うじゃん人情としてはさ。

だけど違うのよ。

それはチェスの駒を動かすように、

オペレーターが自分の指でプラ板のヒコーキをつまんで移動させるのさ。

 

 

エイブラハム・リンカーンに限らず、

イマドキの合衆国海軍の主力艦艇や自衛隊のイージス艦なんかは

世界最高の電子技術で構築されるシステムで動いている。

「亡国のイージス」なんか見ても、まるでテレビゲームみたく戦争やってる。

だけど、その部屋のそのテーブルの上だけは、

めちゃくちゃアナログなやり方で運営されていた。

私はプラ板のヒコーキを指さして尋ねた。

このプリミティブな方法がベストなんですね?

若い士官は私の質問の意味を理解したのだろう、

いかにも自信たっぷりそうに答えた。イエスと。

 

 

なんかうれしかったんよ。

ほら、俺って液晶画面のオペレーションが嫌いじゃん。

車のエアコンの温度調節をするのに、

いちいち液晶画面を見てタッチしなきゃいけないとか何でなん?

むかしみたいにダイヤルを回すとか

レバーをスライドさせるとかなら見なくてもできる。

でも液晶オペだと最低1.5秒はガン見しなきゃいけない。

その間はメクラ運転だ危ないやろ!

 

 

私たちは便利なモノと称する多くのアイテムによって、

実に不便な、時には致命的な不利益を被る時代に生きている。

電子マネーは銀行でシステムダウンが起これば無価値だ。

日本にいるから現実感がないだけで、

イランではすでにそれが起こっているし、

スペインでは酷暑で電線が融けて断線して大停電が発生し、

信号機は点かんわ、アイスクリーム屋は悲鳴を上げるわ、

そして電子決済が通用しなくなるわで大わらわ。

 

 

スーパーのレジに不具合が発生し、

お釣りをもらうのに待たされたことが過去2回あった。

一度は、レジのおねーちゃんがレジの不具合と格闘するあいだ、

そしてどうしようもなくてほかのスタッフを呼んで再起動して、

みたいなことをやっているあいだ、5分以上も待たされた。

もう一度は、レジのおばちゃんは即座に暗算して、

とりあえず私にお釣りを渡し、それからレジの不具合を修正しようとした。

だからこの時は、私はほとんどいつもと同じ程度にしか待たされなかった。

 

 

 

プリミティブでタフなアイテムやシステムは役に立つ。

そして何より大切なのは、それを扱う人間が、

プリミティブな行動力とタフな精神を身につけているかどうか、

ということだ。

私は最近よく水浴びをする。

インドネシアでなじんだマンディの習慣だ。

酷暑に対抗するには、酷熱の国の知恵を借りるのも良かろう。

 

 

この国ではこの季節でもワイシャツにネクタイ下手すりゃスーツ。

そのマナーを守るためにエアコンつけまくり。

それで電気が足りないからとプルトニウムを燃やすのか?

あたま悪すぎやろ。

夏季限定でフィリピンやインドネシアの正装を取り入れればいい。

石破さんがそうすりゃいいんだ。

いやさこのさい、天皇陛下にやっていただくって手もあるな。

明治天皇はえらかった。

政府は日本人の体位体力向上のために、

牛肉や豚肉を食べることを推奨していたのだが、

当時それはゲテモノとされていたから庶民はこれを受け入れない。

それを知った明治天皇は率先して牛鍋を召し上がった。

宮中の女官たちはおぞけをふるって嘆いたらしいw

 

 

というわけで、パリもたいがい暑いらしいがタフに生き残れ。

 

 

 

真夜中の、その先の夜明け

 

 

15年ぐらい前にドイツに行った。

参加していた勉強会の親睦旅行だったから、

つまりは団体ツアーだ。

旅行のスケジュールは、なんつーかごくあたりまえで、

名所旧跡にいやというほど足を運ばされた。

 

 

なんたらいう大聖堂を見学した時は、

入場して5分もせぬうちに表に出た。

同行の諸氏は、

ムチ打ち症にならなければいいがと心配になるほど、

天井のフレスコ画を見上げながら奥へ入って行ったが、

こちとら絵葉書やテレビで見ることのできるものは

絵葉書やテレビで見る主義だ。

この体でしか感じることのできない経験をすべし。

私にはそういう信念があった。

このいかにもありきたりの旅行の中で、

わずかな時間でもをしたいと思った。

 

