最近、本ブログには、講演会や研究会についてのコメントを連投しています。特に矢野ゼミ生にとって講演会の有する意義や意味に関し、アホみたいに同じようなことを繰り返し、述べています。本日もアホの続きです。
 すでに高経大のHPでも告知されているとおり、3月18日(土)午後2時から、地域政策学部・西野寿章教授の退職記念講演会が開催されます。本講演会は、私が主宰する地域科学研究所特定研究プロジェクト(「日本における『持続可能な地域』実現の展望と課題―ガバナンスと域内経済循環の観点を中心に―」、通称SuCoP)の公開講演会という形をとり、以下のような要領で行われます。事前予約が必要(3月15日締切)なので、大学HPなどにある予約フォームから予約してください。
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◇日時:2023年3月18日(土)午後2時~午後4時
◇会場:高崎経済大学2号館1階211教室
◇講師:西野寿章氏(高崎経済大学地域政策学部教授)
◇演題:地域を見つめて35年―語り継ぐべき人々の生業と歴史―
◇開催の趣旨:本講演会は、当研究プロジェクトの理論的・精神的支柱である西野寿章教授の高崎経済大学退職記念講演会として行われます。
 35年間の在職中、西野教授は「経済地理学」という狭義の専門にとどまらず、日本における町村営電気事業史、再生可能エネルギーや公共交通・都市インフラをめぐる歴史・政策に関する研究を積み重ねるとともに、群馬県産材住宅補助金制度、森林環境税など先駆的政策のアドバイザー/プラクショナーとしても活躍してこられました。
 高崎経済大学地域政策学部は、今でこそ、学部定員1学年420名、専任教員約50名から構成されていますが、西野教授の献身的なご尽力がなければ、そもそも日本初の学部は生まれていなかったでしょう。全国から注目される地域科学研究所(旧・産業研究所、旧・地域政策研究センター)の各種プログラムも然りです。
 本講演会は、高崎経済大学に対する西野教授の長年にわたる貢献を顕彰し記念するために行われます。本学学生・教職員はもちろんのこと、一般市民、全国でご活躍の西野ゼミ卒業生など、多数のご来場をお待ち申し上げます。
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 今回のSuCoP公開講演会を西野先生の退職記念講演会とする趣旨は上述のとおりです。 本学においては、いつの頃からか、定年退職者の最終講義を、学部生向けに閉じられた時間割上の講義の最終回をもって、おしまいにするという「悪弊」が蔓延っています。西野先生の場合も、それでお茶を濁されそうだったので、35年在職中の貢献にふさわしい退職記念講演会にしたいという思いで、企画しました。
 高崎経済大学地域政策学会『地域政策研究』の西野教授退職記念号に「『現実主義』に関する一考察―2020年代の『現実』のなかで」と題する駄文を投稿しましたが、最後の付記の部分では、数々の研究業績や学部ゼミ生の調査報告書『過疎山村の研究』シリーズに言及したのち、次のように書きました。
 「地域科学研究所(旧・産業研究所)については、もしも西野先生がおられなければ、現在のような研究機関にまで発展し、成果を市民に還元する拠点になることはなかったでしょう。細かな制度設計から、教職員に対する一言二言のアドバイスまで、所長であった時も、そうでなかった時も、この35年間、研究所を支えてこられたのが西野先生だったことは、衆目の一致するところです。」
 「忘れてならないのは、1996年4月の地域政策学部設立です。今でこそ学部定員が400名を超え、50名に及ぶ専任教員を抱える学部に発展しましたが、設置認可に至るまで、まさに東奔西走された西野先生のご尽力がなければ、そもそも全国初の地域政策学部は生まれていなかったでしょう。先生の定年退職にあたり、今となっては知る人も少なくなった学部増設の経緯を、本学教職員全員が記憶に刻み込むべきだと思います。まさに『飲水思源』です。井戸を使う人は、掘った人のことを忘れてはいけません。」
 最近、学内では、井戸を掘った人のことを忘れて、水を飲み、禄を食んでいる人たちが目立つように思います。これじゃ、いかんと考え、京都大学再エネ講座とは違って、年度末ギリギリのタイミングにはなってしまいましたが、西野先生の退職記念講演会を企画しました。皆さん、ぜひお越しください。