8月20日、恩師の古希祝賀会が東京でありました。退官記念講演会&パーティーとは違って、主に、東京近郊の人に声をかけただけですが、それでも60人ほどが集まり、旧交を温めました。幹事役のMゼミ7期N君には大変お世話になりました。ありがとうございました。 前に書いたことがあるかもしれませんが、京都大学Mゼミ卒業生の活躍している場は多様です。経済学部ですから、銀行や商社、メーカー等、民間企業で働いている人が多いのは当り前ですが、大学の教員、官僚、政治家、弁護士、医者などもいます。国際金融の第一線で活躍した後、今はあくせくした仕事から身を引き、出身高校のラグビー部のコーチやイラク子供基金の理事、大学の非常勤講師をしている1期の先輩もいます。M先生の人柄や、ゼミに集まる人たちの気質、そこで醸し出される「空気」のようなものが多様な人材を生み出したのでしょう。 私、この歳になっても、というか、大学教員として20年以上勤めて、あらためてMゼミで学べたことに感謝しています。いろいろと学ぶ機会を与えていただきましたし、ゼミに集う多くの人と良き人間関係が築けたことを本当にありがたく思っています。1982年の12月24日にゼミ選考があり(選考当日、「いやあ、昨日とうとう40になってしもたわ。」って言いながら先生が部屋にやってきたので、間違いなく1982年12月24日なのです)、筆記試験と面接の後、入ゼミを許可されたわけですから、M先生やゼミ同期生(またその前後のゼミ生)とは、30年近い付き合いになるわけです。 学部ゼミに3年、大学院ゼミに5年、合計8年間、在籍した関係で、Mゼミの人たちとは、かなり幅広い年次にわたって交流があったわけですが、1期下の7期生たちの計らいで、今では年に何度か東京で集まる機会があり、懐かしい仲間と酒を酌み交わしています。これからも、こうした付き合いが続けられればいいなあと願っていますが、実は、高経大+高経附「高大コラボゼミ」も、Mゼミの人間関係あってこそ成り立っているとも言えます。 8月26日の金曜日、「高大コラボゼミ」で勉強を続けてきた高校生・大学生が企業の東京本社を訪問し、インタビューを行いました。昨年始まった、高崎経済大学と高崎経済大学附属高校の高大コラボゼミですが、今年も「日本企業の海外戦略」を統一テーマに、高校生・大学生が6グループに分かれて、企業のケーススタディを行いました(高大コラボゼミについては、拙稿「高大コラボゼミの意義と課題」高崎経済大学附属産業研究所『産業研究』第46巻第2号、2011年を参照してください。大学公式HPのニュースに「今年も高大コラボゼミが始まった」という記事が載りましたが、そこにPDFファイルの形でリンクさせています)。 高校生・大学生が共同しながら少人数グループ学習を進める高大コラボゼミの柱は3つ。第1に、日本経済新聞社主催「円ダービー学生対抗戦」に参加し、為替レートについて学ぶこと。第2に、日本企業のケーススタディを進め、研究成果をもとに、企業の東京本社でインタビューを試みること。そして第3に、高校生は英検、大学生はTOEICを活用し、企業社会でも重視される英語の勉強に力を入れること。もちろんメインは、企業のケーススタディであり、担当者へのインタビューです。 昨年は、住友商事、トヨタ自動車、味の素、キリンホールディングス、資生堂、電通の6社を研究し、今年は、丸紅、三菱マテリアル、ヤマトホールディングス、JFEスチール、エーザイ、森永製菓の6社を対象としました。高校生・学生のインタビュー受け入れでは、いろいろな方々にお世話になりましたが、その中には、Mゼミの人たちが大勢います。 いかにCSRが叫ばれる時代であれ、高校生・大学生がやっている、何だかよく分からない(?)企画に付き合ってくれる企業ばかりではありません。本来業務とは異なることに時間を割くほど、暇な企業はないのです。 そうしたなか、Mゼミの先輩・後輩は、私の説く、日本の中等教育・高等教育における高大コラボゼミの意義・理念を理解し、また何よりも、ほかならぬ私からの頼みということで、高校生・大学生のインタビューを受け入れるべく、奔走してくれました。昨年は、Mゼミ7期のA君(住友商事)、同じくH君(トヨタ自動車)、今年はMゼミ3期のN先輩(JFEスチール)、7期のN君(丸紅)、I君(三菱マテリアル)、13期のI君(エーザイ)に大変お世話になりました。 夏休みに入ってのち、暑い中での各グループごとの事前準備。当日、インタビュー前の凄まじく緊張した高校生・大学生の様子。インタビューを終え、達成感に満ちた高校生・大学生の笑顔。これらを間近に見ていると、高大コラボゼミをやってよかったと思うと同時に、このプログラムに協力していただいた方々への感謝の気持ちがこみ上げてきます。 高大コラボゼミの成果発表会は、9月17日(土)、午後1時30分から高崎経済大学7号館731番教室にて行われます(受付開始は午後1時)。大学生は、これから発表会のシナリオや資料作りを手伝います。 昨年は、高経附2年文系クラス、生徒保護者、高経附教職員、高経大学生・教職員、一般市民など、200名以上が集まり、高校生主体の成果発表に耳を傾けてくれました。今年の成果発表会も、どなたでも聴けますので、こぞってご参加ください。 その昔培われた良き人間関係が、時を経て、次世代を育む場をも整えてくれる。高大コラボゼミ企業訪問でお世話になったのは、Mゼミ関係者ばかりではありません。本学卒業生にも大変ご尽力いただきました。1960年代の卒業生の方々。昨年は、Kさん(電通)、Bさん(資生堂)、今年はUさん(ヤマトホールディングス)。お三方がおられなければ、高校生・大学生の企業訪問はここまでスムーズに運ばなかったでしょう。午前の企業訪問のあと、午後は全員で、昨年は東京証券取引所を見学しました。今年は、ヤマトシステム開発のクロネコデータセンターに行きましたが、Uさんには、こちらの手配でもお世話になりました。本当にありがとうございました。 2年に1度、旧交を温める場。矢野ゼミ総会が9月24日(土)に開催されます(ポシビリズム研究会は9月23日午後から24日午前中の開催です)。受付開始は11時45分、12時30分から集合写真を撮り、午後1時から1次会開会です。場所は7号館1階生協食堂、会費は、1次会・2次会・写真代込みで、1万円となります(いつもどおり、配偶者・婚約者・子供、その他同伴者は無料です)。文集『梁山泊』第18号、『たかけい学報』などとともに、開催要領を送りましたので、卒業生の皆さんのもとへ、これから順次届けられると思います。予算と時間の都合上、今回の出欠確認は、Eメールで行うことにしていますので、その点、ご了解ください。 9月24日、たくさんの人たちに会えるのを楽しみにしています。