この後期から始まったものに「基礎演習」があります。2年の後期から始まる必修のゼミです。演習申し込みは前期。申込窓口は、教務係。定員が18名に設定され、定員を超えなければ自動的にゼミが決定。越えたところは面接等により選抜。定員に充たなかったところは、2次募集を行ない、定員を充たす。2次募集の仕方は1次募集と同じ。そして3次募集。3次募集における学生の割り振りには、学部長、両学科長も関わり、3次募集で最終的な決定をする。以上のような仕組みで、演習の所属が決まり、原則的に卒業まで同じゼミで勉強を続けることになります。 私のゼミは、おかげさまで1次募集で18名が決まりました。後期が始まって初めて顔を合わす、なんてことはもちろんありません。すでに何度か、オリエンテーションや勉強会などで顔を合わせていますし、前期打ち上げソフトボール&コンパは、新歓でもありました。9月24日の第6回ゼミ総会にも参加してもらいました。 学部として初めての試みなのですが、皆さん、この基礎演習をどのように運営されているのでしょうか。すでに前期期間中からサブゼミを開始しているところも結構ありましたね。夏休み中もやっていました。 矢野ゼミでは、これまでに課題レポートが3本。 第1回のレポートは、斎藤孝『「できる人」はどこがちがうのか』(ちくま新書)を読んでもらっての感想。この本を読んで学び取ったことをまとめてもらいました。学びとか、上達とかのプロセスを、いろいろな具体例を用いて説明してある本書の読解を通じ、うまくなる、上達するという方法論を「意識化」してもらう「きっかけ」とすることを目的としていました。読みやすい本だったせいか、ゼミ生諸君は自らの体験なども交えながら、うまくレポートをまとめていました。 2本目は、藤原帰一氏の講演会を聴講してのまとめ。話がいろいろなところにふくらんだせいか、こちらのまとめには皆さん苦労した模様です。 3本目は、伊東光晴『君たちの生きる社会』(ちくま文庫)の要約と論評。中学生向けとされているものの、経済学部生の入門書として絶好の本だと思います。『ケインズ』ともども、伊東先生のロングセラー、ベストセラーとなっています。でも一部のゼミ生にとって、本書の要約と論評はそれほど簡単な作業ではなかったようです。本書全体を機械的に、平均的に要約し、それだけで四苦八苦して論評が手薄になってしまった人。知性を感じさせる視点を提供できた人。「おまえ、そもそも読んでないやろ?」という人。いろいろでしたが、このレポートも何人かは、まとめ方に工夫がみられ、「考える足腰の力」を感じました。 以上、3本とも、今週のゼミで返却します。簡単なコメントをつけてありますので、今後の参考にしてください。また、そのとき、ゼミレポート・論文執筆時の注意事項、要項等について簡単にレクチャーしたいと思います。 先週、第1回目の基礎演習は、夏休みの課題であった伊藤和夫『英文解釈教室(入門編)』のテストとゼミにおける役職選び。ゼミ長は秋葉系のN君に決定。 テストの出来は完全に二極分化。合格点をクリアした人が10名、それを大きく下回った人が8名。3年から始まる演習Ⅰは、例年どおり英書講読です。これに無理なくついてくるためには、『英文解釈教室(入門編)』の内容ぐらい理解し習得しておいてもらわなくてはなりません。この辺がきちんとできていないと、頭で論理的に英語を読むのではなく、腕力で英文と格闘することになり、「ヘンセさん」とか、「ひどく怪しげにきちんとしている」といった、矢野ゼミ史上に残る「伝説的な」珍訳を生み出すことになります。 勉強する時間はたっぷりあったはずなのに、あの点数。8名は当然ペナルティの対象です。今回はトレーニング関係のペナルティの他、まだ時間がありますので、範囲を細かく決めた小テストを5~6回ほど受けてもらおうかと考えています。最終的には2月頃、全員に対し、もう1度、同じテキストから出題する形でテストをします。 これからは、内橋克人『共生の大地』(岩波新書)、高橋哲哉・斎藤貴男『平和と平等をあきらめない』(晶文社)等を題材に輪読とレポートを繰り返す予定です。矢野ゼミの基礎演習では、専門的な本を読むのは後回しにします。春合宿ぐらいから、専門書の輪読に入ります。それまでは、社会科学における「ものの見方・考え方」、レポートのまとめ方、レジュメの作り方、英文読解といった課題に取り組んでもらいます。 ゼミはまだ始まったばかり。こんな段階で「はぐれて」いては、何しに矢野ゼミに来たか、分かりません。具体的に何も手をつけないまま、遠い将来の夢をあれこれ勝手に思い描くのではなく、目の前の日々の課題に、まずは素直に取り組む。これ、大事ですよ。

メッセージ
ヘンセ?【子羊@ぼちぼち腰痛脱出】
(2005-10-07 12:50:00)

もしかして、“hence”のことでしょうか?むかし、It is found that・・・ を「それは~を設立する」と訳した大学院生がいました。「たしかに、found という動詞もあるけど、これは、findの受動態だよ?」っていったら、「わかりません」。(しばし沈黙・・・)「過去分詞と現在分詞のちがいは?」にも、しりません、ときた。ぐっとこらえて(自分でこめかみに血管が浮き上がるのがわかった)、じゃあ、三単現のsがどうしてつかないの?ってきいたら、「三単現ってなんですか?」ときた。・・・これはもしかして高級なんでしょうか?いろいろ忍耐が必要ですね。 あ、そういえば、最近の高校生は辞書が重いって辞書を使わないので、持ってこないぐらいなら電子辞書でいいって指導する高校もあるそうです。ぼくは、大学生時代はいつも辞書3冊ぐらい持ち歩いていて、腕力だけはつきましたけどね。



RE:ヘンセ?【和訳担当者】
(2005-10-07 14:31:00)

be+found+thatを能動態にするとfind+O+C となりSVOCである



辞書5冊でも【矢野】
(2005-10-07 13:30:00)

 毎日カバンの中に入れて持ち運べるように、本ゼミではウェイトトレーニングを取り入れているんですが。というのはもちろん冗談です。 明日は午後2時から、英語テストのペナルティの一環として、じゃなく、コミュニケーションのために(!)、15期K君、N辺君とトレーニング。2人とも野球少年ですから、オッサンの健康維持レベルは楽にクリアしてくれるものと思います。