 

大聖堂というのはつまりお寺さんとか神社と同じだ。

だからして、そこに至る道は参道であり、

参道であるからには当然のことに、

参拝客目当ての屋台だの土産物屋が並んでいる。

目をつけていたのはソーセージだ。

 

 

グリルしたソーセージは30cmほどもある長さ。

それをホットドッグのようにパンに挟んで提供するのだが、

このパンが、女性のこぶしほどの大きさの丸いパンだ。

したがって、ソーセージはパンから大幅にはみ出すことになる。

そいつにあわせてバイツェン=ビールを一杯もらう。

ソーセージの、パンからはみ出した部分をかじりながら

琥珀色のビールを味わう。

ビールを飲み終えるころ「はみ出し部分」はきれいに無くなって、

ちょうどいいバランスになった「ホットドッグ」が〆になる。

お行儀よく3D絵葉書を見学していたんでは、

この至福の時間は絶対に持てなかった。

 

 

ベルリンで5時間ほどの自由時間があったので

鉄道で45分ほどのところにある航空博物館に行った。

ある展示の前で私はしばらく立ちつくしていた。

ホールに二機の戦闘機が並んで展示されていた。

もと西ドイツ空軍のF4ファントムⅡ=アメリカ製と、

もと東ドイツ空軍のMig21フィッシュベッド=ソ連製。

冷戦時代に、互いを敵としてにらみ合い、

互いを撃墜するために飛んでいた二機が、

今はそこに、仲良く並んで翼を休めていた。

 

 

メイドインUSAの機体と、ソ連製の機体だが、、

パイロットはどちらもドイツ人だ。

それが日本なら、吉田くんと矢沢君が、

互いを殺し合うためにそれに乗っていたことになる。

その2機が、今は抱擁するかのように並んで眠っていた。

 

 

トップガン。

マーベリックじゃなくて昔のやつ。

あの作品の主役だった戦闘機がF14トムキャットだ。

アレは当時世界最強かつ世界一高価な戦闘機だった。

その超ぜいたく戦闘機を保有できた国は全世界に二か国だけである。

ひとりはとーぜんながらアメリカ合衆国。

そしてもう一か国はイランである。

 

 

そのころ、合衆国とイランは友好関係にあった。

イランにはオイルマネーが有り余っている。

当時のイランの元首パーレビ国王は、

自国のエアフォースワンを自分で操縦するほどの飛行機マニアだったから、

ニクソンに「アレがほしいな」とかなんとかねだったのかもしれない。

それにしたって、

トムキャットはF16 みたいな外貨稼ぎのための輸出用の機体ではなく、

合衆国のとっておきのゼロ戦というか戦艦大和みたいな主力兵器だ。

それを、じゃあ売ってあげると与えたぐらいだから、

当時の合衆国とイランが、どれほど親密であったかがわかる。

 

 

パーレビはむしろ開明的な君主だったと言っていい。

当時のイランは、すでに20世紀後半だというのに、

アイユーブ朝とかマムルーク朝とかみたいな、

なんたら朝サラセン帝国だった。

しかしパーレビは女性の参政権を認めるとか自由経済を導入するとか、

西側先進国をお手本にした政策を進め、

しかもイスラエルとは和解の姿勢を示していた。

これに反抗し、結局はパーレビ政権を倒したのがイスラム原理主義だ。

「アルゴ」で描かれていた「アメリカに死を」状態のイランは、

このイスラム革命直後の時代を背景にしている。

以来、イランと合衆国は不倶戴天の敵である。

 

 

私はイランの現政権が倒れることを望んでいる。

「真夜中の鉄槌」は合衆国の正義だけを全面的に肯定する概念だから、

それはクソでもくらえと否定するが、

しかしあの国が今より少しでも人間を大切にできる国になるなら、

トランプの強引な武力介入も是とするだろう。

あれがきっかけになって、

イランがイラン国民の意志によって変わることを望みたい。

 

 

国家も国民も、一足飛びにフランス流民主主義を身につけることはできない。

明治維新だってそうだった。

パーレビの民主化政策だって決して理想的ではなかった。

国家は血を流しなら成長していく。

その成長がその国の国民の意志によってなされるのであれば、

そこで流される血についてとやかく言う資格は

私たちにはない。

 

 

イスラエルのミサイルとイランのミサイルが、

同じ博物館のフロアに眠る日を、

いつか私たちは見ることができると信じたい。