正佐がふと、つぶやきました。

 

「若師匠の芸が去年と今年では、違いますよね」と。後見をしている正佐の実感なのです。

 

去年と比べて、いっそうの漲(みなぎ)る気力、迫力を感じさせてくれます。それがなによりも喜び、拍手をいただく観客の反応に現れていると感じているのは、私一人ではないと思います。

 

芸歴66年におよぶ迂生から見ても、大神楽曲芸師として一流品、一級品、なのです。

 

先代正楽はよく「気力 迫力 演技力」が肝要、と申しておりましたが、雪之介の充実ぶりに、喜び居てくれることでしょう、きっと。

 

師父・先代正楽の後見を永く務めてきましたが、また先代とは違う独特の演じ方を確立しつつあります。

 

「体が資本」の芸人の世界。健康留意、日々謙虚に精進。ますます、進化する雪之介が楽しみですね。