NHK「プロジェクト✕」。20年以上前のアーカイブ映像が再放送されていますが、いまも大きな感動を禁じ得ません。

 

思えばてとても地味なジャンルである大神楽の世界においても、ささやかながら「プロジェクト✕」は存在したのです。

 

10月上旬、大神楽曲芸師の柳貴家雪之介は旭川・札幌・稚内、を回り前半を終えて北海道公演の中間点、に居ます。雪之介演じる伝統芸の評価が高く、「芸人冥利」に尽きる日々を過ごしていることを嬉しく思えるのです。

 

水戸宗家の師範代・正佐の伝統芸の伝授・修得もあらたな境地に到達しようとしています。正佐の律儀さ、端正な芸風が生き生きと現れています。

 

平成の御代。とくに海外公演における評価は、地方芸能から日本の伝統芸能へ、とレベルをおし上げてくれたと自負させていただけるものと思います。

 

アメリカ国立美術館公演はその最たるもので、その公演記録の映像が保管されています。ゼネラルマネージャーによると、当時の「日本展」責任者であった副館長さんが正楽の「出刃皿の曲」にご執心で、毎回かならず緊張感をもって注目していただいたそうです。わたしは記念バッチとは別に、彼から「アメリカ ナショナルギャラリー オブ アート」の「カフスボタン」を、敬意の証(あかし)として特別にプレゼントされ、誇りに思いました。

 

この真実のアーカイブ映像もできるかぎり水戸・茨城ばかりでなく、日本の皆さんにご紹介できれば、と思います。

 

現在(いま)を担う雪之介、正佐のみならず、次代の後継者や異業種においても茨城の魅力度向上に努力・尽力する人々を励まし、微力ながらその一助になることを念願して。