公明党が予定通り、日和ったことによって、日本がイギリス・イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出が決まりました。「歯止め」云々と言い訳を並べていますが、殺傷能力のある武器輸出の道を切り開くことになるのは間違いありません。先々代が「防衛装備品移転(普通の日本語にすれば、「武器」の「輸出」)」三原則を大幅に緩めたことによって、遅かれ早かれ訪れる事態であったとはいえ、武器輸出大国に向けて、また一歩踏み出したわけです。

 

 アベノミクスに隠された第四の矢(経済の軍事化)は、先々代暗殺後も解き放たれたまま。昨日の日経一面は、防衛省による民間技術の積極的軍事転用を報じています。最近、防衛省は、イスラエル製の攻撃型ドローンの導入も検討しているようです。これには、海外物産、住商エアロシステム、川崎重工、日本エヤークラフトサプライといった企業が輸入代理店として名乗りをあげています。いろいろ理屈はつけるのでしょうが、ガザでジェノサイドを続けるイスラエルの軍需産業を側面支援することになります。

 

 日本は今、非常に危ない道を歩んでいます。日本を取り巻く安全保障環境の激変が既成事実とされ、そのこと自体が議論されることはありません。自民党の裏金作り(=脱税)問題や大谷翔平のカミさん問題でニュースやワイドショーの尺が埋められ、武器輸出大国化、経済の軍事化が詳しく報じられることはありません。すでに大河原化工機で「冤罪」を生み出している経済安全保障という名の「スパイ防止法」も着々と整っています。うかつに商売もできません。

 

 大軍拡を約束し、スパイ防止法を強化したアベノ三代目は、ご褒美なのか、来月、「国賓」として招かれ、アメリカ議会で演説の機会を与えられるようです。属州の長ながら、今回は通常の参勤交代とは異なる扱いですが、大増税を控え、市民の生活は息苦しくなるばかりです。

 

 きな臭い動きが続くなか、昨年、本学にもお越しいただいた川崎哲氏から「核なき世界基金」主催のイベント「世界のヒバクシャ支援に向けて」の案内が配信されました。本ブログでも告知しておきます。

 

 イベントの概要は、以下のとおりです。
◇日時 2023年3月23日(土)13:30開場、14:00開始(16:30終了)
◇場所 カトリック聖イグナチオ教会(麹町教会)ヨセフ・ホール
 https://www.ignatius.gr.jp/info/access.html
◇プログラム
 開会挨拶:「核なき世界基金」活動報告
 講演:竹峰誠一郎(明星大学教授)「ブラボー水爆実験から70年―マーシャル諸島現地で迎えて」  
 報告:川崎哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員)「核兵器禁止条約の下での被害者援助と環境修復―第3回締約国会議への課題」  
 パネル討論:「世界の核被害者支援に向けて、私たちに何ができるか」
 パネリスト:市田真理(都立第五福竜丸展示館学芸員)、高垣慶太(Youth Community for Global Hibakushaコーディネーター)、朝長万左男(核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員長、日本赤十字社長崎原爆病院名誉院長)、浅野英男(核兵器廃絶日本NGO連絡会事務局スタッフ)
 コーディネーター:渡部朋子(ANT-Hiroshima理事長)
 閉会挨拶
◇その他
*参加無料
*会場参加は要事前登録(3月20日(水)17時まで):https://forms.gle/vPeTXdBfhFsHRtna9
*YouTube配信:https://www.youtube.com/live/Xk7Il8CQ-0M?si=haS-klBJZKWlVPvZ
*問い合わせ:「核なき世界基金」を支援する会(広島本部) e-mail:info@nuclear-free.net
*詳細:https://nuclear-free.net/news.html#point56