第256回アタック「ギフチョウに会いたい2018(1・2)」 | ニュータウン裏山探検記

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やのみー探検隊が行く!
by Yanomii Tanken-Tai

 平成30年4月7日(土)、8日(日)の二日間、絵下山にギフチョウを探しに行った。

 結論から言って、会えなかった。

 

 4月5日(木)に、あきく魅力探見隊のYZさんが、私の職場を訪ねてくださり、「どうも、今年はもうギフチョウが飛んでいるらしいよ」と言う。例年、4月10日くらいが初見情報になるが、4月1日には飛んでいたという。3月末から急に暖かくなり、20℃を超える日が続いたが、こんなに早くなるのか。

 その瞬間から絵下山に行きたくてたまらなくなった。

 

 4月7日(土)10時、頂上部に到着。前日までの雨は降り止んだが、まだ天気は不安定。気温が低く、風が強い。日差しも弱く、気温が上がりそうにない。

 頂上部に設置された寒暖計は「3℃」を示している。

 一週間前はつぼみが多かったが、それから一旦暖かくなり、けっこうな雨が降ったため、ソメイヨシノは、すでに散り残り。葉も一気に出始めた。

 野生種のヤマザクラも花の盛りは同じくらい。花は赤茶色の葉と同時に出て来る。寿命が長く高木になると、花は上の方に咲くので見えにくい。

 絵下山の車道脇には、白い花のサクラが咲く。寺屋敷の人たちが「昔、青いようなサクラをたくさん植えた」というのがこれではないかと思う。オオシマザクラだろうか。

 一重の桜にも種類がある。これからは絵下山に植えられた八重咲きのサクラが咲き始める。

 

 ギフチョウが吸蜜するコバノミツバツツジはつぼみから満開。サクラより、花の時期は長いが、それでも1か月ほど。

 

 ギフチョウポイントを巡る。

 ピークDの約束の時間は11時。その前後合計50分ほどそこにいた。日差しが少し出ることはあったが、寒すぎる。

 帰ろうとしたとき、来られた男性がカメラを持った私に、「鳥の写真ですか」と聞かれた。

 「ギフチョウです。今年はもう飛んでいるという話を聞いたもので。でも、今日は寒いですね。」

 「今日はダメですね。実は4月1日(日)にそこで写真を撮りました。」と言ってカメラを見せてくださった。

 間違いない。ギフチョウだ。男性によると、「写真に撮れたのはこの日だけだが、その2、3日前から飛んでいた」。3月のうちに飛び始めたということか。

 写真を拡大鮮明化。4月1日だ。あ、11時1分。約束の時間は生きているようだ。

 この日は諦めた。

 

 翌4月8日(日)正午、頂上部に到着。天気は良い。日差しもあるし、風も弱い。

 寒暖計は9℃。前日よりもかなり暖かいが、まだまだ低い。たぶん、ここで15℃は必要なのだと思う。

 この日はピークABCから、急いでも20分かかるピークMに行ってみる。ここ数年、最もたくさんのギフチョウが観察されている場所である。

 急いで20分、ピークMに到着。

 誰もいない。耳を澄ませば、遥か遠くに自動車や電車の音が聞こえなくもないが、基本的に無音。ガサガサという音がすれば、ホオジロが地面を跳ねて移動している。「ギフチョウ食うなよ」

 あまりに静かで、ビロードツリアブのブーンという翅音が聞こえる。

 30分粘ったがギフチョウは現れなかった。まだ、早かったのか。

 諦めて、戻っている途中、女性にすれちがった。やはりカメラを見て「何を撮りに来られたの?」と聞かれた。「Mにギフチョウを撮りに行った帰りですが、いませんでした」というと。

 「4月4日(水)にMで5、6匹見ましたよ。今日はどこでも見ていません。少し寒いですね」と言われた。

 ピークMでもすでに羽化していたようだ。しかも、多数。

 見られなかったことは悔しいが、今年も無事、ギフチョウが現れているという情報を聞きうれしく思う。

 季節は始まったばかり、また会いに来る。