政治学者のローレンス・W・ブリット(Lawrence W. Britt)の手になる「ファシズムの初期症候」(EARLY WARNING SIGNS OF FASCISM)という文書がホロコースト博物館でパネル展示されているそうです。トランプ政権発足後、アメリカで注目されているようですが、もともとはブリットが2003年に書いた「Fascism Anyone?」(Free Inquiry Magazine, Vol.22, No.2, 2003)というエッセー中で掲げた諸項目(The 14 Characteristics of Fascism)を誰かが簡潔にまとめたもののようです。 ここでまとめられているファシズムの初期症状、いやファシズムの「特徴」は、そのまま安倍晋三の政治手法、政権発足後の政治状況に当てはまるように思います。そんな印象を持つのは私だけではないようで、このパネルは日本でも話題になり、ネット上で拡散しています。 以下で、ブリットの「ファシズムの初期症候」を挙げておきます。安倍政権発足後のあれこれを思い浮かべれば、ファシズムの現実は今ここにあることが分かるでしょう。 1. 頑強・頑迷なナショナリズム(Powerful and Continuing Nationalism)  2. 人権軽視(Disdain for the Recognition of Human Rights)  3. 国内統合に向けた敵国ないしスケープゴートづくり(Identification of Enemies/Scapegoats as a Unifying Cause) 4. 軍事優先(Supremacy of the Military) 5. 性差別の蔓延(Rampant Sexism)  6. マスメディアのコントロール(Controlled Mass Media) 7. 国家安全保障への執念(Obsession with National Security) 8. 宗教と政治の癒着(Religion and Government are Intertwined)  9. 企業権力の擁護(Corporate Power is Protected) 10. 労働者の抑圧(Labor Power is Suppressed) 11. 学問・芸術の軽視(Disdain for Intellectuals and the Arts)12. 犯罪厳罰化への執念(Obsession with Crime and Punishment)13. 身びいきの蔓延と腐敗(Rampant Cronyism and Corruption) 14. 不正選挙(Fraudulent Elections) 首相自身が「印象操作」をして、どう取り繕おうと、アベノポリティクスは、多分に「ファシズム」的要素を内包するものなのです。日本は今、危ない道を進まされています。東京オリンピック2020とベルリンオリンピックがダブって見えてきます。錯覚であればいいのですが。