今年も4月から、「高経大+高経附 高大コラボゼミ」を行ってきましたが、9月13日(土)の成果発表会でひとつの区切りとなります。 高大コラボゼミでは、例年どおり「日本企業の海外戦略」を共通テーマに、高校生と大学生が6チームに分かれ、日立製作所、カヤバ工業、清水建設などのケーススタディを行ってきました。4月から6月には日経新聞主催の円ダービー学生対抗戦に取り組み、英語学習も進めました(高校生は6月の英検、大学生は5月のTOEICにチャレンジしました)。 メインは企業研究です。今年は支援していただいている経営支援NPOクラブのSさんに早めのアレンジをお願いしたため、4月段階で対象企業が決まっていました。高校生・大学生が一堂に会する機会は限られていましたが、高校生の意欲は高く、ケーススタディへの着手も早かったので、成果発表会でのプレゼンテーションが今から楽しみです。 8月22日(金)、早朝から高崎駅に集合し、新幹線で一路、東京へ。そこから6つのグループに分かれて、各企業に訪問しました。非常に緊張する場面で、どれだけの質問・インタビューができたか。午後、羽田のクロノゲート見学に集結した生徒・学生の表情を見れば分かります。今年も達成感・充実感がそれぞれの顔にみなぎっていました。 高校生・大学生とも忙しいので、高崎・東京の往復、東京での移動や合間の時間を用いてプレゼンの準備を進めていました。高校生は本日、定期考査を終え、9月9日、本番と同じ会場で行われるリハーサルに向けて最終調整に入ります。そこで厳しい指摘を受けながら、11日に高経附の校内リハーサルを行い、13日を迎えます。 2014年度高大コラボゼミ成果発表会は大学公式HPに告知してあるとおり、以下のような形で行われます。◇日時:2014年9月13日(土)午後1時30分開始(受付は1時から)◇会場:高崎経済大学7号館731教室◇内容:6グループによる研究発表(質疑応答を含め、各20分) 以前にもお知らせしたとおり、高崎経済大学附属高校は、今年度から5年間、文科省の「スーパーグローバルハイスクール」に選ばれています。「高崎市立」の唯一の高校ですが、SGH指定の「事実」は、高崎市や高崎市教育委員会のHPではまったく触れられていません(市長の動静日誌的なところをみると、高経附入学式の祝辞にほんの少し出ています!)。全国56校の選りすぐりであるにもかかわらず、です(「高崎学検定」のほうが重要みたいです!)。 「上」のほうの扱いはそんなもんですが、高経附3年文系オナークラスの生徒諸君の能力・モチベーションは高いので、今年のプレゼンテーションは、冒頭で生徒による英語スピーチを入れることにしました。保護者を含め、数百人の聴衆の前で、各グループの高校生代表が研究概要を英語でプレゼンします。非常に緊張するとは思いますが、高大コラボゼミの中でも英語による発表を行いましたから、まあ何とかやってくれるでしょう。 成果発表会はどなたでも参観可能です。ひ弱だとか、内向きだとか、とやかく言われがちな若者たちですが、次世代を担う高校生の凛々しい姿を是非見に来ていただければと思います。「日常」に少し疲れたオジさん、オバさんも、きっと元気をもらい、笑顔になれるはずです。世の中、まだまだ捨てたもんじゃないなって。 “You'll find that life is still worthwhile if you just smile.”最近よく口ずさむ「Smile」の一節です。【最近いただいた本】☆服部茂幸『アベノミクスの終焉』(岩波新書、2014年、740円); 現政権はテレビ・マスコミ等を総動員して「アベノミクス」の成果を喧伝しているが、いまだ何の成果も上げていない。本書は、アベノミクスが何の成果も上げていないことを実証的に論じるとともに、なぜ成果を上げられないのかを理論的に説明する。そして、成果を上げていないどころか、この誤った政策がもたらす悲惨な帰結を簡潔にまとめている。是非一読を勧める。 総裁選、統一地方選を意識し内閣改造を行っただけで、安倍政権は支持率を6割にまで伸ばしているという。伊東光晴『アベノミクス批判―四本の矢を折る』(岩波書店、2014年、1700円)と合わせ読み、アベノミクスという危険ドラッグの影響から早く覚醒して、現実を見据える必要があるだろう。☆春日尚雄『ASEANシフトが進む日系企業―統合一体化するメコン地域』(文眞堂、2014年、2400円); 大メコン圏には以前から関心があり、論文にまとめたこともあるが、最近の細かな動きは抑えきれていない。ミャンマーなどが東南アジア最後のフロンティアと言われるが、日本企業の投資動向を分析した本書を通じ、GMSの今後を展望したい。この地域でも、鍵は中国だ。