三島由紀夫「豊穣の海」の第1巻である「春の雪」が映画化されました。皆さんはご覧になりましたか?私はみてません。みる気もあまりありません。なぜなら主人公である妻夫木や竹内がどこからみても明治時代の貴族にはみえないからです。そして「春の雪」が映画で描かれているような悲恋物語ではないと思うからです。
三島由紀夫の小説はこれまでもいくつか読んでいますが、あまり感動した記憶がありません。高校生の頃「午後の曳航」を読んで心がちょっと騒いだぐらいです。「春の雪」は今度はじめて読んでみました。やはり高校生の頃、友人がこれを単行本で読んでいるのをみて感心した思い出があります。
「春の雪」はとても読みにくい本です。三島由紀夫の文章は凝りに凝っていますので、難しい漢語もちりばめられていて、話の筋自体は難しくないのですが、それを描写する文章はなかなか難解です。そして「春の雪」だけではなく「豊穣の海」そのものが「輪廻転生」をテーマにしているので、仏教(それも小乗仏教や大乗仏教)の言葉や思想がかなり色濃く出てきますので、現代の我々からは縁遠い感じがします。
