先週末、東北学院大学のFD研修会に呼ばれ、仙台に行ってきました。土樋キャンパスの一室で「『出会い』の場としての学部ゼミの可能性」と題する講演を行いました。土樋の会場におられたのは30名ほどの先生方ですが、講演の模様は多賀城キャンパス、泉キャンパスにも配信され、多くの先生方に聴講いただきました。 「FD(Faculty Development)=教員研修」「SD(Staff Development)=職員研修」は今やどの大学でも義務づけられていますので、私も本務校で年に何回かの研修会に出ます。今回は他大学の研修会に「聴く側」ではなく「話す側」として参加したわけです。FDでの講演はこれまでもありますが、今回は初めて、研修会前の「黙祷」を経験しました。キリスト教系の東北学院大学では、すべての会議・研修会が、司会者がクリスチャンの場合は聖書の朗読、そうでない場合は参加者全員での黙祷から始まるそうです。貴重な体験でした。 いろいろな大学の様子を直接・間接に見聞きするにつけ、本学の取り組みはまだまだ甘いと実感します。FDと言えば、まずは授業改善を目指すもの。大学での教育に免許は要りません。したがって、教育方法に関して、正式な指導を受けている教員が少ないのが現状です。そうしたなか、講義やゼミ、学生指導をブラックボックス化せず、互いに長所を学び取り、大学組織として、教育力・指導力を高めようというのがFD研修会本来の趣旨です。もちろん、内容的にSDと関係するものもありますから、最近ではFD&SD研修会として実施されることも多いようですが、基本的にFDは教育力向上のために行われるべきものです。 近年、本学で行われている研修会は、非常に興味深く、勉強になることも多い内容となっています。大して期待せずに参加した研修会がことのほか面白かったということもあります。しかしながら、総じて「失点をしない」ための研修会のように感じます。積極的に「点を取りにいく」というより、いかに安全運転をするか、というものが多く、本学がまずは目指すべき「学部教育力の向上」にはつながりにくい研修会かなというのが私の個人的印象です。FD&SDというワンセットで行われることが多いですしね。 本ブログでもたまに書きますが、本学がこの先、生き残っていくには、学部の教育力を飛躍的に高めていかなくてはなりません。研修会もまずはこれを目指して実施すべきです。文科省の締め付けもあって、理系・医系学部を抱えた地方国立大学が本気で学部教育力の向上ならびに地域貢献を目指している今、高崎経済大学も本気でFD、SDに取り組み、教職員の教育力、指導力を高めていかないと、近い将来、非常に厳しい状況に追い込まれると思います。「全国型公立大学」のブランドは『47 Colors』を作っているだけでは守れません。 講演後は、東北学院大学副学長のC先生、学務部長のK先生、教務課長のMさんと懇親会。本気で学生の教育、大学運営に携わっている人たちといろいろな話をさせていただき、勉強になりましたし、何より楽しかったです。 東北学院大学の先生方との「1次会」が終わった後は、「矢野ゼミ仙台支部総会」への合流です。これが予定されていたので、「1次会」は軽く切り上げるつもりが、楽しすぎて結構飲んでしまったため、合流時には「できあがって」いました。今回は、2月にも飲んだメンバー6期S君、12期M君、15期K君、17期C君、同U君、23期O君のほか、山形から4期I君、6期K君、そして青森から6期Y君まで参加していただき、大いに盛り上がりました。 東北学院で講演をさせていただいたのも、ゼミ生との長年の交流があればこそです。ゼミ生とのやりとり、その積み重ねがあってこそ、このような講演依頼が舞い込むわけです。今回もそれぞれ忙しいにもかかわらず、遠くからも飲み会に参加してくれて、ありがとうございました。妻も私も楽しいひと時を過ごせました。 一晩中楽しすぎて、飲みすぎて、ホテルに戻るころにはフラフラになっていましたが、翌朝は何とか起き上がり、妻とともにJRで石巻に向け出発。まずは石ノ森章太郎漫画館まで歩いて、館内見学。サイボーグ009、仮面ライダー、佐武と市捕り物控え、人造人間キカイダーなどなど、小樽の石原裕次郎記念館同様、昔を懐かしみながら楽しみました。その後は、海岸の様子が見たくて石巻漁港に向けて歩きましたが、思った以上に遠くて(妻の機嫌も悪くなって!)大変でした。 漁港近くからタクシーで市街地に戻り、食堂「友福丸」で石巻の海の幸をいただきました。めちゃくちゃうまかったです。さすが石巻です。その後はまたタクシーに乗り、日和山公園へ。石巻の街を一望できるところに行くと、東日本大震災の被害の大きさが手に取るようにわかりました。この日は季節外れの穏やかな日で、海を眺めながらのんびり過ごしました。何もなければこんなに美しい風景ですが、震災の日は大津波が町を飲み込んでいったわけです。祝日だったのですが、午前中歩き回ったところを含め、石巻の海沿いでは、再開発事業が続き、トラックやダンプ、ブルドーザーが動き回っていました。 1泊2日の短い時間。でも、いろいろなことを考える旅となりました。

メッセージ
蝦夷へようこそ!【ゲシュキン】
(2017-11-10 00:02:14)

 毎度のことで、ごめんなさい。でも、また、ここでもいわせてください。矢野ゼミでよかった。またまた思えて、何て家宝だろうです。
矢野先生がお飲みの間、「痩せたね!」の一言が嬉しく、何となくダイエットでしたが、実戦ダイエットに臨みます。(わたくしが痩せて見えたのは、惜しむらくは、相対性理論と思います。)
東北を思ってくださること、ありがたく、ありがたく思います。
 
 



健康リテラシーと金融リテラシー【矢野】
(2017-11-11 14:33:17)

 遠くから飲み会に参加していいただき、ありがとうございました。私のほうこそ、またまた楽しい一夜でした。
 厚労省「都道府県別年齢調整死亡率概況」、ならびに金融広報中央委員会の資料に基づけば、ゲシュキンさん県下、最大の「国難」は、「健康リテラシー」と「金融リテラシー」の欠如ないし不足のようです。別々に議論されがちですが、私見によれば、両者は関連しています。県、大学(医学部・経済学部)、金融機関が一致団結して、県民の健康リテラシーと金融リテラシーの向上に努めることが眼前の「国難突破」には重要かと思います。