「モリ・カケ・サクラ・スパ・リニア・クロカワさよなら~」。 「半世紀前に流行ったウイロウのコマーシャルみたいやな…。」と言っても、どれだけの人が分かるでしょうか。「くやしかったら言ってみな」で始まる、例のテレビCMなんですけど。「シロ・クロ・抹茶・ユズ・サクラ」ってやつ。みんな、知ってますか? スキャンダルまみれの安倍政権。まあ、次から次までいろいろなことがありました。あまりに多すぎて覚えるだけで大変かもしれません。ウイロウのコマーシャルのように並べれば、一部だけでも忘れずにすみます。ホンマに…。 新型コロナ対策も不評で、いくら本人が「日本モデル」と胸を張っても、そう思ってくれる人は少なく、ドイツのメルケル首相などと違って、支持率がガクンと落ちました。こうした状況をやり過ごすべく、トランプ大統領に呼ばれてG7サミットでアメリカに渡り、(ルール通り?)帰国後2週間は官邸に引き籠って、「霧隠才蔵」ならぬ「雲隠れ晋三」を決め込もうと思っていた(のかもしれない)矢先、サミットは9月に延期となりました。 そんなこんなの今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。 高崎経済大学は、今日から入構制限が「解除」されました。とはいえ、講義はすべてオンライン。部活などの課外活動の自粛要請は続き、図書館も貸し出し・返却のための一時入館のみ許可(「なるべく滞在しないでね」)という状況ですから、学内は、相変わらずガランとしています。「狭い、狭い」と言われる高崎経済大学ですが、元気な若者たちがいなければ寂しいかぎり。狭い、いやコンパクトな空間での濃厚接触が懐かしいです。 懐かしがってばかりはいられません。繰り返しになりますが、何でもかんでも元通りはもはや無理なのでしょう。コロナ後の「新常態」に慣れるしかありません。そう思い、やむを得ず始めた「オンライン講義&ゼミ」ですが、悪いことばかりではありません。やりようによっては、遠方の卒業生と交わる機会が広がります。 私、今までSkypeなるものを使ったこともありませんでした。「オンライン講義&ゼミ」の実施を前にうろたえる先生を見かねたのか、卒業生がオッサンを少しでも「オンライン」状態に慣れさせようとして、Skypeを使って行われる「決済制度ゼミ」に誘ってくれました。5月3日のことです。 18期T君が主宰し、回を重ねてきた矢野ゼミ卒業生の勉強会。今回は、日銀、全銀協、全信組連、預保、保証協会などに勤務する「常連」に加え、ゲストとして私、そして某地銀ニューヨーク支店から一時帰国している13期K君が参加しました。私にとって、いつもながら、金融実務、現場の奮闘ぶりに触れる良い機会となりました(17期A君、18期U君らとも久しぶりに話せたし)。 先週金曜日には、29期生の演習Ⅰに、午後5時30分から20期生K君を招いて「セミナー」を開きました。もちろんZoomでの参加です。 二輪で有名な某メーカーに勤めるK君。社内選抜と入学試験を通過し、もうすぐ英国の大学院に渡って、アート、デザインを学ぶ予定です。そんな彼を3年のゼミに招き、「どのような学生生活を過ごしたか」「どのような就活をしたか」「会社ではどのような仕事をしてきたか」「文系出身・メーカー勤務の会社員がなぜ英国の大学院でアートを学ぶのか」「そのためにどのような準備をしてきたか」といった話をしてもらいました。 今回のセミナーのタイトルは特に決めなかったのですが、話してもらった内容から振り返ると、「時間の使い方は命の使い方」という言葉に集約されそうです。自分の人生でいったい何をやり遂げたいのか。どのような人生を過ごしたいのか。率直に語ってもらいました。質疑応答を含め、学生は大いに刺激を受けたと思います。私にとっても、いい話でした。「時間の使い方は命の使い方」というのは、頭で分かっちゃいるけど、あらためて指摘されると心に突き刺さります。ドキッとしますよね。 私、先日、手術後、7年の日を迎えました。おかげさまで、この7年間、無事健康な日々を過ごしてきましたが、あらためて振り返ると、退院直後の思いをどれだけ維持できたか、心もとないですね。覚悟をもって生きる気合いを忘れがちだったかもしれません。「時間の使い方は命の使い方」という言葉をあらためて心に刻みます。忙しいなか、Zoomでゼミに参加し、いい話を聞かせてくれたK君。本当にありがとうございました。 Zoomのおかげで、学生と一緒に卒業生から刺激をもらえるチャンスが増えそうです。「シロ・クロ・抹茶・ユズ・サクラ」「モリ・カケ・サクラ・スパ・リニア」なんて言ってる場合じゃありません。