令和4年末、あそぼーひろっぱの参加者の連絡用のグループチャットから始まった。
ひろしま紙芝居村のABさんが「小屋浦で子どもたちと一緒に災害の紙芝居を作った」ことを書き、矢野小PTAの役員OTさんが「5年目となる年に、矢野でも子ども目線の紙芝居を作りたい」と応えた。
矢野小PTAのOTさんが矢野西小・矢野南小・矢野中の各PTAに声をかけ、矢野南子ども会の私から矢野町子ども会育成連絡協議会に声をかけた。矢野全部のPTAと子ども会、ひろしま紙芝居村の7団体で、矢野豪雨災害かみしばい製作委員会を設立した。
7月から10月に、3小学校で6年生に思い出を募集したところ、合計で100以上の思い出が集まった。
当時は小学校1年生。幼い脳裏に焼き付いて忘れられない記憶は、感覚的なものが多かった。
ゴーという雨の音、恐怖、川のように水が流れる道路、土のにおい、埋まった小学校、家族の言葉…。
矢野中学校は美術部が協力をしてくれた。
紙芝居に必要となるであろう場面の写真を渡したところ、忠実に描写してくれた。
近隣の高校に思い出募集の協力を仰いだところ、安芸南高校からは「授業の一環として積極的に取り組ませてもらいたい」と打診があった。「総合的な探求の時間」という授業は、生徒グループが自ら課題を決めて、探求に取り組むもの。
10月19日に、その授業を訪問すると、防災をテーマに掲げた2年生と3年生の4人がいた。
豪雨災害の概要を振り返り、4人の思い出を聞いた。彼らは、当時、小学校6年生か中学校1年生。いずれも近隣在住で、豪雨災害を体験していた。避難所生活をしていた生徒もいた。
小学生から集まった思い出を、中学生の絵の上に分類。読みながら、当時の感覚が蘇った。
ひろしま紙芝居村のABさんによる紙芝居練習。あそぼーひろっぱで暫定版を上演するときの読み手となってもらうことにした。
暫定版といえど、一応、ストーリーにまとめる必要がある。私は小学生の思い出を全部読み、兄妹が豪雨に恐怖し、眠れない夜を過ごし、復旧の様子を観察する。思い出の中に、3つも誕生日のことが書いてあったので、ストーリーに取り入れた。
そして、紙芝居を物体化しなければならない。中学生の絵と小学生の絵をそのままパワーポイントに貼ってA3にカラーコピー。ABさんのビデオ指導により、厚紙に貼る。
11月16日、もう一度、安芸南高校を訪問、ABさんのリモート指導により、この紙芝居を練習した。
そして、11月19日。あそぼーひろっぱで、高校生と私たちスタッフが上演した。テレビの取材もあった。
高校生は堂々と上演し、インタビューにもしっかり答えた。
11月22日、TSSのニュースで放送された。
TSSライク 2023年11月22 ←クリック