ルームスタイリスト・プロの芝垣茜です。
金沢のことを書いてきましたが、この記事でいよいよ結びにします。
あれもこれもと延々と書いてしまいそうですので(^_^;)
茶屋街を後にして訪れたのは、長町武家屋敷跡界隈でした。
かつての藩士が生活していたお屋敷が、現存されている街並み。今にも帯剣した武士が辻から姿を現しそうです。
今もこちらにんでいらっしゃる方がいるのだそう。
そういえば、この旅は祖父の法要で訪れたのですが、うちの祖先は武家の家柄であったそうです。お寺のお墓にも檜扇が彫られていました。
長町研修塾 です。今でも実際に金沢職人大学の講義が行われるほか、お茶や謡曲、お囃子の稽古に使われているそうです。
庭園が開放されているので立ち寄らせて頂きました。
庭園内は植えられている植物が本当に多くて驚きました。
楓や南天、椿など……まさに四季を感じられるお庭です。
今もお稽古が行われているというお茶室。風情がありますこと。
止め石(ここから先に入ってはいけないことを示すものです)を見て、昔ながらの作法を守られているんだなと改めて感じました。
さてそろそろお茶の時間です(笑)
立ち寄らせて頂いたのは鏑木商舗 さん。
金沢の有名な九谷焼のミュージアムがあり、そこにカフェが併設されています。
店内は所狭しと九谷焼の食器が置かれて販売されています。高級で手が出ない……と思っていたら、リーズナブルで可愛らしい陶器もたくさん。
カフェの席から庭園を臨みます。奥の方で梅が咲いているのが見えますね。
こちらの庭園も本当に素晴らしかったです。樹齢数百年という松や梅が見事でした。
金沢はやはり雪国なので、こちらの庭園も雪吊(雪で枝が折れないように、縄を渡すこと)されていました。
それ以外でも、松や梅は矯めるのがとても難しいと聞いたことがあります。お店の方に伺うと、やはり専門の剪定師さんがいらっしゃるのだとか。日本の文化を保ち続けてくださっているのですね。
本当に贅沢なお眺めでした。
そして新幹線まで残り時間わずかですが、どうしても行きたかったのがこちら。
武家屋敷跡、野村家 です。
こちらも庭園が見事なのですが、それよりも何よりも私が見たかったのは当時をそのまま残す日本建築でした。
ルームスタイリスト1級講座でも触れることですが、シンメトリー(左右対称)が多い洋風建築に対して、日本はアシンメトリー(左右非対称)の建築。
床の間に掛け軸。最近は旅館などでも見る機会は減ってしまったと思いますが、やはり野村家は藩士たちのあの時代を思わせるものが、そのまま残っています。
一段高くなった床の間は、客間や人が集まる場所に設けられていました。掛け軸や生け花など、座敷飾りを用いて主人の権威を示したのだそう。
襖も美しいですね。
こちら野村家は観光のCMやパンフレットの撮影などにも使われているそうで、外国人の観光客もとても多かったです。それに、学生さんのような若い観光客もたくさん目にしました。
今はなかなか見られることの少なくなった歴史を醸す日本建築、一見の価値があります。どなたも一度訪れてみてほしい場所です。
金沢で出会ったたくさんの方々、ありがとうございました。
13年ぶりに訪れ、良い思い出になりました。