赤と黒と黄色はドイツの国旗ですがそれとは関係ありませんたぶん | 山本昭彦のブログ

赤と黒と黄色はドイツの国旗ですがそれとは関係ありませんたぶん

 

 

今日からマスクは個人判断だそうで。

そーか今までは個人が判断しちゃいけなかったのかwww

 

 

コロナ初期に記事にした。

吸気中の酸素量が減ると脳細胞の再生が阻害されるから、

いまから10年後には若年性のアルツハイマーが急増するだろうと。

だから私はできるだけマスクをしないように心がけてきた。

もちろん感染するのは認知症以上に嫌だから、

しかるべき環境下では徹底してマスクをつけた。

この3年間の手洗い回数は、

おそらくそれまでの人生での総手洗い回数に匹敵するだろうし、

外食をしなくなったおかげで料理の腕も上がった。

ワクチン接種も受けないまま、それでも今まで無事だったのは、

そのように徹底した感染対策をとってきた結果だと思っている。

それはすべて私個人の判断でやってきたことだ。

 

 

このさき街なかにノーマスクが増えるのは困る。

まき散らされるウイルスの量が確実に増加するからだ。

そんなん脚で考えても分かるやろ。

この「個人判断で可」な方針決定が、

感染の危険性が著しく減少したという科学的根拠に拠るものなら、

どーぞご勝手にと言うしかないのだが、

しかしそうじゃないだろ?

 

 

今でも毎日数十人がコロナで死んでいる。

ひと月に2000人死ねば十分だ。

コロナはまだ終わっていない。

しかし我らが総理大臣閣下は、

サミットまでになんとしても脱マスク状態を作りたい。

今回の決定は、あのマーおじさんの都合で決まったことだ。

そんなもんのせいで感染させられるのはまっぴらだぜ。

今日までそして明日から。

私はやっぱりマスクして手を洗って部屋飲みして、

そこまでやっても死ぬのならそれもよかろうと生きてゆくだろう。

 

 

 

きみに贈る映画100選 No.007  華麗なるヒコーキ野郎 1975 USA

 

 

原題は「こいつスゲーなウォルド・ペッパー」

主人公にこのファーストネームを与えたのは、

そしてそれをタイトルにまで持ってきたのは、

監督のロイ・ヒルや脚本のゴールドマンの、

盟友ウォルド・ソルトへのリスペクトなのではないか?

合衆国ではそんな伝説が長いあいだ語られてきた。

 

 

ウォルド・ソルトは脚本家だった。

ハリウッドの赤狩りに遭って映画の仕事を失い、

偽名を使ってテレビドラマの脚本を書くことで食いつないだ。

劇中のウォルド・ペッパーの生き方はまさにそっくりだ。

アメリカの映画ファンたちは、そのことを確かに読み取った。

日本では「男のロマン」みたいな安っぽい評価しかされない作品だが、

赤狩りを知っているか知らないかで、

この作品に感ずるアメリカ映画としての意義深さは大きく変わる。

 

 

赤狩りは共産主義排斥運動だ。

当時のハリウッドの反共勢力で代表的なのが、

知らん奴の名前を並べても記事が退屈になるだけだから

有名な名前だけを挙げるが、

ロナルド・レーガンだったりウォルト・ディズニーだったり、

ジョン・ウエインだったりクラーク・ゲーブルだったりする。

 

 

この黒んぼ野郎!&このアカ野郎!&このオカマ野郎!

それはアメリカ的差別まるだしの豪華三本立て。

今でこそ法の名のもとにそういった差別は否定されているが、

なんたって何かといえば銃をぶっ放すお国柄のことだから、

ちょっと前まで黒人や共産主義者に対する暴力や抑圧はハンパなかった。

ただし同性愛者に対してどーだったかは知らん。

 

 

同性愛者に対する嫌悪は生理的なものだと言っていい。

黒人差別の場合も根っ子にそれがあると言える。たぶん。と思う。

しかし反共産主義はちょいと事情が違う。

人びとは共産主義を嫌悪していたのではない。

彼らはそれを恐れ、そして憎んだのだ。

 

 

合衆国で共産主義を台頭させたのは大恐慌だ。

誰もが自由に生きられるはずだった国に極度な格差が生まれ、

人びとは夢とか希望とか幸福な未来とかを奪われ、

倫理とか道徳とか思いやりとかが失われた社会に絶望した。

そんで共産主義の出番だ。

世界中が貧困にあえいでいるのにソ連はまるでユートピア。

現実の、タタール人由来の恐怖政治なんかチラリとも見せず、

ほーらみんな平等ってこんなに素敵な社会なんだよーんと

本やら映画やらで宣伝しまくった。

 

 

アメリカは恐怖した。

共産主義は合衆国の建国理念を真っ向から否定するものだ。

アメリカンドリームなんか絶対に許されない夢だ。

もし共産主義がこの国を覆えばアメリカはアメリカでなくなる。

とくに金持ちはワヤだよな。

せっかく成功したのに元のもくあみだもんな。

てなわけでアメリカは恐怖した。

 

 

恐怖を感じた者の精神は理性によってそれを制御しようとするが、

本能は心の内壁に憎悪という毒を分泌させて恐怖を中和させようとする。

共産主義への恐怖は、かくて憎しみへと変質した。

 

 

赤狩りはそのような時代の潮流が流れゆく先で生まれた。

表向きは共産主義排斥運動だが、

その本質はイデオロギーの対立などという上等なものじゃなかった。

憎しみは理性を失わせる。少なくとも心の目を曇らせる。

告発者たちは憎むべき敵を処刑台にあげるための手段を選ばなかった。

獲物をひとり見つけたら徹底的に絞り上げて追い込んで、

地位も収入もすべて剝ぎ取り、生命の危険さえ匂わせて服従を強いた。

 

 

赤狩りで告発された者はほとんど例外なく落ちぶれた。

役者生命を絶たれ失意の中で自死した者もいるし、

ソルトのように職を失い、長い不遇の時代を強いられた者もいる。

舞台がハリウッドであるだけに、それをマスコミが派手に書き立てる。

なるほどこの手は使えるなと誰もが気付くだろう。

自分にとってめざわりな奴がいる。

そいつを共産主義者と決めつけることができれば、

破滅させるか転落させるか、少なくとも今いる場所から追い出せる。

それは社会や権力者にとっての「不都合な真実」を葬り去るために、

実に効果的で確実な方法だった。

 

 

 

原爆を使ったのはトルーマンだが、

原爆を造らせたのはルーズベルトだ。

ナチスが原爆を開発中であるという情報を得たルーズベルトは

そんなん使われたらワヤやんけ!ってことで開発に着手する。

ナチ野郎は黒んぼ野郎やアカ野郎やオカマ野郎の百倍怖い。

その恐怖が「イングロリアス」のブラッド・ピットとか、

「博士の愛情」の司令官みたいなやつを育ててしまう。

ところがナチスは原爆の完成前に無条件降伏。

あと怖いのは太平洋の向こうのカミカゼ野郎だけだ。

だが黄色い猿に遠慮はいらん。

 

 

最後の最後に、

なんとかタイトルのつじつまが合ったような合わんような。

てなわけでオッペンハイマーばなしは次回に続く。

え?今までそうだったの? マスクばなしもかよ? 

そーだ。

私は書いてもしゃーないことは書かん主義だ。